単語はどうやって覚えるのが正解か

<第4回> 文 武田菜穂子
efks(Getty Images)
efks(Getty Images)

 前回までは文法のお話が中心でしたが、今回からは英語学習者にとって常に悩みの種である「語彙(ごい)力」をどう増やしていくかをお伝えします。

 皆さんは、英語を学び始めたのはいつ頃でしたか? 東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年からは、公立の小学校では3・4年生から外国語活動として触れること、5・6年生からは正式教科となることが決まっています。<第1回>でもお話ししましたが、グローバル化が進んだ日本で、英語を使いこなせる人材の育成が急務であることを考えると、低年齢化はやむをえないでしょう。

 ただ、英語学習の開始時期をいくら早めたところで、覚えられる単語が増えるかというと少し疑問です。英語らしい発音やイントネーションを習得する点においては、早期学習は一定の効果がありますが、語彙を増やすことはそれほど単純でないからです。

音を重視して単語を覚える

 英語を学び始めてすぐ気づくのが、発音しない文字が含まれている単語があるということ。knifeやknowの「k」などが代表的です。なぜ発音しない「k」があるのか、筆者も不思議に思ったものです。大学時代に英語史を学び、実は「k」が発音され「クナイフ」や「クノウ」と読んでいた時期もあったことを知って驚いた記憶があります。

 こうした綴(つづ)りと発音の不一致は、初級レベルを超え、皆さんのような中級以上になってくると、それほど気にしなくても大丈夫です。しかも難しい単語ほど発音通りの綴りになります。

 英語は表音文字です。一つ一つの文字そのものに意味がある表意文字の漢字とは違い、音の連なりで意味が生まれる英語は「音と意味を結びつける」ようにして記憶すべきなのです。日本の学校英語では、漢字の書き取りのように綴りに厳格になりすぎているかもしれませんね。これからは、音を重視して単語を覚えていくことがポイントでしょう。

コロケーションを意識する

 皆さんは大学受験生の頃、単語帳を一生懸命暗記しても、なかなか得点に結びつかないという悩みはありませんでしたか? 単語の意味を日本語で書く単語テストとは違い、入試問題は文中に当てはまる語を選択する問題になっています。TOEICのPart5及びPart6も同様です。正解が出せるようになるための覚え方には、ちょっとしたコツがあります。

 コロケーション(collocation)という言葉をご存じでしょうか? 単語と単語の自然なつながり、相性の良い組み合わせのことです。例えばclose observation(緻密(ちみつ)な観察)という表現がありますが、close(「近い」の他に「緻密な」の意味があります)とobservation(観察)は相性の良い組み合わせになります。TOEICのPart6にはこうしたコロケーションを意識した設問が出題されます。

 さて、「The Asahi Shimbun Asia & Japan Watch(AJW)」(7月11日配信)に、オリンピックの観戦チケットに当選したものの、宿泊先が見つからないという記事(OLYMPICS: New challenge for lottery winners: finding a room at a hotel)がありました。

 いつものように、空所に入れるのに適当なものを(A)~(D)から選んでみましょう。
His suggestion is to(     )a campaign to expand the accommodation area for foreign visitors to Maebashi in Gunma Prefecture and the resort town of Atami in Shizuoka Prefecture, which are both less than an hour away by Shinkansen from Tokyo. (彼の提案は、群馬県前橋と静岡県のリゾート地熱海に外国人観光客向けの宿泊地域を拡大するキャンペーンを始めることだ。ともに東京から新幹線で1時間以内である)

(A)stop (B)mount (C)prefer (D)resign

 正解は(B)mountです。mount a campaignで「キャンペーンを始める」というコロケーションになります。同様の表現としてはlaunch a campaignもあります。このように2~3語を組み合わせて一緒に覚えていくことで、確実に得点力がアップします。皆さんもぜひ試してみてください。次回も語彙がテーマになります。

武田菜穂子(グローバル・エデュケーション・ネットワーク 代表取締役)
プロフィル 武田菜穂子(グローバル・エデュケーション・ネットワーク 代表取締役)

上智大学外国語学部卒業・同大学院修士課程修了(国際関係)。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得満期退学(政治学)。公立高校英語教員、証券会社調査部勤務を経て予備校講師に。女性予備校講師の草分けとしてのキャリアは30年以上になり、テレビ、ラジオ、新聞などで取り上げられる。2005年にグローバル・エデュケーション・ネットワーク設立。大学受験塾(AOアカデミー、GENアカデミア、日芸受験.COM)経営と、大学・高校での講演活動及び大学入試問題コンサルティング事業を手がける。博士論文も執筆中。

この記事をシェア