時代の変化に対応できる人材になろう

<第10回> 文 ライター・亀田早希
マイナビが開いたウェブ合同企業説明会の撮影現場=2020年3月1日、東京都文京区(C)朝日新聞社
マイナビが開いたウェブ合同企業説明会の撮影現場=2020年3月1日、東京都文京区(C)朝日新聞社

 2020年2月から新型コロナウイルスが、日本でも脅威を奮うようになりました。大規模な就活イベントが中止になり、不安を覚えている就活生も多いのではないでしょうか。
 多くの企業ではリモートワークが導入されています。元々推奨されてきた取り組みではあるので、これを機に一気に定着することも見込まれます。
 就活でも、オンラインでの説明会や選考、動画選考などを活用する企業が増えるでしょう。

求められる最新の働き方に対応した能力

 近年、テクノロジーの発達や社会環境の変化により、働く環境は劇的に変化しています。災害が相次いだことも受け、企業では事業継続性の観点からさまざまな危機に対応できる柔軟な組織づくりの取り組みも盛んです。
 これからの社会人には、テクノロジーを使いこなし、どんな場所でも自律的に働き、成果を出す能力が求められます。皆で会社に同じ時間に集まり、時には残業をしながら共に働くというスタイルは一般的ではなくなりつつあります。
 これは、いま就活をしている学生には歓迎される風潮ではないでしょうか。

 しかし、改めて考えてみてください。自分が「この働き方に対応する力を持っている」と自信をもって言えますか?

自由な働き方は自律と自立の働き方

 盛んに導入されているリモートワークなどは、企業側にとってはなかなか導入が難しい取り組みです。
 セキュリティーの問題などもありますが、遠隔地や自宅で勤務する社員全員に対して、確実に成果を出せるようにマネジメントをすることが非常に難しいからです。
 社員一人ひとりがバラバラの場所で働いていると、不慣れな社員は周囲に気軽に仕事の質問ができませんし、指導側も仕事の進捗(しんちょく)を管理しにくくなります。トラブルが発生した場合も、きちんと報告をされなければ、周囲が気付くことができず、大問題に発展するかもしれません。

 このように、時間や場所に縛られない働き方には、前提として「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」がきちんとでき、スケジュール管理能力が十分あり、必要な情報を適切に入手し、成果が出せる社員がいることが必要なのです。
 リモートワークをスムーズに実施できている企業は、製造現場や顧客対応、接客などリモートができない状況を除いて、上記のように自律的に働き行動しようとする社員がいるということでしょう。
 社会に出る前なので実感が持ちにくいかもしれませんが、この働き方には、正解のない社会において、本質を捉え、自ら考え、行動する力が求められているのです。
 就活生に置き換えるなら、大規模な説明会の中止などで「自ら情報を得る力が試される」環境になっても、何をすべきかを考え行動する力が必要だということです。選択肢がないからと行動を止めれば、何も進みません。

時代の変化に対応できる人材になるために

 ここまで考えると、これからの時代を生き抜くためには、就活イベントの中止は工夫をはじめる1つの機会だと捉えるべきでしょう。
 現在はさまざまな情報収集・コミュニケーションの手段があります。Webには就職サイトやスカウトサイト、SNS、口コミサイトなどがあります。リアルでは、両親や親戚、先輩、大学キャリアセンターの職員、企業の方などがいます。大学のキャリアセンターに行けば、普段から企業と連絡を取り合っているため、Web上にない最新情報や、自分では探しきれない情報が集まっている可能性もあります。

 つまり、あなたは選ぶことができるのです。その過程においてさまざまな情報や人に出会ってこそ就職活動が進むのです。

 今後、企業から選考のスケジュールや方法などが情報発信されるでしょう。ホームページや就職サイトへ掲載が行われ、エントリー済みの学生にはメールがくるはずです。
 この状況では、企業と直接連絡をとりやすくするため、幅広く企業にエントリーしておくのも良い手でしょう。ただ、やみくもなエントリーはその後の情報整理が大変になるので注意してください。

社会人モードに頭を切り替えよう

 今は自身の将来について不安な時期だと思いますが、こんなときこそ改めて就活の本質を見直してみてください。
 危機的状況においても、「仕事は相手の役に立つこと」という本質は変わりません。企業研究を通じて理念やビジョン、事業状況、仕事内容、進め方、必要な力を把握し、自己分析で自身の価値観や強みを把握することが重要です。いつ、どんな形式の説明会や選考の案内がきても対応できるように事前準備しておきましょう。

思い立ったが吉日

 就活を終えたとき「就活をしてよかった」と思えるよう行動してください。就活の成功は、複数内定や有名企業の内定ではなく、就職後に「この企業で働けてよかった」と思えることです。そのためには、同僚や経営者と価値観や思いが一致することが必要です。どんなプロセスにおいても相手から「一緒に働きましょう」と言われるよう自己研鑽(けんさん)していきましょう。

 みなさんの就職活動と、その後に続く社会人生活を心から応援しています。

谷出正直(採用コンサルタント/採用アナリスト)
プロフィル 谷出正直(採用コンサルタント/採用アナリスト)

奈良県出身。筑波大学大学院体育研究科を修了。エン・ジャパンで新卒採用支援事業に約11年間携わり、独立。現在は企業、大学、学生、採用支援会社、メディアなど新卒採用や就職活動に関わり、約2100名と生きたネットワークを構築。様々な現場の情報やノウハウ、知見、俯瞰(ふかん)した情報を持つ。採用コンサルタント/採用アナリストとして、企業の採用支援、企業や大学、学生に向けた各種セミナー・研修の実施、寄稿やコラムの連載、現場情報の発信、コミュニティーの運営なども行う。

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