超重要なインターンと「本気」と思われるポイント

<第7回> インタビュー 篠原真喜子

 「せっかくなら気になるところは全部受けてみよう!」と、業界を絞らずに就活した川口さん。そんな川口さんは、第1志望企業をはじめ、様々な業界から計8社もの内定をゲットしました。一体どのように活動したら、得られるのでしょうか?! 気になるあれこれをお聞きしました。

川口莉歩さん
プロフィル 川口莉歩さん

法学部 法律学科。受験業種は航空、ホテル、テレビ、金融等。ES提出数15社、面接まで進んだ会社数13社、内定先はANAエアポートサービス(ANAAS)ほか、銀行、保険会社、ホテル、カード会社など計8社。

道のり内定までの道のり

大学3年5月
インターンシップ合説で幅広い業界を見る
大学3年7月
アナウンサー含め5社のインターンにESを提出するも、通過は1社のみ。「このままではまずい。人と違うことをしなくては」と思い、新聞を読み始める
大学3年8月
カード会社、損保のインターンに参加
大学3年12月
OG訪問開始。志望業界をテレビ、航空、ホテル、金融に決定。ANAASのインターンに参加し、GSへの志望度アップ!
大学4年3月
SPI対策をしていなかったことに気づき大慌て。急いで勉強開始
大学4年5月
空港見学などもしながら、ひたすら第1志望企業の面接対策
大学4年6月
ついにANAASから内定!

インターンは超重要!

 ――川口さんは、かなり幅広い業界を受けていましたよね。

 はい。3年の夏頃はやりたい仕事が決まっていなくて、漠然と航空業界やアナウンサーに憧れていました。あと、両親が金融業界で働いていたので、金融にも興味がありました。「せっかくなら気になるところは全部受けてみよう」と。それで、気になる業界のインターンには、必ず1回は参加するようにしていました。「インターンは選考には関係ない」と言う人もいますが、今振り返ってみると超重要だったと思います。最終的に、ANAASが第1志望になったのもインターンがきっかけでした。

 ――インターンはどのような点がよかったですか?

 参加するとその業界のしくみを教えてもらえるし、企業のこともよくわかるので、業界研究や企業研究に有効なんです。とはいえ最初の頃は、アナウンサーを含めて5社のインターンにESを出したものの、通過は1社だけで焦りました。

 ――そこからどうやって通過するようになりましたか?

 ちょうどその頃、母が朝日就職フェアのチラシを見つけて、そのフェアに参加したんです。もともと家で朝日新聞を取っていて、母には新聞を読むように言われていたのですが、苦手意識があって読みませんでした。フェアで、内定者の方が新聞を就活に活用したことを話されていて「本当に読んでいる学生がいるんだ!」と驚いたほどです(笑)。でもこのとき、そんな話を聞いて焦ると同時に「こういう努力があってこその内定なんだ。私もできることはやらなくちゃ」とも思えたんです。早速、朝日新聞デジタルの申し込みをして、スクラップを開始。そうしたら、すごく企業研究がしやすくなって、インターンのES通過率も上がっていきました。

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横書きならブログ感覚で

 ――よかったです! でも、お母さんに言われながらも読めなかった新聞だったようですが、いざデジタル版の新聞を読み始めてみていかがでしたか?

 デジタル版は横書きで読めるので、ブログを読むような感覚で思っていたよりもずっとスラスラと読めました。新聞が苦手という人ほど、デジタル版から始めてみるといいかもしれません。私は習慣化するために、まずは無理のない一日5分から始めたんですが、5分あれば1面は読めます。毎日の通学で40分ぐらい電車に乗っていたので、その時間に読むようにしました。慣れてくると読む時間も増え、そのうちにお気に入りのコーナーも。私はオピニオン面、特に読者投稿欄の「声」が好きでした。一般の方の意見なので、親しみやすいんです。元々自分の意見をまとめるのが苦手でしたが「声」の意見に賛成か反対かを考えるだけで、自然と意見がまとまってくるように感じました。

 ――川口さんは複数の業界を受けていたので、かなり忙しかったと思います。どうやりくりしていましたか?

 これには、デジタル版の「MYキーワード」がすごく役立ちました。気になるワードを登録しておくと、そのワードを含む記事が自動的に集まり、それをフォルダーに分けて整理することもできるので、フル活用していました。私のように、いろいろな業界を受ける人には特におすすめの機能です。私はまず「エアライン」「ホテル」「金融」など、志望業界ごとにフォルダーをつくりました。気になった記事は印刷して、企業研究ノートに貼り付け。このノートには、インターンやOG訪問で得た情報も書き込み、業界ごとに整理していました。

業界ごとに整理した企業研究ノート
業界ごとに整理した企業研究ノート

 ――タグシールで整理されていて、とてもわかりやすいですね。

 得られた情報は、何でもここに入れました。あと「MYキーワード」では、ほかに「課外活動自己PR」「学業自己PR」というフォルダーもつくっていました。

 ――そのフォルダーにはどのような記事を入れていましたか?

 課外活動のほうは、ずっとやっていたバドミントンの記事を集めていました。学業のほうは、大学で専攻していた「少年法」や「法」「刑事訴訟法」などのワードを登録し、チェックしていました。よく面接で「気になるニュース」を聞かれますよね。そのとき、こういう記事を挙げれば、自分のやってきたことや考え方も話すことができて、自己PRにつなげられると思いました。「気になるニュース」は、他の方も同じようなネタを挙げていらっしゃいます。集団面接のときに、5人中3人がAIネタだったこともあります。私が挙げたのは「18歳成人、改正民放成立 結婚・契約に保護者同意不要」の記事なので、誰ともかぶりませんでした。

面接のときに挙げたテーマの画面キャプチャー※ご本人提供
面接のときに挙げたテーマの画面キャプチャー※ご本人提供

 ――たしかに「気になるニュース」もアピールの場にしたほうがいいですよね。自分が詳しい分野の記事は、突っ込まれたときも安心ですし。

 そうなんです。あまり背伸びをしないほうがいいと思います。内定をいただいたホテルのGDで「オリンピック時の訪日外国人の方へのおもてなしとして、どんなことが考えられるか」という議題が出されたときも、スクラップしていた「訪日外国人は商店街好き 観光スポット閲覧1位はアメ横」という記事を挙げ「ホテルの場でおもてなしをするだけでなく、外国人の方が興味のありそうな場所を知っておくことも、おもてなしの一つだと思います」と答えたら、すごく好感触でした。後日、人事の方から「新聞記事を出している人はいなかったので、とても目立っていましたよ」と褒めていただけたんです。

GDのときに挙げたテーマの画面キャプチャー※ご本人提供
GDのときに挙げたテーマの画面キャプチャー※ご本人提供

 ――やはりGDや面接の場では、いかにほかの学生との差別化を図るかが大事ですからね。

 金融は逆質問がすごく多かったのですが、そのときにも新聞が役立ちました。まず、受験する企業名で過去記事検索。出てきた記事を読んでも意味がわからないこともあったのですが、そういうときは「新聞でこういう記事を読んだのですが、これはどういうことですか?」と、聞いていました(笑)。でも、どこでも好反応でした。「新聞で読んだのですが」と言う人は少なくて、その一言があるだけで面接担当者のうなずき度が全然違ったんです。

 ――そうですよね。金融業界といえども、企業側は学生たちに、経済や金融の専門知識を求めているわけではないですからね。

 それを実感しました。私は金融業界も受けるので、経済紙を読まなければいけないかと思っていたのですが、内容が難しくて……。それで、金融の面接で「経済紙を読んでいませんし、経済について詳しくないのですが大丈夫ですか?」と、聞いたこともあるんです(笑)。でも「まったく問題ないです」という答えでした。実際、金融の面接で経済の知識を問われたこともありません。それよりも、自分の研究テーマや身近な話題が豊富な一般紙のほうが役に立ちましたね。等身大の答えがよかったのかもしれません。

「本気」と思われるポイント

 ――これだけいろいろな業界から内定を獲得したのはすごいです! ご自分ではどのようなことがポイントだったと思いますか?

 いろいろな業界を見てきたからこそ「私はこの業界のここに魅力を感じ、これをやりたいのです!」と、堂々と話せたのがよかったのかもしれません。あとは「切り替え」です。その業界、その企業を受けるときは常に「私には○○業界しかない! 御社しかない!」と。それを心から伝えます。でも、それだけでは足りないので、新聞記事で脇を固めておきました。そしてもちろん、しっかり企業研究して、心から行きたいと思えるところを受けることが大切だと思います。

 ――そして、最終的にはANAASに。こちらが第1志望になったのはインターンの影響も大きかったというお話でしたが、少し詳しく教えてもらえますか?

 インターンに行ったなかで、ANAASのときが一番自然体で話ができ、雰囲気になじめたんです。そのときに付いてくださった先輩社員もとてもよい方で「こういう方と働きたい!」と思いました。その後も企業研究をしたり、空港見学に行ったりするなかで、どんどん思いが強まっていきました。また、私の父は出張が多かったので、家族で空港に迎えに行くこともありました。羽田空港は、父と私たちをつなぐ架け橋のような、特別な場所だったんです。時間通りに飛行機を離陸させるというGSの仕事も魅力的でしたし、あの場で働きたいという思いがありました。

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 ――そんな第1志望のANAASに見事内定! 本当によかったですね。

 ANAASの最終面接の時点では、すでに何社か内定をいただいていましたが、ANAASへの思いが強すぎて、面接の部屋を出た途端に涙が……。その後もずっと落ち着かなくて、夜、母が用意してくれたお寿司(すし)もまったくのどを通りませんでした。ようやく食べ始めたときに「内定」の連絡が! 今度はうれしくて涙が止まりませんでした。就活中はつらいこともたくさんありましたが、本当に大好きな会社から内定をいただけたので、晴れやかな気持ちで終えることができました。やりたくなくてもコツコツやっておけば、後でそのときの自分に感謝する日が必ず来ます。皆さんも、できることから始めてみてください。(構成 ライター・小元佳津江)

朝日就職フェアでもらった靴磨き。これで足元もバッチリ!
朝日就職フェアでもらった靴磨き。これで足元もバッチリ!
篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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