第一印象の磨き方――所作編

<第18回> 文 ライター・小元佳津江
phive2015(Getty Images)
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 今回は、第一印象の磨き方の第3弾。総仕上げ編として、所作について取り上げます。所作も、身だしなみや言葉遣いと同様、杓子(しゃくし)定規にするのではなく、あくまで自然にできることが大切です。とはいえ、そのレベルに到達するには基本が身についていなければなりませんので、まずはおさらいしておきましょう。

押さえるべき所作の基本

・立ち方
 背中に棒が一本スーッと通っているようなイメージで立つ。鏡の前で横向きに立ち、まっすぐ立てていればOK。足を前後にずらして立つ人もいるが、目立ってしまうO脚などの場合を除き、足をそろえてまっすぐに立つのが基本。手は左を上にして重ね、おへその下ぐらいに添える。

・おじぎの仕方
 目安は、目礼が5度、会釈が5~15度、敬礼が30度、最敬礼が45度。ただし、角度をチェックされるわけではないので、おおよそでOK。入室時は会釈、「よろしくお願いします」や「ありがとうございました」と言う際は敬礼、お詫びやお願いをするような場合は最敬礼、などと使い分ける。

・座り方
 足は伸ばしたり組んだりせず、まっすぐ90度にして背もたれに寄りかからずに座る。手は膝(ひざ)の上に、左を上にして重ねる。

・表情
 緊張した場面でも自然な笑顔が出せるように。常に笑顔でもNGで、面接担当者と目が合ったときに話しやすいよう、自然にほほえんでいる程度がよい。

 立ち方や座り方などは、普段の姿勢が大事です。テーブルにひじをついていたりすれば、必要な筋力もつかず、面接の場でも美しく座ることは難しいでしょう。これらに加え、入室時はノックをする、話を聞くときには相手の顔(目)を見るなどの基本的なマナーも、もちろん押さえておく必要があります。

 また、こうしたふるまいや表情には、敬いの気持ちが自然と表われるのが理想的。それは面接担当者だけでなく、ほかの学生など周りの人たちに対してもできることが大切です。困っている学生がいたら手を差し伸べたり、席を譲ったり。企業側はそうした部分もよく見ています。

状況に合わせたふるまいを

 さて、こうした基本はできていることが大前提ですが、中には過剰でおかしいケースもあります。

・ドアがない会場でノック
 スピーディーに進めるためにドアを開けたままにしてある部屋や、パーテーションで区切られた場で行う面接では、ノックは必要なく「失礼します」と言って入ればOK。このようなときまでわざわざどこかをノックしたりするのは、相手の意図を汲(く)めておらず、スマートとは言えない。

・集団面接時に他の学生を見すぎる
 「話を聞くときは、相手の顔(目)を見る」とはいっても、他の学生の発言中など、その人が緊張してしまうくらい見るのは考えもの。面接担当者から「よく人のことを見ていますねぇ」とイヤミを言われても気づかず、「ありがとうございます!」と嬉(うれ)しそうにしていた学生もいるようだが、常に相手が求めていることを意識し、行動する。

・場に合わない不自然な笑顔
 隣の学生が感極まって泣いているような場面でも「笑顔が大事」とばかり、ずっとニコーッとしている人も。笑顔は周囲の感情を読み取りながら、自然に表現するもの。

場数を踏んで自分のものに

 こうした失敗は「正解」を求め、それを完全コピーしようとするために起こるものです。正解などありませんから、その都度考えてふさわしい行動をするしかないのです。それには場数を踏むこと。アルバイトなど、社会人の方と接する機会を増やすこともよいでしょう。部活などでも役割によっては、学内の事務の方やOB・OGの方々と関わることがあるかもしれません。これらの活動を通じ、いかなる場面でもスマートにふるまえる経験を積み重ねていってくださいね。

古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)
プロフィル 古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)

1988年10月、エアラインを目指す女性の支援活動を開始。自身も超難関である欧州航空会社の客室乗務員となり、9年半、ドイツ語、英語を駆使して世界のお客様へ接客をする。2018年には、支援者一人では困難といわれるエアライン内定数延べ100名超え(120名)を達成。年間2000名以上に、内定の術を指南する。女性のキャリア支援のパイオニアとして、幅広く活動。ストラッセ東京 公式HP http://strasse-tokyo.com

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