企業にアピールする「積み上げてきたもの」の見つけ方

<第13回> 文 ライター・小元佳津江
OrbonAlija(GettyImages)
OrbonAlija(GettyImages)

 「企業は、積み上げてきたものがある、人間力のある学生を求めている」と前回はお話ししました。積み上げてきたものは、例えば、これまでの部活動やアルバイトなどがあるとわかりやすいですね。でも、こうした例がない場合にはどうしたらよいでしょうか? 今回は、そのようなときの見つけ方についてお話しします。

目標やモットーに通底

 中学校と高校で、異なる部活をしていた。あるいは様々なことをやってきたが、長続きするものがなかった。そんなときは視点を変えて、自分の過去を振り返ってみましょう。部活などに一貫性がなかったとしても、目標やモットーに何か通底しているものがあればよいのです。

 中学時代に吹奏楽部、高校時代にダンス部だったMさんも、そのような悩みを抱えていた一人です。でもMさんは、どちらの部活でも自分が担ってきた「チームのつなぎ役」という共通の役割を見出すことで、アピールにつなげました。どんな場においてもできたということは、入社してもその役割を担ってくれるだろう。企業は、そう考えます。ですから、こうした例でも十分アピールになるのです。

どのような体験もアピール

 CA志望者は、サービス関係のアルバイトでないとアピールしづらいと考えている人が多いようですが、そんなことはありません。「コンビニエンスストアのアルバイトはダメ」「テレビ局のADはダメ」などと決めつけてしまっている人もいますが、アピールのしかた次第ではよいネタになることもあります。まずは、先輩や友人に話し、意見・感想を聞いてみるとよいでしょう。

 アルバイトでなくても、考え方次第ではどのような体験もアピールできます。例えば、Tさんは部活の部費を確保するために、活動内容や成績などの詳細を伝えながら粘り強く交渉し、前年より多くの予算を獲得することに成功。この体験をアピールし、高評価を得ました。企業側は、この学生の対応力や交渉力を読み取ったのです。

自分のレベルでできること

 部活もアルバイトも何もしてこなかった。そういう人は、とにかく今から何か始めてみましょう。できれば、人と関わるような活動のほうがよいですが、個人でも目標を設定し、PDCA(Plan→Do→Check→Action)を回せるようなものであれば評価されます。

 帰宅部だったKさんは、ランニングに挑戦しました。運動経験がなかったので、まずはウォーキングからスタート。「あの電柱まで」と日々の目標を決め、一つひとつクリアしていきました。すると「できた!」という達成感で走ることがますます面白くなり、今では何とフルマラソンに出場するまでに。面接当時はまだハーフマラソンの段階でしたが、それをアピールし、見事に内定を獲得しています。こうした具体例があれば企業は、この学生は目標を設定し、管理・遂行する力があると認めてくれるのです。

 自分の思い込みで判断せず、じっくり振り返ってみると、きっと何か見つかるはず。何もなかったら、行動あるのみです。ここで大切なのは、背伸びをして偉そうなこと言おうとしないこと。背伸びしたところで、企業側にはすぐに見抜かれ、よい結果を得られません。自分のレベルでできることを実行し、しっかりと伝えるようにしましょう。思いは、必ずや企業に伝わるはずです。

古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)
プロフィル 古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)

1988年10月、エアラインを目指す女性の支援活動を開始。自身も超難関である欧州航空会社の客室乗務員となり、9年半、ドイツ語、英語を駆使して世界のお客様へ接客をする。2018年には、支援者一人では困難といわれるエアライン内定数延べ100名超え(120名)を達成。年間2000名以上に、内定の術を指南する。女性のキャリア支援のパイオニアとして、幅広く活動。ストラッセ東京 公式HP http://strasse-tokyo.com

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