自己PR動画選考を突破するコツは? プロが徹底解説【最新版】

<第62回> 文 国家資格キャリアコンサルタント 篠原真喜子
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 1次選考に自己PR(自己紹介)動画を導入する企業が増えています。大手総合商社、マスコミ、メーカー、ホテル、ベンチャーなど1次面接の代わりにしている企業も多いです。2020年卒から、ANAが客室乗務職の選考に動画を導入し、エアライン志望者の中に激震が走りました。多少大げさかもしれませんが、学生たちの様子を見ているとまさにこの表現がぴったりでした。

 企業が動画選考を導入する目的は? 動画選考を突破するコツは? ポイントを押さえて、自分の魅力を最大限に伝える動画を撮りましょう!

 200人以上の学生の自己PR動画作成を指導してきた私の経験と、現役アナウンサー、朝日新聞デジタルの動画撮影担当者にリサーチした結果から、自己PR動画撮影のポイントを紹介します!

企業が動画選考を導入するメリット

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<1>採用活動の効率化

 やはり、一番はこれでしょう。数千人から数万人が受験するような企業では、面接に呼ぶ学生の数を減らせれば、大きな経費削減にもなります。これまではエントリーシートでの選考が主流でしたが、動画なら文字と写真だけのESでは判断できないことがわかりますから、1次面接の代わりにすることも可能なのです。

 ある企業では動画選考を導入したことによって、面接に進める学生の数が3分の1に減ったそうです。これを聞くと、自己PR動画に気合が入りますよね。

<2>書類だけではわからない魅力的な学生に出会える

 学歴やESの内容など書類ではパッとしないけれど、実際に会ってみると魅力的な学生もいます。そのような学生に出会えるのも、企業にとっては動画選考の魅力です。

動画選考を突破するポイント

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<1>話す内容よりも印象が大事

 企業・職種によって評価ポイントは異なりますが、共通して言えるのは、30秒~1分という短い時間では、話している内容よりも印象が大事だということです。もちろん話す内容も大事なのですが、それ以上に「あなたの雰囲気を感じ取ってもらうこと」にこだわってください。1分間で言いたいことを伝えきるのではなく、ちょっとしたあいさつや表情、視線、話し方、声のトーンにも気を配るといいでしょう。

<2>自分の雰囲気が業界、企業、職種に合っているか

 「あなたの雰囲気を感じ取ってもらうこと」と書きましたが「その雰囲気が企業や職種(仕事)に合っていると、採用担当者に感じてもらえるか」という点も大事です。無理に合わせる必要はありませんが、あまりにもかけ離れていると採用担当者が感じれば不合格になる場合もあります。

 例えば、客室乗務職であれば「機内で制服を着て働く姿がイメージできるか」、接客業であれば「お客様が声をかけやすい雰囲気か」、総合職であれば「自社の社員として活躍してくれそうか。企業理解ができているか」また、「取引先と信頼関係が築けそうか」ということも大事になってきます。

何を話し、どう見せるか?

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<1>最初の15秒が勝負! 結論ファーストで

 数千、数万人の受験者がいる場合は、全員分の動画を最後まで見ているとは考えにくいです。つまり、最初の15秒が勝負! 結論ファーストで、ダラダラ話さないようにしてください。原稿を作成する際、一文を短くしておくのも効果的です。

<2>原稿は頭に入れておく

 雰囲気を感じ取ってもらい、よい印象を持ってもらうためには、話し方や表情にも気を配る必要があると書きました。用意した原稿を読んでいるというふうにならないよう、原稿はしっかり頭に入れておきましょう。

<3>“自己満足”動画にならない工夫

 時間とテーマは指定があっても、どうPRするかは基本的に自由なことが多いです。画用紙でパネルをつくってわかりやすく説明する、部活やサークルのユニホーム等で撮影するなどの工夫をするのもアリです。インパクトを与えることができますから。

 大手総合商社2社に内定した学生は、新聞スクラップを見せながら自己PRと志望動機を話したら、面接でほめられたそうです。ただ、たまにやりすぎて自己PR動画ではなく自己満足動画になってしまっている学生も見受けられるので、努力の方向性を間違えないようにしてください。

カメラ写りをよくして、印象アップ! するポイント

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<1>どこで撮る? 外か室内か

 会社からの指定がない場合は、室内が無難だと思います。背景にもこだわり、自宅で撮る場合は、カーテンの前や柄のある壁の前、柱の前などは避けてください。背景がうるさいと、どうしてもそちらに目がいってしまいますから。白や明るいグレーの壁などがおすすめです。一人暮らしの部屋に白系の壁がない場合は、大きめの模造紙を2~3枚購入して、それを貼って撮影するのもおススメです。大学の教室や会議室を借りて撮影している人も多いですよ。

 雑音が入らないようにするのも大切です。室内で撮る場合でも、できる限り「無音」の場所を選びましょう。同居する家族の生活音、外を走る車やバイクの音、雨風の音などのノイズが入らないように細心の注意を払い、もし入ってしまったら撮り直しましょう! 屋外で撮影する場合は、特に注意が必要です。周囲の雑音が入っていないか、声がはっきり聞こえるかを必ず確認してくださいね。

<2>一番盛れるのは自然光

 カメラ写りをよくするには、照明が非常に重要です。そうアドバイスすると、よくテレビで見る「照明さん」をイメージして「そんなの無理……」と焦る人が多いのですが、ご心配なく。一番盛れるのは、自然光です。自然光が入る部屋で、日中に撮影してみましょう! ただ、光が強すぎると逆効果。意外かもしれませんが、少し曇っているくらいのほうがよく撮れることが多いです。

 自然光の入らない空間や、夜間に撮影することもあるでしょう。そういうときは、ダウンライトの場所は避けてください。光量が足りず、暗くなってしまうことが多いようです。それでも光量が足りないと感じたら、簡易的なレフ版(白い画用紙などでもOK)を使って、光をあてると顔がパッと明るくなりますよ。

<3>機材は? スマホでOK?

 今はスマートフォンのカメラ性能が大変よいので、スマホ撮影でいいと思います。一眼レフカメラを持っていれば、マイクを取り付けて撮影するのも効果的。この方法で撮影した学生の動画を見ましたが、さすがは一眼! きれいに撮れていました(ただし、一眼で撮影する場合は、容量に注意)。忘れてはいけないのが、スマホの向き。カメラは横向きで、手ぶれ防止のために固定しましょう。

<4>構図にもこだわる

 撮影をする時には、構図にも気を配りましょう! 構図の取り方がよいと、それだけで印象がグッとよくなります。

 自己PR動画でよく使われるのは、バストショット(胸あたりから頭の先まで入ったサイズ)と、ミディアムショット(腰あたりから頭の先まで入ったサイズ)。バストショットは、上半身の動きに加え、表情にも注目してもらいやすいので、イキイキとした表情や元気さを伝えることができます。ミディアムショットは、上半身の動きを強調しやすいので、パネルなどの小道具を使う時には、こちらがよいでしょう。いずれの場合も、頭の上に卵1個分のすき間をつくるようにして撮影すると、全体のバランスがよくなりますよ。

<5>服装は? 就活スーツでないとダメ?

 「服装は就活スーツでないとダメですか?」と聞かれることが多いのですが、そんなことはありません。会社からの指定がない場合は、スーツでも私服でも大丈夫です。サークルやアルバイトの格好で撮るのもOK! 自己PR動画ですから、多少のインパクトを持たせて採用担当者の記憶に残るようにするのが効果的です。

<6>元気にハキハキ! を心がけて

 30秒~1分程度の自己PR動画では話している内容よりも表情や視線、声のトーンなどが大事で、それらの要素が印象を大きく左右するとお伝えしました。ですから、自然な笑顔が出るように、表情にも気を配りましょう。動画の場合は、直接会うより表情が乏しく感じられる傾向があります。いつもより気持ちテンション高めで、張りのある声でハキハキと、が理想です。普段より少し高めの声を意識して話すといいですよ。友人同士で撮影する場合は、友人にカメラの向こう側に立ってもらい、面接担当者に見立てて語りかけるのもおすすめです。

 いかがでしたか? 動画選考を通過しないことには会ってももらえませんので、こだわり抜いた動画を撮りましょう! 慣れるまでは少し大変かもしれませんが、何度かチャレンジするうちにコツがつかめてくるはずです。がんばって!

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※2019年3月27日、4月10日の記事を最新版にアップデートしたものです。

就活生応援マガジン「PreBiz」
篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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