コロナが変えた就職活動 オンラインだけの情報収集には弊害も

文 学習院大学キャリアセンター担当次長 淡野健
metamorworks(Getty Images)
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 21卒生をめぐる企業の採用活動は、2020東京五輪やインバウンド需要、ここ数年の採用意欲拡大の波により、2019年(3年)夏からインターンシップを実施したように、早くから企業が学生に接触する傾向にありました。政府が打ち出した3月広報・6月選考の方針は、結果的に例年通り形骸化となるかと思われていました。

 ところが2019年末に海外で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の規模拡大で国内にも影響が出始めた2月末頃から、状況は一変しました。

企業・学生の両方が混乱の状況に

 初期国内感染症拡大期の2、3月は、対面による説明会の延期・中止が相次ぎ、実態として4月の政府初の緊急事態宣言から、企業の採用活動・学生の就職活動は、共に約1カ月半ほど休止せざるを得ない状況に追い込まれました。その間企業は、オンラインで学生に接触する方法を模索し、学生側は説明会・テスト・選考が急きょオンラインに変更するなど、双方が混乱した状態に陥りました。

 ただこうした混乱も、知名度が高い大手企業には影響が少なく、非対面による選考を粛々と進行させていました。最終面接まで全て非対面式で進め、内定書類授与時の確認が初対面という企業も存在したほどです。このような大手企業群は、ほぼ7月で採用活動を終結した傾向にあります。

 一方で多くの中堅企業群は、他社の動向を注視し、非対面の接触法を検討しながら長期化を覚悟して臨み、現在も採用活動を継続中の企業も存在しています。各社とも例年通り入社半年前の10月には採用を充足したい意向が強く、例年通り10月に内定式を開くべく準備を進めています。しかしながら、内定式自体の存在や手法を検討している企業も多く、従来通り内定者を一堂に集め会食などを実施する手法は無し、と考えられます。

▼コロナ禍で就活に苦労している学生へのエール

ネットの情報だけに頼らずに

 大学の授業や課外活動もオンラインのため、就活生同志の情報交換の軽薄化が今年度の特徴のひとつです。スーツを着て学内や企業で会う機会が無く、就活生同志のやりとりはオンライン上のみ。そこで交わされる情報量は圧倒的に少ないと感じています。また、ちまたのマスコミ就活情報で、不安視や真の情報を求める学生が多くなる傾向がみられました。企業の担当者からは、各大学のキャリアセンターの姿勢もより一層大学ごとに異なり、差別化が見え始めていると聞きます。

 世の中には、数多くの業界や企業が活動しています。就職活動を通して、自身が知っている業界や知名度の高い企業の方が実は少なかったと感じている学生の皆さんも多いことでしょう。

 この9月の段階でも、21卒の採用を続けている企業は多く存在しています。社会には多様な働き方が存在しています。自分がどのように社会に貢献できるのか? どのように世の中の為になるのか? を最重要視してほしいと思います。そしてネット情報や自分のみで考えるのでなく、自身の大学キャリアセンターがどう支援をしてくれるか、も聞いて最後まであきらめず企業との接点に挑んでほしいと考えています。

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