合説・イベント中止で就活生がやるべきこと 出遅れ学生は…

<第44回> 文 木之本敬介
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、中止された合同企業説明会=大阪市住之江区(C)朝日新聞社
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、中止された合同企業説明会=大阪市住之江区(C)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの影響がいよいよ皆さんの就活にも及んできました。大手就活サイト「リクナビ」に続き、「マイナビ」や「キャリタス」も、3月に予定している合同企業説明会(合説)を全部中止すると発表しました。学内外を問わず会社説明会の開催を見送る企業が続出しており、3月1日に解禁された今年の就活は、かつてない状況のもとで行われることになりそうです。説明会などで社員の話を直接聞くのは就活の「基本のき」ですが、それができなくなったら就活生はどうしたらいいのか。これからできることをアドバイスします。

インターン、会社説明会も

 「リクナビ」を運営するリクルートキャリアは3月1日から44都道府県で計81件の合説を開く予定でしたが、「取り得る対策を行ったとしても、感染リスクを防ぎきれないと判断」しました。4月以降は、状況を見極めながら再開を検討するとしています。

 企業主催の就活イベントも中止が相次いでいます。ソニーは2月15、16日に予定していた「Sony Group Career Forum 2021」を中止しました。参加予約をしていた学生には、当日伝える予定だった内容の動画配信を検討しているといいます。学研ホールディングスは19日に予定していたグループの説明会を中止。三井住友海上火災保険は22、23日のセミナー「MSフェスタ」をWEB配信に変更します。日本生命は24日に約1000人の学生が参加予定だったインターンシップイベントを中止。三菱UFJ銀行は3月に予定していた会社説明会を当面見送る方針です。学内説明会の開催をやめる大学もあります。神奈川大学は3月22日までに予定していた就活イベントや説明会をすべて中止すると発表しました。

準備してきた学生は過度の心配は不要だが…

 就活ではまず、あさがくナビ、リクナビ、マイナビなどの就職情報サイトの活用からスタートし、各企業の採用ホームページ(HP)を見る人が多いと思います。でも、サイトだけでは会社や仕事について、本当のところは分かりません。社員からじかに話を聞くことが何より大事です。今回の事態で、社員に会う機会が減ってしまうのは皆さんにとって痛手です。ただ、3年生の夏以降に各社のインターンに参加してきた人も多いと思います。この数年でインターンを実施する企業が急増して、今では夏のインターンが事実上の就活スタートになりました。以前は3月解禁を守る企業が多かった会社説明会ですが、近年はインターンの合説や仕事セミナーなどと称して前倒しで開かれているのが実情です。実際、3月の大規模イベントの参加人数は減る傾向にありました。イベントなどでこれまでに社員の話をたくさん聞いてきた人は、過度に心配する必要はありません。

 一方で、「企業広報3月解禁」という表向きのスケジュールを信じてか、社員の話を聞く機会がなかった学生はピンチだと思ってください。合説がゼロになるわけではありませんし、学内説明会などを予定通り開く大学も多くあるはず。マスク着用、手洗いなどを徹底したうえで、積極的に参加すべきだと思います。今はWEB説明会を実施する会社が増えていますし、中にはWEBを活用した合説もあります。

採用HPを読み込め

 花王は学生を集める会社説明会を2013年にやめ、WEB説明会に切り替えました。インターンは技術系の小規模のものしか開いていないため、多くの学生に直接会うのは選考本番の面接からです。担当者は「合同企業説明会にはたまに出ますが、業界説明会や仕事説明会にもあまり出ていません。経理職や情報システム系などはゼミを訪問することがありますが、どうしても、訪問できる大学の数に限りが出てしまいますし、学生にとっても遠方から参加するのは大変なため、他社に先駆けてWEB説明会を取り入れました。ライブ配信だけでなく、録画を誰でもいつでも見られるようにしています」と説明しています。

 選考途中の面接の前後に社員に質問する機会を設けてOB・OG訪問の代わりにしているそうですが、「早い時期から直接会わなくても、当社の採用ホームページは充実しているのでいろんな情報を取れる」とも言います。出遅れた学生は、採用HPを誰にも負けないくらい隅から隅までしっかり読み込むようにしてください。

あらゆるツテたどりOB・OG訪問を

 説明会とは関係なく自ら社員にアプローチするのがOB・OG訪問。説明会を中止する企業でも、個別に社員と会うことを禁じるところは少ないと思います。必ずトライしてください。大学のOB・OG名簿のほか、ゼミやサークルの先輩などあらゆるツテを利用してアタックしましょう。きっと、説明会では聞けない本音を話してくれます。1人に会えたら、「○○の業務をしている方」「子育て中の方」など具体的なイメージを伝えて、別の社員を紹介してもらいましょう。うまくいけば、芋づる式に会うことができますよ。

キャリアセンターを使い倒せ

 このほか、就活サイトには、登録した学生の情報に企業側からアクセスしてくる「スカウト機能」があることも多いです。こうした「ダイレクトリクルーティング」と呼ばれる仕組みも積極的に使ってください。一人ひとりに合った企業を紹介してくれる「就職エージェント」も盛んになっています。

 もう一つ、すべての就活生に伝えたいのは、「大学のキャリアセンターを使い倒せ!」ということ。こまめに通って相談するのがオススメですが、困ったら迷わず駆け込みましょう。どんな相談にも親身に応じてくれるはずです。皆さんが納めている学費には、その費用も含まれているのですから、使わないと損ですよ。

就活生応援マガジン「PreBiz」

木之本敬介(朝日新聞社 就活コーディネーター)
プロフィル 木之本敬介(朝日新聞社 就活コーディネーター)

1986年入社。政治部記者、採用担当部長などを経て就職情報サイト「あさがくナビ」編集長。「朝日学生キャリア塾」を立ち上げて就活生の指導も。サイト「就活ニュースペーパーby朝日新聞」では就活に役立つ情報を日々発信中。大学などでの講義・講演多数。著書に「最強の業界・企業研究ナビ2017」(朝日新聞出版)がある。

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