【総合商社一般職に内定】 内定者インタビュー「アナ志望から一転、短期決戦で商社内定へ」

インタビュー 篠原真喜子

はじめはアナウンサーを目指していたものの、就活シーズンに入った大学3年の2月に、志望を商社一般職に変えたという土井さん。そんな限られた時間のなかで、土井さんは見事、第一志望企業から内定を獲得します。一体どのような努力を重ね、どんな就活をしたのでしょうか? 気になるあれこれを全てお聞きしました。

土井菜摘さん
プロフィル 土井菜摘さん

人間科学部健康福祉学科。受験業界はテレビ(アナウンサー)、商社(一般職)。ES提出数16社、面接まで進んだ会社数16社。内定先はテレビ1社、商社2社の計3社。

道のり内定までの道のり

大学2年2月
アナを目指し、アナウンススクールへ。そこで内定者の努力を知って焦り、新聞購読や番組研究など、すぐに活動開始!
大学3年6月
キー局すべてのインターンに参加。うち2社で上級セミナーに進むも、内定には至らず
大学3年9月
キー局本選考は一次か二次の面接落ち(涙)。学生キャスターの仕事をするうち、「自分は表に出るよりサポートする方が合っているかも」と感じるように
大学3年秋
他業種へも目を向け、サークルやゼミの先輩に話を聞きまくる。商社一般職の先輩から話を聞き、興味がわく
大学3年2月
商社一般職を第一志望に決め、急ピッチで商社の現役社員にOB・OG訪問を開始! SPI対策も進める
大学3年3月
説明会、ESラッシュ。少しでも興味のある企業にはすべてESを出す
大学4年4月
SPIなど筆記試験で苦戦! 満足のいく点数が出るまで受け続ける。専門商社1社から内定が
大学4年5月
ほぼ毎日OB・OG訪問。志望動機、業界・企業研究を重ねて面接準備にあけくれる。地方局1社からアナ職で内定
大学4年6月
ついに第一志望の商社一般職から内定獲得!

アナを目指し、体験してみたからこそわかったこと

―― 土井さんは、はじめはアナを目指していたけれど、途中から商社一般職志望に変わったんですよね? そのあたりの経緯を改めて聞かせてもらえますか?

 はい。元々アナに憧れていたので、大学2年の終わりにアナウンススクールに通い始めました。そこで、朝日新聞就活キャリアアドバイザーの篠原さんのお話を聞いて「内定する人はこんなに努力しているんだ!」と焦り、できることからすぐ始めようと決意したんです。朝日新聞のデジタル版を購読して、気になる記事を読んだり、夏のインターンに向けて写真の準備や番組研究を始めたり。写真は500枚近く撮りました。そのかいもあり、キー局はすべてのインターンに参加でき、2社、上級セミナーにも進めましたが、その上にはいけませんでした。

篠原さんにアドバイスをもらいながら仕上げたアナウンサーインターンのES。完成まで10回以上書き直した ※本人提供
篠原さんにアドバイスをもらいながら仕上げたアナウンサーインターンのES。完成まで10回以上書き直した ※本人提供

―― それでもかなりの好成績ですよね。実際にインターンに参加してみて、感じたことはありましたか?

 とてもいい経験になりました。インターンに参加したことで、自分の弱み強み、セールスポイントを考えるきっかけになりましたし、本選考を意識して早めに準備するようになりました。あと、この時期はまだ、就活を始めている人が周囲にあまりいなかったので、同じように頑張っている人に会えたことでモチベーションが上がりました。ただ、その後はというと、キー局本選考で書類はすべて通ったものの、ほとんど一次面接か二次面接落ち。かなりショックでした。残るは準キー局と地方局でしたが、インターンで大阪に行った際、「東京か地元の広島ならよいけど、他の土地でアナをするという気持ちにはなれないな」と思い、「他の業種も見なきゃ」という気持ちになりました。

―― 実際に動いたからこその気づきが、色々あったわけですね。

 そうですね。このころ、学生キャスターに選ばれて少しアナの経験ができたのですが、ここでも重要な気づきがありました。「実は私は、表に出るよりもサポート役に回るほうが居心地がいいのかも」と思ったんです。元々、野球部のマネジャーをしていたこともあり、誰かのサポートをするのが好きなんですよね。また、他の業種を見ようと先輩たちにOB・OG訪問をし始め、商社一般職に内定した先輩に話を聞く機会があったんです。そのときに、商社の一般職は周囲をサポートしながら主体的にも動ける仕事だということがわかり、興味がわきました。以後はアナ受験も続けつつ、3年の2月には商社一般職を第一志望に決めました。

野球部のマネジャーをしていた頃。真っ黒に日焼けし、あだ名はなんと「松崎しげる」だったそう ※本人提供
野球部のマネジャーをしていた頃。真っ黒に日焼けし、あだ名はなんと「松崎しげる」だったそう ※本人提供

頭を使って効率的に、足を使って丹念に

―― 商社一般職志望に変えてからは、どんな準備をしていたんでしょうか?

 アナを目指していたので就活のスタートは早かったんですが、商社対策はゼロ。ということで、とにかく急ピッチで準備を始めました。まず、商社は筆記試験が厳しいと聞いていたので、ひたすら筆記の勉強しながらOB・OG訪問をしまくりました。3月の就活解禁後は、毎日のようにESを書きながら説明会に参加。ESの作成を効率的に進めるため、事前にESの設問をノートに書き出してから、説明会に参加していました。こうすると、ESに書けそうな情報を説明会でかなり集められるんです。この方法、おススメです!

―― さすが! 時間がないからこそ、頭をフルに使ったわけですね。

 はい。とにかく必死でした。ところが、4月に入ると筆記試験で問題が。私、企業の筆記試験って全部同じ形式だと思っていたんですよ(笑)。受けようと思っていた商社が違った形式の筆記試験だと知り、青ざめながら猛勉強しました。もっと早くに調べておけばよかった……。いろんな企業にエントリーしていたので、「この点数なら自信を持って出せる!」と思えるまで、毎日のように受け直しました。実はこのころ、学内説明会で興味をもった専門商社から内定をいただけたんです。それでだいぶ精神的にラクになり、その後の選考は落ち着いて受けることができました。

―― たしかこの頃には、地元のテレビ局からも声がかかり、内定をいただけたんでしたよね?

 はい。3回ほど選考を受け、内定をいただくことができました。とてもうれしかったのですが、商社を目指すと決めていたので、その後も就活を続けました。5月ごろは商社の面接に向け、ほぼ毎日OB・OG訪問。私の志望は一般職でしたが、面接は総合職の方も担当するので、総合職の方にもたくさん話を聞きました。同じ日のお昼にアポイントが二つ重なってしまったこともあり、ランチを2回したこともあったぐらいです。気合でデザートまで食べきりましたよ!

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OB・OG訪問では、その社員が就活生のときに面接でされた質問も確認。自分なりの答えを考え、ノートに整理していった ※本人提供
OB・OG訪問では、その社員が就活生のときに面接でされた質問も確認。自分なりの答えを考え、ノートに整理していった ※本人提供

―― えらい……!! たくさんOB・OG訪問をしたことで、わかったことはありますか?

 足を使って得た情報は違う、ということですね。今はインターネット上にたくさんの情報があり、足を使わなくてもほしい情報は得られるかもしれません。でも、やはり実際に会ってお話しすることでしか得られないものってあるんです。会社の雰囲気を直接肌で感じられますし、他の誰でもなく自分だけに向けたメッセージをいただけるので、モチベーションも上がります。そうやって足を使って就活すると、面接でも熱意が伝わりやすくなるのかなと思います。

AbemaTVのキャスターを経験したことで、表に出るよりもサポート役に回るほうが居心地がいいと気づいた ※本人提供
AbemaTVのキャスターを経験したことで、表に出るよりもサポート役に回るほうが居心地がいいと気づいた ※本人提供

面接では、ESに書いた内容との一貫性を大切に

―― なるほど。実際の面接のときに意識していたことはありますか?

 ESに書いたことと、一貫性を持って話すということですね。私はESに「強みは主体的に動けること」と書いていたので、一次、二次、最終など、どんな面接のときもその軸がブレないように意識しました。例えば、グループディスカッションのときに緊張でみんなが黙りがちになってしまっていたら、「緊張しますが、がんばりましょう!」と先陣切ってみんなに声をかけるようにするなど、常にその姿勢を貫くことで、話に説得力を持たせるようにしていたんです。内定後のフィードバックでも、一貫性があったところがよかったと言っていただけました。

―― たしかに、それはとても重要ですね。ESや面接でどれだけ強みをアピールしても、実際のその人からそれが感じられなければ、説得力ゼロですから。あと、「主体的に動けること」も大事。商社の一般職ともなると、単なるサポート役では務まりませんからね。

 はい。それから、面接ではどんな質問もできるだけ自己PRにつなげられるよう、「気になるニュース」を聞かれた際も、自分の経験と共通する記事を選ぶようにしていました。私がよく使っていたのが、自民党が失言防止マニュアルを作ったという記事。この記事を挙げ、「学生キャスターの経験から、言葉の持つ影響力の大きさを感じました。だからこそ、政治家が人の気持ちを考えられず、失言を繰り返すのは残念だと感じました」と話していました。するとたいてい、「失言をなくすには?」と聞かれるので、「相手の立場に立って考えることが大事だと思います。私は、キャスターの仕事をする時も常に、自分の発言が誰かを傷つけていないかと考えていました。でもこれは、キャスターに限らず、どんな仕事においても大事なことだと思います」と結んでいました。

「気になるニュース」を聞かれた際に活用した記事。どんな質問も自己PRにつなげること、自分らしさを伝えることを意識していた ※本人提供
「気になるニュース」を聞かれた際に活用した記事。どんな質問も自己PRにつなげること、自分らしさを伝えることを意識していた ※本人提供

―― すばらしいですね。採用担当者の方の反応もよかったんじゃないですか?

 そうですね。納得してくださった様子でした。面接の際は、「新聞で読んだ」と話すだけで採用担当者の方の反応がよいと感じたのですが、それだと直接的すぎるかなと思い、私は「新聞記事を元に考えたんですが」という言い方にしていました。新聞の話をするだけで、「紙で読んでいるの?」「デジタルで読んでいます。デジタルだとこんなところが便利なんです」など、話が盛り上がることも多かったです。今は、ネットで何でも調べられる時代です。だからこそ、その学生が、無料のニュースで十分と思っているのか、有益な情報はお金を払ってでも取りに行くという意識があるのかは、見られているポイントなんだと思います。

面接では「新聞をデジタルで読んでいる」「スクラップ機能もあって便利」などと話すと、興味をもってもらえることが多かった ※本人提供
面接では「新聞をデジタルで読んでいる」「スクラップ機能もあって便利」などと話すと、興味をもってもらえることが多かった ※本人提供

―― なるほど。第一志望企業の最終面接対策では、どんなことをしていましたか?

 徹底的に自分の頭を整理しました。私は、途中までアナ志望だったので、なぜアナではなく商社なのかという点はキモだったんです。これについては、自分の思いを整理し直すと、「メディアは社会の課題を見つけて伝える役割を担っているけれど、実際にキャスターとしてそれを伝えていくなかで、それを解決するところまで注力したい。だから商社にひかれている」のだと気づきました。そして、その中でも第一志望企業に引かれた理由は、OB・OG訪問の影響が大きかったんです。私、就活って自分をきれいな言葉でアピールする場だと思っていたんです。でも、この企業の社員さんは誰もが「自分がやってきたことを素直な言葉で伝えればいい。うまく話せなくても、ありのままの姿が一番いい」と言ってくれて。それで、就活に対するイメージや価値観がガラリと変わったんです。大切なことに気づかせてくれ、学生の素直な言葉を受け止めようとしてくれるこの企業の姿勢に強くひかれ、第一志望になりました。最終面接では、その思いをぶつけました。

―― 最終面接の手応えはいかがでしたか?

 実は、「最後に言いたいことはありますか?」と質問されたとき、思いがあふれて、感極まって泣いてしまったんです。その直前に「自分の嫌いなところは?」と聞かれ、「すぐ泣いてしまうところです」と答えていたので、図らずも有言実行になってしまいました。でも、面接では泣かないほうがいいと思います。そんなこともあってドキドキだったんですが、その日の夜に「内定」の電話をいただけて。うれしくて電話口でまた泣きました(笑)。

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―― よかったですね。本当におめでとうございます!!

 ありがとうございます。就活をしていると、他人より自分が劣っているように見えて悲しくなったり、なぜ私にはできないんだろうと落ち込んだりすることもあると思います。でも、みんな必ずどこかに、自分にしかない特別な魅力を持っているはずです。どうすれば相手にそれが伝わるかを考え抜き、実行し続ければ、結果は必ずついてきます。どうか腐ることなく前向きに取り組み、望む未来にアプローチしてほしいと思います。(構成 ライター・小元佳津江)

就活生応援マガジン「PreBiz」
篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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