面接前に知るべき短所(弱み)の答え方と回答例を徹底解説します

<第49回> 構成 篠原真喜子

面接で短所(弱み)について聞かれるのはなぜか?

「あなたの短所(弱み)は何ですか?」

 ESや面接でよく出てくる質問ですね。志望動機や自己PRは十分に答えられたけど、短所や弱みについてはうまく答えられなかった、どんなふうに答えればいいかわからない、という学生も少なくありません。

 なぜ、面接担当者は学生の「短所」を知りたいのでしょうか。まずは背景から理解していきましょう。質問の意図は大きく2つあります。

①「自分のことを客観視できているか」
②「自分の弱点を理解し、改善しようとしているか」

 1つ目は「自分のことを客観視できているか」を見るためです。

 意外と難しいものですよね。長所や短所を聞かれても、これ! というものがすぐに思い浮かばない人もいるでしょう。短所や弱みを見つけるために、まず自己分析をするという人が多いと思いますが、行き詰まったら他己分析(知人や先輩から、自分の印象について教えてもらう)をするのもおすすめです。客観的な意見をもらえます。

 2つ目は「自分の弱点を理解し、改善しようとしているか」を見ています。

 短所があること自体はかまいません。大切なのはそれをどう認識し、改めようとしているかです。また、改善の方法や具体的なプロセスについても伝えられるといいですね。面接担当者は、その回答を通じ、学生の将来的な仕事の仕方をイメージして、合否の判断材料のひとつとしているからです。

 こうした背景があることを理解して、質問意図に沿った回答を行いましょう。ときどき「ウケ狙い」で回答する学生もいますが、避けたほうが無難です。

社会人として明らかにマイナスとなる短所(弱み)は避けよう

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 さて、自分の短所を考えるとはいっても、どこから手をつければいいのでしょうか。一番大切なことは、社会人として明らかにマイナスになる弱みは避けようということです。例えば、「時間にルーズである」「ルールを守れない」「金銭管理が苦手」「協調性がない」などが挙げられます。

 面接で「私はルールを守れない人間です」と発言する学生を採用したい企業があるでしょうか? あまり想像がつきませんよね。社会人として最低限のマナーが備わっていないと、一緒に働く仲間としては不適切と思われてしまう可能性が高いです。「明らかにマイナスとなる弱み」「仕事をするうえで決定的な短所」を言うことはやめた方がいいでしょう。一方で、「短所はありません」という回答は、面接担当者の意図から外れてしまうため、避けておきましょう(そもそも短所がない人なんて、いませんよね?)。

短所(弱み)について回答する際のテクニック

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 短所や弱みについて聞かれたときは、自分の短所や弱みを克服するためにどういった行動をとっているか、短所をポジティブに理解し、前向きな姿勢で仕事ができる人物かをアピールすることが大切です。では、短所・弱みの選び方や伝え方のテクニックを説明していきます。

言い換えられる・改善の余地がある短所を選ぶ

 自分の努力で改善できない短所を伝えるのではなく、改善できる内容を伝えましょう。また、短所ではあるものの、捉え方次第では長所にもなりうる内容であれば、面接担当者へ与える印象も良いものとなります。短所と長所は表裏一体。「長所として言い換えて違和感のないもの」を選べるといいですね。

改善に取り組む具体的なエピソードを交えて伝える

 実際に、短所について説明するときは以下のような流れを意識しましょう。短所の具体例だけではなく、改善への取り組みについて説明することが重要です。

《結論(短所)→短所にまつわる具体例→改善への取り組み》

 ここからは回答例について紹介していきます。

短所(弱み)を長所(強み)に言い換えた回答例を紹介

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 これまで紹介してきたポイントを踏まえ、ESや面接で使える「短所(弱み)を長所(強み)に言い換える方法と回答例」を紹介します。下記の例を参考に、自分なりにエピソードを組み立ててみましょう。

①おせっかい→世話好き

<例文>

 私の短所は、少々おせっかいなところです。カフェのアルバイトでは後輩の指導役を任されていますが、気にかけるあまり、後輩の行動を先回りして「こうした方がいい」とアドバイスしていることがありました。しかし、これでは後輩が自ら学ぶ機会を失わせていることに気づきました。以来、後輩が自ら考え行動できるようなサポートを心がけ、「どう思う?」など、相手の意見や考えを引き出す「問いかけ」をするようにしています。その結果、後輩が自発的に仕事に取り組むようになり、後輩との関係性も以前より良くなったと店長から褒められました。

●ポイントを解説!

 おせっかいな性格は、一方的なコミュニケーションを取ってしまいがちです。そこで、相手の意見を聞くような心がけをする、という改善策を説明しています。また、実際に改善されたことへの評価を盛り込んでいます。自分がそう思っただけでなく、第三者からの評価を入れて納得感を深めるのも効果的です。


②せっかち→素早い行動・対応ができる

<例文>

 私は、せっかちな性格だと自覚しています。ベンチャー企業のインターンで記事執筆の仕事をしていた際、インターン生の中で一番早く記事を書き上げましたが、誤字脱字が多いことを指摘されました。「早いのは素晴らしいけれど、もう少し丁寧に」と指導を受けてからは、ミスを減らすためのチェックリストを作り、校正支援ソフトも使うなど「早く・正確」な仕事を心がけています。今では、他のインターン生にもチェックリストを共有し、チーム全体がミスなく作業できる環境づくりに貢献しています。せっかちな性格は、自分なりの工夫によって、素早い行動・対応ができるという長所にもなり得ると学びました。

●ポイントを解説!

 せっかちゆえに起こりがちなケアレスミスは、ただ意識するだけでは改善策として少し弱い印象を与えてしまいます。ミスを防ぐ具体的な方法や対策を説明するようにしましょう。ここで得た教訓をほかの場面でも生かしていると、前向きな姿勢をアピールしている点も良いです。


③細かいことが気になる→細部まで丁寧に取り組む

<例文>

 私の短所は、より良いものにしようとするあまり、細かい部分が気になり、作業に時間がかかってしまうことです。ゼミでリポート作成をした際には、図表の作成方法や文章構成にこだわりすぎ、期限ギリギリでの提出となってしまうことがありました。ギリギリでも期限に間に合えばよいという方もいますが、やはり、仕事をする上では、余裕を持った行動が大切だと感じています。ですから、今では、不安点は教授や先輩に事前に相談し、力を入れる部分の優先順位をつけるようにしています。優先順位をつけつつ、細部まで丁寧に取り組む姿勢は、ゼミだけではなくアルバイトやサークル活動においても役立っています。

●ポイントを解説!

 短所を伝えているようで、さりげなく長所に言い換えている良い例です。「〜しすぎてしまうところが短所」という伝え方も上手です。「期限ギリギリ」で提出するより、余裕を持って行動する方が望ましいと考え、自分の行動を改善しようと努力しているのも好感が持てます。面接担当者は、こういった部分から入社後の働き方を想像しているのです。


④おとなしい→空気を読んだ場づくりができる

<例文>

 私の短所は、どちらかといえば内向的な性格で、おとなしいことです。私が所属するゼミはグループ発表が中心のため、議論が白熱すると発言のタイミングがつかめず、意見を言えずに終わってしまうことがありました。そこで、自分の意見を主張するのではなく、皆の発言をよく聞き、整理することに注力しました。すると主張がバラバラだったグループの発表にまとまりが出るようになり、主役でなくても誰かを「アシスト」する役割として、役に立てるのだと理解できました。今では、場の空気を読みながら、自分ができる最善の方法で貢献するよう心がけています。

●ポイントを解説!

 おとなしい性格を短所として挙げるときは、積極性がないと面接担当者に思われないような工夫が必要です。「発言力を強める」「自分の意見を臆せず伝える」というような改善策は難しい場合もありますので、自分ができることで貢献する意欲・体験談を伝えられるとよいでしょう。また、コミュニケーションが不得意というと、社会性がないとネガティブな印象を与えてしまうことがあるので、「内向的」「おとなしい」といった表現を使えるといいですね。


最後に

 いかがでしたか。繰り返しになりますが、ESや面接で短所を伝えるときは社会人として明らかにマイナスになる弱みは避けて、改善の取り組みをポジティブに伝えましょう。自分の短所をそのまま伝えてしまい、悪い印象を持たれてしまった…なんてことがないように、事前準備をしておきましょう。

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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