CAに必要な「何かに取り組む力」とは?

<第25回> 文 ライター・小元佳津江
機内で荷物棚の確認をする客室乗務員(C)朝日新聞社
機内で荷物棚の確認をする客室乗務員(C)朝日新聞社

 今回はCAに必要な要素のなかの、「こだわりをもち、何か(特にチームでの取り組み)をしている」という項目についてお話ししたいと思います。これは、エアライン志望者のESや面接で非常によく問われる項目です。今年は既卒者の試験でも、「取り組んでいることを3つ教えてください」という質問がなされました.

集団内での動き方を見る

 この質問の意図は、大きく分けて以下の2つです。

(1)チームの中で何らかの役割を果たしているか
(2)自ら目標を設定し、PDCAを回しながら努力できているか

 今回は、このうちの1番目についてお話しします。CAの仕事においてチームワークが重要なことは、これまでも述べてきたとおりです。そのため採用試験でも、その学生が集団の中で何らかの役割を果たしてきたかということに、非常に注目しているのです。

 役割はどんなものでも構いませんが、CA志望者の大半がするのが「サポート役」という回答。これだとあまりにありきたりで、採用者側は正直なところ聞く気をなくしてしまいます。ただ、「サポート役」と本人が思っていても、詳しく聞いていくと実際には「リーダー役」と言えるケースも少なくありません。リーダーというのは何も、グイグイ引っ張っていくタイプばかりを指すのではありません。自身は一歩下がったところで見守りながら、みんなを走らせていくというタイプもいれば、何もしなくても成り立つタイプもいるのです。

 何もしないリーダーシップとは、例えば、人気アイドルグループ「嵐」の大野くんのようなタイプ。周囲を受け入れて尊重し、周囲の人が自然と動きやすくなる環境をつくれるようなタイプです。これは非常にスキルの高いリーダーシップですが、本人にあまり「自分はリーダーだ」という自覚がありません。ですから、集団の中での役回りについては、自分の考えだけでなく、周囲に意見を聞いてみることも大切です。

 リーダー役ではなく、どう考えてもサポート役だという場合、その言い方を工夫する必要があります。ポイントは、あなたの人との関わり方。例えば、リーダーとほかのメンバーの間に入り「メッセンジャーのような役割」を果たしているとか、みんなの主張をまとめる「つなぎ役」をしているなど、あなたの人との関わり方が映像で浮かぶような言い方を心がけてください。


世界的な潮流を知っておく

 企業が学生の役割に注目するのには、もう一つの理由があります。それは、近年「コモンゴール(共通の目標)」という考え方が重視されつつあるためです。集団全体のコモンゴールが設定され、各チーム、一人ひとりもその目標達成のために役割を担い、動いていくというもので、世界的な潮流となっています。コモンゴールは、例えば「グローバルなナンバーワン企業になる」といった企業全体の目標であり、そのために各部、各人の目標設定も、たいてい一年や半年といった単位で見直されます。

 全体が一つの目標に向かって足並みをそろえ、おのおのがきちんと役割を果たす。いまや、それができているかが航空会社のランクづけをも左右する時代になっています。スカイトラックス社が出しているランキング「エアライン・オブ・ザ・イヤー2019」上位3位を見てみると、

 1位:カタール航空
 2位:シンガポール航空
 3位:全日空(ANA)

となっています。こうしたランキングを当然企業も意識しています。そこで、コモンゴールに向けて各人が動ける体制づくりが重視され、採用時にも、それができる人材かが見られているというわけです。


 エアライン受験でよく聞かれる「こだわりをもち、チーム等での取り組みをしているか」という質問の意図がご理解いただけたでしょうか。さあ、「何もしていない!」というあなたは是非何か見つけてください。また、ESや面接では、チームの中であなたがどんなふうに動いているのか、採用担当者がイメージできるような書き方を意識してくださいね。

古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)
プロフィル 古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)

1988年10月、エアラインを目指す女性の支援活動を開始。自身も超難関である欧州航空会社の客室乗務員となり、9年半、ドイツ語、英語を駆使して世界のお客様へ接客をする。2018年には、支援者一人では困難といわれるエアライン内定数延べ100名超え(120名)を達成。年間2000名以上に、内定の術を指南する。女性のキャリア支援のパイオニアとして、幅広く活動。ストラッセ東京 公式HP http://strasse-tokyo.com

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