CAに求められる国語力<後編>

<第24回> 文 ライター・小元佳津江
Ohta Masaaki
Ohta Masaaki

 前回、書き言葉や話し言葉など、自分の中から出てくる言葉を変えるには、まず、よい言葉をインプットすることが大切だとお話ししました。その手段として、新聞やビジネス書はもちろんおすすめですが、自分が身を置くコミュニティを変えてみる、という方法もあります。コミュニティが変わると、普段浴びる言葉も変わるからです。これ、実際かなりの効果があります。一例をお話ししましょう。

コミュニティの影響は大きい

 短大を卒業後、アルバイト生活をし、また大学に入り直したというSさん。彼女が、「CAになりたい」と私の元へやってきたのは、既に25歳を超えてからのことでした。当時、TOEICは260点、文章はほとんど書けず、正直「ここからCAになるのは相当厳しい」と言わざるをえない状況でした。当然、まったく自信もなく、どちらかといえばネガティブな考えの持ち主でした。

 そこでまず私は彼女に、「今いるコミュニティから出て、他のコミュニティに移りなさい」と提案しました。CAを目指すなら、やはり、同じような仲間がいるところや、社会人になったときに接するような目上の方やビジネスマンがいるところに身を置くべき。友達同士のぬるま湯のような環境にいるより、はるかに得るものがたくさんあります。そこでSさんは、CA志望者がいるスクールや、ビジネスマンが通う英語サークルに通い始めました。

居場所を変えると人は変わる

 すると、ほどなくして彼女が使う言葉や表現が変わり始めました。表情も変わり、めきめき自信もついていきました。居場所を変えると人は変わるものなのです。それからはどんどんステップアップし、今やSさんは、誰もが知る世界的大企業に勤めています。もはや「CAじゃなくてもいいかも」と思えるほど、本人もそのキャリアに満足している様子です。でも、ちゃんと結果が出たことでますます面白くなったようで、さらなるキャリアアップを目指し、今も努力を続けています。コミュニティを変えるのは、最初はちょっと勇気が要ると思いますが、その効果は大。「自分を変えたい!」と思う人は、試してみてください。

どんどん使って自分のものに

 また、言葉が変わってきたら、どんどんアウトプットすることも大切です。アウトプットしないと、「自分の言葉」にはならないからです。「間違えるのが怖いから使わない」という人がいますが、それは間違い。一生懸命丁寧な言葉で話そうとしている若者に対し、批判するような大人はいません。それに、面接の場で間違えないようにするためにも、もっと前の段階でたくさん使っておく必要があるのです。

 怖がらずに、どんどん目上の人と話す機会をつくりましょう。サークルやアルバイトの先輩、大学の教員や事務の方、キャリアセンターの方、探せばいくらでもいるはずです。話すときには、実際に働いているCAの方など、ロールモデルになる人をイメージして。私はよく「30代の女性になったつもりで話しなさい」とアドバイスしています。こう言うと、皆さん、学生言葉がパッと抜けてキビキビ話せるようになります。実際に何度も口にすることで場数を踏み、しっかりと自分の言葉にしていってください。応援しています。

古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)
プロフィル 古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)

1988年10月、エアラインを目指す女性の支援活動を開始。自身も超難関である欧州航空会社の客室乗務員となり、9年半、ドイツ語、英語を駆使して世界のお客様へ接客をする。2018年には、支援者一人では困難といわれるエアライン内定数延べ100名超え(120名)を達成。年間2000名以上に、内定の術を指南する。女性のキャリア支援のパイオニアとして、幅広く活動。ストラッセ東京 公式HP http://strasse-tokyo.com

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