ベンチャー企業とは? 就職を考えている学生向けにメリットやデメリットを解説

<第50回> 構成 篠原真喜子

ベンチャー企業ってどんなところ?

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 就活をする中で、ベンチャー企業に興味を持ち始めた方もいるのではないでしょうか。 ベンチャー企業といえば、元気な社員が多くて楽しそう! とか、若くして幹部に登用されることもある実力主義の会社、というようなイメージがありますよね。同時に、仕事が大変そうと敬遠する方もいるかもしれません。

 そもそも、ベンチャー企業とはどのような会社のことを言うのでしょうか。一般的には、「新技術・新事業を開発し、事業として発足させた中小企業」を指しています。そのため、創業して数年の若い会社を指して呼ばれることが多いですが、リクルートやサイバーエージェントのような名の通った会社もいまだに「ベンチャー精神」を持つ社風であるため、ベンチャー企業としてくくられることがあります。海外ではFacebookやTwitter、Uberなど、たった数年で急成長を遂げた企業が、日本でいうベンチャー企業に近いでしょう。

 このように、短期間での急成長を目指す点が、ベンチャー企業の大きな特徴といえます。

代表的なベンチャー企業にはどのようなものがあるか

 有名なベンチャー企業はたくさんありますが、ここではリクルートホールディングス、サイバーエージェント、DeNA、メルカリの4社を取り上げます。

リクルートホールディングス 

 この中では最も歴史あるベンチャー企業です。1960年に「大学新聞広告社」としてスタートし、人材派遣事業で大きく成長。そのあとは、多角的にリクナビ、SUUMO、ホットペッパーやゼクシィなど誰もが一度は名前を聞いたことがあるビジネスを数多く展開しています。グループ従業員数が約4万5000人である現在でも、多くの新規事業を成功させています。社内では「圧倒的な当事者意識」「あなたはどうしたいの?」といった言葉が有名で、ひとりひとりの積極的な関わりを求められます。USENの宇野康秀氏など、多くの起業家を生み出しています。

サイバーエージェント 

 1998年、藤田晋氏が24歳で始めたインターネット広告関連の企業です。広告事業のみならずアメーバブログやabemaTV、新R25など、多くの事業を展開しています。優秀な人材であれば、新卒1・2年目で子会社社長に抜擢(ばってき)するなど、思いきった人事戦略でも有名です。若くして起業家精神を持った優秀な学生に人気の企業です。

DeNA 

 コンサルティング会社「マッキンゼー」の南場智子氏が1999年に創立しました。インターネットオークションのサービスとして開始した会社ですが、ゲーム事業で知られるほか、2011年にはプロ野球・横浜ベイスターズを買収したことでも注目されました。若手が海外支社の立ち上げを任されたりアルバイトであっても発言内容をちゃんと評価されたりするフラットな社風として知られています。

メルカリ

 ここで紹介する4社の中では最も後発で、2013年に山田進太郎氏が創業しています。メルカリは、誰でも簡単に売り買いが楽しめるフリマアプリです。国内で爆発的に人気を集め、現在ではアメリカなど海外展開も行っている、急成長企業です。「新卒と中途の垣根はない」とし、徹底した実力主義で知られています。優秀な技術者を多く採用し、社員教育の制度も充実させるなど、意欲的なベンチャーの1社です。

ベストベンチャー100もチェック

 上で挙げた4社は「メガベンチャー」と言われる企業でしたが、まだそこまでは有名になってこそいないものの、注目を集めている企業もあります。ベンチャー通信が選ぶベストベンチャー100社を参考にチェックしてみましょう。

ベンチャー企業に就職するメリット

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メリット①新たな取り組みにチャレンジする機会に恵まれやすい

 ベンチャー企業のメリットとしては、組織が小さいゆえに、新たな取り組みにチャレンジできる機会が相対的に多いことが挙げられるでしょう。先ほど挙げたDeNAでは、4年間で約40の新規事業をつくり出してきたと言われています。

参考:4年間で40の新規事業を生んだDeNA流リーンインキュベーションの秘訣|私の所信表明 千條 吉基 

 資金や人材に限りのあるベンチャー企業では、「小さく始めて事業創出の機会を増やす」といったビジネススタイルをとることが多いです。そのため、自ら手を挙げることで新規事業を担当するチャンスにも恵まれやすいとされています。

 ただし、これはベンチャー企業に限った話ではありません。どんな環境に置かれても、積極的にチャレンジしようとする姿勢があってこそです。社会では常に、チャレンジする意志が求められることは忘れずに。

メリット②仕事で役立つ人脈を作りやすい

 ベンチャー企業は、仕事に役立つ人脈作りをするのにも適した環境です。人材の流動性が高く、人の縁で仕事をする機会に恵まれやすいという傾向があります。先輩から誘われて転職したり新卒同期と一緒に起業したりすることもあります。フリーランスになっても、「古巣の会社から仕事を発注してもらっている」という人もいます。

 短期間で成長を目指すのがベンチャー企業です。一生懸命に仕事をした仲間や先輩、上司とは長い付き合いになることが多く、経験だけではなく人脈も作っていきやすいのはメリットと言えるでしょう。

ベンチャー企業に就職するデメリット

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デメリット①方針転換が起こりやすい

 もちろん、デメリットがないわけではありません。会社や事業の方針転換が起こりやすいという側面もあります。挑戦する機会が多い半面、撤退を決めるのも早いと言われています。一定期間内に見込んだ売り上げが立たない場合は、いち早く徹底するなど、会社の主力事業が変わるようなケースもあります。そのため、例えばWEBディレクターになりたくて入った会社でディレクターという職種自体がなくなるようなこともあります。

デメリット②給料が安定しない場合も

 給料が安定しない場合もあります。初任給はそれなりの金額だとしても、年次で給料はあまり上がっていかない、年俸制でボーナスがほとんど出ない場合もあります。上場企業であれば四季報などで平均年収を調べ、未上場企業の場合であれば、OBなどに待遇面や福利厚生について確認しておきましょう。

最後に

 ベンチャー企業の特徴と、そのメリットやデメリットについて見てきました。ベンチャー企業といっても、職種や社風はさまざまです。大事なことは、自分がどういう仕事をしたいのかという「思い」です。目先の考えにとらわれず、自分自身の長いキャリアで考えたときに、どうすべきなのかを考えてみてください。

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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