オンライン就活に乗り遅れるな 新しい時代のコミュニケーションとは

文 学習院大学キャリアセンター担当次長 淡野健
metamorworks(Getty Images)
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 2020年は、新型コロナウイルス(COVID-19)に起因する世界規模の社会変化が起きた年として歴史に残ることと思います。未曽有の感染症対策と共に、今後は「感染症とうまく付き合う」=非接触型の社会、が求められる時代といえるでしょう。

 社会生活でも、コミュニケーションの方法がオンライン型(非対面式)になりスピード化が顕著になっています。企業の働き方改革の一環として、リモートワークや在宅勤務が浸透しています。就活シーンでも同様に、企業と学生とのコミュニケーション手法は急速にオンライン型に転換しています。そして次世代においては、感染症対策とは関係のないところで、非対面式の会議や稟議(りんぎ)、会合、承認作業などが当たり前となり、「働き方改革」の1ページとして進化する可能性を秘めています。

 従来の就活場面において唯一の非対面式手法といえば、テストセンターでの基礎能力や適性試験で、就活生は企業が指定する別会場のセンターで受験していました。ところが21卒採用は、選考全体(説明会・面接含む)がオンライン型(非対面式)へと移行することになりました。

 企業は主にZoomなどオンライン型の選考手法(説明会・面接)を早急に検討して取り入れ、大学は授業と同様にオンライン型の就活対策や学生への情報提供を遅れることなく対応を実施してきました。

どうだった? 21卒生のオンライン就活

 ここで21卒オンライン型接点を総括してみたいと思います。

■説明会

 以前から企業説明会といえば、質疑応答の機会があるものの、企業からの説明が主たる内容であったため、オンライン化への移行はスムーズに進んだと感じます。

 本来の、企業に出向いて受付から案内され、待合室で待ちながら他の就活生と情報交換をし、企業は学生の第一印象や聞く姿勢、質疑内容などを確認するという、企業に赴いた段階から選考がスタートしている原則が、オンライン化によりその役割は低減したといえます。もちろんオンラインの画面上で就活生が話を聞く姿勢(学生によっては画面オフケースもあり)は確認できますし、質疑の内容も注視できますが、対面して初めて感じる雰囲気の判断は薄くなったといえるでしょう。

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■選考

 本年度は、ほとんど企業が、学生1(個人)対企業1~3(個人・複数)の、いわゆる個人面接のオンライン型が主流でした。ここで伝えたいのは、手法は異なるものの、企業の評価ポイントは変わっていない、という点です。

 まず「第一印象」においては、画面上から見えるあいさつや礼儀など、学生らしい一面であることが望ましいということです。次に本人の内面を聞く「自己分析」は、学生時代力を入れたこと(ガクチカ)を筆頭に、過去の出来事や自分自身をどう見ていて企業は学生をどう評価するか? について、オンライン上での対話や伝え方、応用質疑によって人物の表面だけでなく側面や裏側を聞き出す手法がオンラインでも可能だったといえるでしょう。

 そして応募企業への動機形成を聞く「志望動機」は、働き方の価値観や業界・企業を志望する理由について、本人から将来についての考え方を聞き、企業と合致するか? もオンライン上での言葉のキャッチボールや対話を通じて判断はできました。

「会いたい」と思わせる工夫を

 私自身、学生とオンライン上での相談や面接訓練の経験、企業と協働してオンライン説明会を実施して見えたことは、非対面式こそ早くこの学生に会いたい、と思うかどうかに尽きると考えます。つまりオンライン式でも、深く聞いたり話したりするケースも可能で、本音を聞き出すことは想定しているよりもできたと感じます。次回は直接対話をしたいと思うか? を、企業と学生の双方向が思えるかが大事であると感じます。

 就職活動の目的は、内定獲得や企業選びのみだけではありません。オンラインでのコミュニケーションは、次世代の社会や企業が早急に導入する傾向にあると考えれば、オンライン就活そのものが、卒業後の社会実践に役立つ貴重な経験と位置付けることだと知って欲しいと思います。

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