CAに必要な「情報収集力」とは

<第27回> 文 ライター・小元佳津江
(C)朝日新聞社
(C)朝日新聞社

 今回は、「CAに必要な六つの要素」の最後の項目、「情報収集力」についてお話ししたいと思います。情報収集力は、どの業界の就活生においても必要な力ですが、CAに関しては、特に以下のような点から重要だといえます。

目指すべきは、過去ではなく未来のCA

 CA志望者のなかには、幼い頃からCAに憧れていたという人も少なくないため、昔の記憶のまま、CAを目指そうとしてしまうというケースがよく見られます。例えば、CAを目指す理由を聞かれ、「昔乗った飛行機で、CAの方に優しく接していただいて……」と答えてしまう。でも、それはCAを目指したきっかけにすぎません。また、皆さんは、内定を得られたら、過去のCAではなく、未来のCAになるわけです。ということは、企業がこれからのCAに求めているものを理解しておかなければ、内定に至るのは難しいでしょう。だからこそ、情報収集力が大切なのです。

 航空会社がこれからのCAに何を望んでいるかと言えば、それは「半基幹社員のように働ける」ということです。CAは一般職ではありますが、近年は、採算を考えながら働ける、会社に意見や改善策が言えるなど、総合職的な役割も求められています。今年(2019年)の3月、JALの国際線中長距離LCCとして「ZIPAIR」が発足しました。こちらのCAの募集要項には、「客室乗務員業務を中心に、空港旅客サービス業務、サービス企画業務などにも従事します」とありました。つまり、何でもできないといけないのです。

 (参考)日航LCC、社名はジップエア 「あっという間」表現

 いまや、グローバル化も進み、お客様が世界中の航空会社を選べる時代。分業制の時代は終わり、社員のほとんどが総合職的な働きをしなければ、生き残ることが難しくなってきました。こうした状況を踏まえ、現在そして未来の航空業界や航空会社がどこに進もうとしているのか、また、それを担える人材としてどんな人を必要としているのかを、意識することが大切なのです。

意識次第で情報は集まってくる

 そこでものを言うのが、情報収集力というわけです。航空業界の未来像、理想の人材像に意識を向けるのはもちろんですが、これは普段の姿勢にも言えることです。

 例えば、CAの仕事で「ホスピタリティーを窮めたい」と考えたなら、常にその意識で周囲を見ていく。すると、求める情報は自然と入ってくるはずです。ホスピタリティーが考えられる場は、何も機内やホテルばかりではありません。例えば、銀行。日本の銀行はかなりハイレベルなホスピタリティーが展開されている場所です。機械があるのにもかかわらず、行員の方が操作してくださったり、できるだけ待たせない工夫がされていたり。これは海外の銀行にはあまり見られないことです。

 また、駅のインフォメーションセンター。ここには、列車の運行などに関すること以外にも、様々な相談事が寄せられます。駅はいわゆる通過点ですが、「困っている人がいたら、助けなければ」という意識で対応されている。これも、立派なホスピタリティーです。「必須ではないけれど、付加価値をつけて提供しよう」というものは、すべてホスピタリティーといえるのであり、日本の場合は、実は色々なところにあふれています。

 新聞記事を読む際にも、CAやGSに関連がなさそうな記事であっても、「航空業界に置き換えたらどうか」という観点で読むことはできます。すると、一見、無関係に見える情報の中にも、必ず有益なものが見つかるはずです。

 すべて、意識していないと気づきませんが、ちょっと意識を変えるだけで、様々な情報が読み取れるようになります。ぜひ、普段からアンテナを張り、そのような意識で周囲を見直してみてください。

今想像がつく範囲から、一歩抜け出す

 また、面接などで聞かれる「どんなサービスをしたいか」という質問に対しても、「お手紙を書きます」ではありきたりです。情報収集力を駆使して、今想像がつく範囲から一歩抜け出すことを心がけてください。例えば、OG訪問の際、先輩がこれまでに行った様々なサービスなど、珠玉のエピソードを聞いてみる。そのままマネするのが難しそうなら、そのミニチュア版を考えてみるのもいいでしょう。

 また、お金を払って一流のサービスを受けに行くのもおススメです。私のスクールでは、卒業生が勤めているザ・リッツ・カールトンのラウンジへ連れて行くこともあります。ランチでもよいので、一流のホテルやレストランへ行ってみるのもよいでしょう。エアラインを目指すなら、お金はネイルや旅行にではなく、こういうところにかけてください。

 それから、GS志望者は必ず空港見学に行きましょう。現場を見なければ、何もイメージできず、語ることもできません。インターンも、航空会社のものでなくても、旅行会社やカード会社、運輸系など、関連する業界のものなら必ず学ぶことがあるはずです。情報は自ら、自分の足を使って取りに行くという意識で動きましょう。そうすれば、企業が求める人材像に近づき、内定にも近づくことができるはずです。

古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)
プロフィル 古澤有可(エアラインスクール進化系「ストラッセ東京」主宰)

1988年10月、エアラインを目指す女性の支援活動を開始。自身も超難関である欧州航空会社の客室乗務員となり、9年半、ドイツ語、英語を駆使して世界のお客様へ接客をする。2018年には、支援者一人では困難といわれるエアライン内定数延べ100名超え(120名)を達成。年間2000名以上に、内定の術を指南する。女性のキャリア支援のパイオニアとして、幅広く活動。ストラッセ東京 公式HP http://strasse-tokyo.com

この記事をシェア