自己分析の「目的」を明確にする

<第4回> 文 谷出正直
AH86(Getty Images)
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 <第1回>のコラムで、就職活動を効果的に行うためには「自分自身」「社会(企業や仕事)」「就職活動そのもの」の三つを知り、考える、そして<第2回><第3回>では「社会」について知ることをお伝えました。

 今回は、その中の「自分自身」について考えてみたいと思います。自分自身についてといえば「自己分析」を思い浮かべる人が多いでしょう。就活を意識し始めると、よく耳にする聞く言葉ですね。「自己分析は就活の基本です」「就活を始める時は、まず自己分析をしましょう」「自己分析をすれば、自分自身を知ることができます。就活には不可欠でしょう」などと。そして、就活ガイダンスやセミナー、就活本等で、自己分析の仕方についても知る機会があると思います。

 しかし、実際には、多くの学生が悩みます。「私は普通の学生で、特徴がない」「やりたいことが見つからない」「今までの人生、何をしてきたんだろう」。これらの悩みの要因は、自己分析を行う「目的」が明確でないからです。

 自己分析とは、自分自身を知るための方法の一つです。つまり、過去の経験や取り組みから自分の考え方や判断軸の特徴を把握すること。そして、それらを相手(企業)に伝えられるように言語化することです。どのような価値観をもっていて、どのような将来像を描いているのかを整理します。

 なぜ上記のような自己分析が必要になるのでしょうか。二つの理由(視点)があります。

1.自分:数多くの企業や職種がある中で、自分に合うものを探す時に活用します。自分の考え方や判断軸の特徴から、興味・関心があることや力を発揮できそうな環境について考えることができます。その理由を言語化する時にも活用します。

2.相手(企業):企業には自分のことを伝える必要があります。それを基に相手は、自社に合う人材なのかどうかを判断し、採用を決めていきます。判断は、その人(学生)の考え方や判断軸の特徴からになります。

 繰り返しになりますが、自己分析は、経験や取り組みから自分の考え方や判断軸の特徴を把握することが大事です。自分に適した職種や業界を見つけるためには、社会にある仕事や業界、会社そのものを知ることでしょう。自分に合うと感じる職種や企業と出あうためには、自分自身を知る自己分析と社会を知る業界研究や仕事研究、説明会、OB・OG訪問などをしていくことが必要なのです。

 いろいろな人に出あったり、情報を得ると、自己分析をした当初の自分の考え方や判断軸が変わることがあります。が、それは健全な変化でしょう。その変化を生かしながら、常に自分自身と社会を知ることです。一歩踏み出す勇気をもって、納得のいく就活につなげてください。

谷出正直(採用コンサルタント/採用アナリスト)
プロフィル 谷出正直(採用コンサルタント/採用アナリスト)

奈良県出身。筑波大学大学院体育研究科を修了。エン・ジャパンで新卒採用支援事業に約11年間携わり、独立。現在は企業、大学、学生、採用支援会社、メディアなど新卒採用や就職活動に関わり、約2100名と生きたネットワークを構築。様々な現場の情報やノウハウ、知見、俯瞰(ふかん)した情報を持つ。採用コンサルタント/採用アナリストとして、企業の採用支援、企業や大学、学生に向けた各種セミナー・研修の実施、寄稿やコラムの連載、現場情報の発信、コミュニティーの運営なども行う。

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