OB訪問の前に知るべき注意点や質問事項などキャリアコンサルタントが解説!

<第52回> 構成 篠原真喜子
RoBeDeRo(Getty Images)
RoBeDeRo(Getty Images)

OB・OG訪問は就活にかかせない

 学生のみなさんから、「OB・OG訪問」に関する質問も多くいただきます。その中には「OB・OG訪問はしたほうがいい? 」といった基本的な質問もあれば、「OB・OGへのアポイントのとり方」や、「お礼メールの書き方」など、細かいノウハウを尋ねるものまであります。

 このコラムではこれまでにも何回かにわたり、OB・OG訪問を取り上げてきました。今回は過去記事の内容も振り返りながら、あらためてOB・OG訪問のポイントをおさらいしてみたいと思います。

OB・OG訪問とは

maroke(Getty Images)
maroke(Getty Images)

 そもそもOB・OG訪問とは何でしょうか。

 OBとOGはそれぞれ「Old Boy」「Old Girl」の略で、主に特定の学校の卒業生を指す和製英語です。以前は「OB訪問」という表記が一般的でしたが、近年ではジェンダーの観点からも「OB・OG訪問」と併記するケースが増えています。

 OB・OG訪問とは、特定の会社で働くOBやOGと直接会い、その会社の仕事内容や職場環境について詳しく話を聞くことです。かつては自分が通う大学の先輩を訪問することのみを指してOB・OG訪問と呼んでいましたが、いまでは広く社会人を訪問することを指しています。

OB・OG訪問のメリットや意味について

monzenmachi(Getty Images)
monzenmachi(Getty Images)

OB・OG訪問のメリットから確認

 就活生が情報収集を行う場合、まずは企業ホームページや会社案内からチェックすることが多いと思います。ですが、ホームページや会社案内に掲載される内容は、その会社の一面に過ぎません。もちろん、企業の合同説明会などでも「その会社のすべて」が話されるわけではありませんし、他の大勢の就活生もいる中で、初対面の人事担当者を前に突っ込んだ質問をするのも気が引けるでしょう。

 その点OB・OG訪問であれば、実際に働いている社員の方から直接話を聞けるため、会社の雰囲気や働き方について具体的なイメージを持つことができます。相手が初対面のOBやOGでも、ある程度気軽に話をしたり、質問したりできるのも魅力です。よほど失礼なことでもない限り、給料やお休みの日数などについてもホンネの話を聞けるかもしれません。

OB・OG訪問には企業研究以上の意味も

 OB・OG訪問には単なる企業研究以上の意味もあります。

 OB・OG訪問を受けた社員には評価シートに記入して人事へ提出させるなど、訪問の内容が「評価」につながる場合も結構あります。必ずしもすべてがそうというわけではありませんが、実際に訪問したOB・OGの方が昼休みにすれ違った人事担当者に推薦するようなこともあるでしょうし、チャンスになる場合もあることを念頭に置いておきましょう。

 ですから「OB・OG訪問したほうがいいかな…?」と迷っている人がいるなら、ぜひ訪問してください! OB・OG訪問のメリットを最大にするためにも、第一志望群の会社は、年齢や職種の違う人に、最低3人は訪問するとよいでしょう。

過去記事: OB・OG訪問は、何人くらいすればいい? OB・OG訪問が、評価されているって本当?

OB・OG訪問を行う一般的な時期

andresr(Getty Images)
andresr(Getty Images)

 OB・OG訪問は、一般にサマーインターンが落ち着く「3年生の秋」から始まります。そしてエントリー開始から本選考前にあたる「4年生の3〜4月」にピークを迎えるのが通常です。早く始めると、多くのOB・OGに会うことができるというメリットがありますし、結果としてその企業に精通することもできます。

 また、OBやOGの方々は、忙しいなか時間を割いて訪問を受けてくれます。少なくとも訪問日の1カ月〜2週間前にはアポイントをとるなど余裕を持った準備をおすすめします。なお、OB・OGの見つけ方としては

  • 大学のキャリアセンターや就職課に行き、OB・OGを紹介してもらう
  • 他大学の友人から紹介してもらう
  • 説明会で名刺交換をして連絡を入手する

などの方法があります。以下の記事も参考にしてください。

過去記事:
Q.OB・OG訪問はしたほうがいいですか? 正直、やり方がよく分かりません。
就活に名刺は必要か?内定者に聞いた活用法と、メリットをご紹介【最新版】

OB訪問を行う際の段取りや注意点

maroke(Getty Images)
maroke(Getty Images)

質問リストは事前に用意しておく

 OB・OG訪問は就活の一環ですから、それなりの準備が欠かせません。相手の企業ホームページや会社案内の内容をしっかり頭に入れておくことは最低限のマナー。間違っても会社案内を読めば分かる程度の質問をしないよう気をつけてください。OB・OGの時間をムダにしないためにも、「最低10個以上の質問リスト」も作っておきましょう。

 また、給料の金額のようなプライベートな内容は必ずしもNGではありませんが、相手によっては良い印象を持たれない場合もあるので慎重に行いましょう。

 会社案内や説明会に行って疑問に思ったことなど、自分が調べた結果、疑問がわいたことを聞くと好印象を持たれます。そのほか具体的な質問内容としては、以下のようなものが考えられます。質問リストを作成する際の参考にしてください。

・OB・OGがこの会社を選んだ理由
・OB・OGがこれまで経験した仕事について
・OB・OGが考える「会社の魅力」「強み(と弱み)」
・OB・OGが感じた「入社前・入社後のギャップ」
・1日の仕事の流れや季節ごとの仕事の流れ、繁忙期など
・職場の雰囲気や社内イベントなど
・キャリアアップシステムについて
・福利厚生や有給休暇について
・新入社員に求めるもの、理想の人物像
・ESの内容や面接に向けたアドバイス

添削をお願いする場合はOB・OBの分も印刷して持参する

 添削をお願いするESや質問リストなど、何らかの書類を持参する場合はOB・OGの分も用意するようにしましょう。そうすることで「相手の立場に立って考えられる人」という印象を与えられます。OB・OGは就活生のことを「学校の後輩」として見ているのと同時に、「職場の後輩や部下になるかもしれない人」としても見ています。どのような人なら「一緒に働きたい」と思ってもらえるかを、常に意識してください。

お礼メールの書き方に注意

 訪問後にはお礼メールを送るようにしましょう。その日のうちに、ビジネスマナーにのっとったお礼メールを送るのは最低限の礼儀としてやっておくべきことです。お礼メールの書き方については過去記事で詳しく解説していますので、ぜひ復習しておいてください。

過去記事:
Q.OB・OG訪問をする際の注意点は? 好印象を残す方法は?
Q.大学の先輩に就活相談のメールを送ったら、「メールの書き方にもっと気をつけるように」と指摘されました。どうしたらよいのでしょう。

最後に

 OB・OG訪問は、多くの就活生が活用している重要な手段です。上手に使えばほかの就活生と差をつけることができ、就活を有利に進められます。今回の記事や過去記事で紹介した注意点・ポイントを参考にしながら、しっかりと準備するようにしましょう。

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

この記事をシェア