CAに求められる国語力<前編>

<第23回> 文 ライター・小元佳津江
aapsky(Getty Images)
aapsky(Getty Images)

 今回は、CAに必要な六つの要素のなかの「国語力」です。<前編><後編>に分けてお話ししたいと思います。最初に国語力が試されるのはES作成時、その次が面接でしょう。ところが、ESに対して気楽に考え「書けばいい」と勘違いしている学生が多いようです。また、面接を単なる会話の場と思っている学生もいます。採用担当者の心をつかむようなESを書き、面接担当者に「この学生を採用したい」と思ってもらうには、魅力的な言葉や適切な表現を使わなければなりません。つまり、国語力が必要なのです。

言葉選びは非常に大切

 どの業界においても国語力は必要ですが、エアライン志望者には特に重要でしょう。CAやGSは、フロントに立つ職種です。「CA、GSが言ったこと=会社が言ったこと」になります。お客様から質問をされたときには明瞭にわかりやすく、ご意見には納得していただけるように、きちんとした説明をしなければなりません。問題が起きれば、誠意をもったお詫びも必要です。

 お客様に喜んでいただくプラスのことばかりを考えてしまいがちですが、現場には、マイナスの感情を抱えたお客様や、笑顔になれないような状況におかれたお客様もいらっしゃいます。それをせめてゼロベースにすることを、CAやGSが担わなければならない場面もあるのです。そのようなときに、どうお話しするか、その言葉選びは非常に大切です。ES、面接でも、それができる人物なのかを見られていると考えてください。

短くて優れた文章を読む

 ESで目立つのが「思います」の連続や「感動、感銘、共感」の多用です。これらの語彙(ごい)が書かれていると、読む気が失せてしまう採用担当者は多いでしょう。よい言葉・表現を増やすには、まずインプットです。短くて優れた文章を読みましょう。最適なのは、やはり新聞です。ESや面接時に重要となる「結論ファースト」の習慣づけにもなります。私の講座でよく行うのは、記事の文末表現を探し、線を引くというものです。それを見るだけでも「文末の表現は、こんなにあるんだ」と、発見があるはずです。例えば、以下は朝日新聞の「気候サミット 若者の怒り受け止めよ」という記事から、文末表現を抜き出したものになります。

・~行動を起こさねばならない。

・~対策に取り組むべきである。

・~上昇幅が1.5度に達する勢いだ。

・~気温上昇は3度を超すという。

・~鮮明になったのは気になる。

・~と疑われても仕方あるまい。

 様々な表現が使われています。また、言い換え表現を探すには「朝日新聞デジタル」が強い味方です。例えば「感動」という言葉を検索してみると、このような表現があります。

・宗教が違っても、同じ人間がつくった文化は、直接訴えかけるものがある。

・(神楽を見た英国人から)『涙が出るほど感動した』という声を聞いた。

・~その精神性は見ていたみんなに伝わった。

・宝物はより人々の目線に立った、見る人に直接語りかけてくるような作品だ。

※「奈良の文化「世界的に珍しい」 大英博物館に古都の薫り」という記事より

 「感動」とは心が動くこと。自分の心がどのように動いたのかを具体的に書くことが大切です。

 また、ビジネス書も勉強になります。はじめは業界に関連する、ホスピタリティーなどをテーマにしたものをおすすめします。興味がある分野の本なら面白く読めるはずです。その中のよい表現は、ES作成時や面接時にも役立ちます。余裕があれば、社会人のスキルにつながるコミュニケーションに関するものもよいでしょう。よい言葉・表現に触れると、自分が書く内容も変わっていきますよ。

古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)
プロフィル 古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)

1988年10月、エアラインを目指す女性の支援活動を開始。自身も超難関である欧州航空会社の客室乗務員となり、9年半、ドイツ語、英語を駆使して世界のお客様へ接客をする。2018年には、支援者一人では困難といわれるエアライン内定数延べ100名超え(120名)を達成。年間2000名以上に、内定の術を指南する。女性のキャリア支援のパイオニアとして、幅広く活動。ストラッセ東京 公式HP http://strasse-tokyo.com

この記事をシェア