「受かるエントリーシート:学業、課外活動について書く際の文章構成とPRすべきこと」

<第37回> 文 坂本直文
Laymul(Getty Images)
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 今回のテーマは、「受かるエントリーシート」の書き方です。エントリーシート(ES)の目的を説明し、学業や課外活動に関して書く場合のアピールの仕方を解説します。インターンシップの応募や選考試験、本選考でエントリーシートの提出は必須です。このコラムを活用して、合格をつかんでください。

ESは何のためにあるのか

 エントリーシート審査は、採用試験の最初の関門です。着実に突破するためには、エントリーシートとはそもそも何のためにあるのかを理解しておくことが大切です。

●企業がエントリーシートを課す目的

 企業が受験者にエントリーシート課す目的は「採用したいと思う人に効率的に出会うため」です。以下の2点をわきまえておくことが非常に大切です。

① 設問内容によってチェックすること
 企業は、志望職種の仕事で必要な「能力や行動特性、適性」があるかを推測できる設問内容にしています。さらに、入社後に、社内文書・書類の作成に支障がない高い「文章作成力」があるかも見ています。これらが感じられない内容のエントリーシートでは、審査を突破することが難しいです。

② 設問数、制限文字数を多くする理由
 人気企業は、「志望度の高い学生だけが応募する」ように、設問数や記述文字量をわざと多くして、書く手間がかかるようにしていることが多いです。ここから選抜が始まっているというわけです。なお、エントリーシートでの誤字は厳禁です。漢字力・語彙(ごい)力という基礎学力を疑われて、評価は大幅に下がってしまいます。WEBエントリーの場合は、誤字発見ソフトで厳しくチェックしている企業もあります。

●受験者がエントリーシートを提出する目的

 受験者が企業にエントリーシートを提出する目的は、「採用メリット」を伝えることです。以下の2点をわきまえておくことが非常に大切です。

① 各設問を書く方針
 志望職種の仕事で必要な「能力や行動特性、適性」があることが伝わるように書きましょう。

② 制限文字数が多い設問を書く場合に心掛けるべきこと
 「制限文字数の90%以上書く」ことを心掛けましょう。可能であれば「ピッタリ」に書くことです。たとえば、制限文字数600字の場合は、540字以上は必須。できるだけ600字に近づけましょう。すると志望熱意の強さが伝わります。

 ちなみに、手書きのエントリーシートの場合は、丁寧に読みやすい字で、行間や字間をきちんとそろえて書きましょう。すると、仕事も丁寧にきちんと行う人であることが伝わります。    

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各設問の出題意図

 次に、エントリーシートの頻出設問における出題意図を解説します。

【研究課題・得意科目】
学習能力の高さ、または、どんな専門知識を習得しているかのチェック

【学生時代に力を入れたこと】
興味の方向性、どのくらい頑張る人か。どんな能力を得たかのチェック

【課外活動(サークル・部活・ボランティアなど)】
集団の中でどんな役割か。コミュニケーション力やチームワーク力、リーダーシップ力のチェック

【自己PR】
当社の仕事に役立つ能力、知識はあるかのチェック

【資格、免許】
当社の仕事に役立つスキルがあるかのチェック

【趣味、特技】
当社の仕事への適性はあるか。仕事に役立つスキルはあるかのチェック

●【研究課題・得意科目】の文章構成と書き方

 学生が第一にすべきことは学業だと考えている採用担当者は非常に多いです。よって、研究課題・得意科目をしっかり書くことはとても重要です。頑張ったことを証明するために、高い成績や成果を書くことは必要不可欠です。

文章構成
① 見出しを書く(数字・具体例を盛り込む)
② 科目の概要を書く
③ 努力の具体例を書く
④ 努力の成果。得たことを書く
⑤ 得たことを志望企業の仕事でどう生かすかを書く

●書き方

①の見出しの書き方は、3種類あります。1.「科目名に得た高い成績を書き添える方法」、2.「科目名に発揮した能力や得た能力を書き添える方法」、3.「科目名に努力の事例を書き添える方法」です。それぞれの例を挙げます。1.「社会学(最高評価S獲得)」、2.「情報処理学(エクセルの実践的活用法を学ぶ)」、3.「地域創生学(地元企業20社に訪問取材)」。

②説明能力を見られますので、その科目のことを全く知らない人にもわかりやすく説明することが重要です。専門用語を使いすぎないように注意しましょう。

③は、数字・具体例を盛り込むと説得力が高くなります。

④の努力の成果・得たことの書き方は3種類あります。1.「高い成績を取ったことを書く方法」、2.「志望企業の仕事で役立つ専門知識やスキルを得たことを書く方法」、3.「高い成果が得られる習慣・取り組み方が身についたことを書く方法」。それぞれの例を挙げます。1.「担当教員から最高評価Sを頂きました」、2.「エクセルを活用して売り上げ・経費・利益の関係を緻密(ちみつ)に分析する手法を身につけました」、3.「目標を達成するために時間を有効活用してコツコツ努力する習慣が身につきました」。

⑤は企業研究して仕事にどう生かせるか分析して書きましょう。社員紹介のページを参考にするとよいです。

内定者ワンポイントアドバイス(情報通信内定)。

 学生が第一にすべきことは学業だと考えている面接担当者は非常に多かったです。ESでも面接でも頻出でした。なので、得意科目をしっかり書いておくことはとても重要だと感じました。

【課外活動(サークル・部活・ボランティアなど)】の文章構成と書き方

recep-bg(Getty Images)
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 課外活動欄では、組織の中でどんな役割を担う人かを書くことが期待されています。よって、役職やポジションを書いて、努力したことを書くとよいです。役職が明確に定められていなかった場合は、実質的に担っていた役職、ポジションを書くとよいです。以下、サークル活動の例を挙げて解説します。

文章構成
① 見出しを書く(数字・具体例を盛り込む)
② 所属したサークルの概要を書く
③ 役職やポジション、および、努力の具体例を書く
④ 努力の成果。得たことを書く
⑤ 得たことを志望企業の仕事でどう生かすかを書く

●書き方

①の見出しの書き方は、3種類あります。1.「サークル活動で得た高い成績を書き添える方法」、2.「サークル活動で発揮した能力や得た能力を書き添える方法」、3.「サークル活動で努力した事例を書き添える方法」です。それぞれの例を挙げます。1.「テニスサークル所属(学内大会2位)」、2.「国際交流サークルで渉外係(10カ国の留学生と交流し異文化コミュニケーション力を磨く)」、3.「軽音楽サークルで会計責任者(40人分の会費・経費の出入りをミスなく管理)」

②説明能力を見られます。そのサークルのことを全く知らない人にもわかりやすい説明をしましょう。

③役職やポジションを書いて、役割を全うするためにどんな努力したかを具体的に書くとよいです。チームに対する責任感、または、チームをまとめるリーダーシップ力が感じられる内容だと高評価が得られます。役職やポジションが定められていなかった場合は、実質的に担っていた役職、ポジションを書くとよいです。 

④の努力の成果・得たことの書き方は3種類あります。1.「高い成績を取ったことを書く方法」、2.「チームワークやリーダーシップを発揮して達成した事例を書く方法」、3.「高い成果が得られる習慣・取り組み方が身についたことを書く方法」。それぞれの例を挙げます。1.「猛練習の結果、地区大会で準優勝することができました」、2.「学園祭の出店で昨年比15%多い売り上げを達成することができました」、3.「30名のメンバーをまとめる気配り力、100名の観客の前でも緊張しない度胸を培いました」。

⑤は企業研究して仕事にどう生かせるか分析して書きましょう。社員紹介のページを参考にするとよいです。

 課外活動欄に「アルバイト」について書く場合のアドバイスをします。

 アルバイトで高評価を得やすい内容は、顧客満足度の向上、売り上げの向上、経費の節約、業務の効率化、後輩の指導、職場の整理整頓、必要なスキル・専門知識の取得向上の努力、自主的な取り組み、時間の有効活用・管理、チームワークやリーダーシップを発揮した事例です。これらの中から自分がアピールしやすいことで、かつ、志望企業の仕事に役立つ内容を書くとよいです。

内定者ワンポイントアドバイス(食品内定)。

 サークルでの役割と志望企業での役割の関連づけが効果的でした。私はサッカーサークルに所属していましたが、ESでは自分のポジション(FW)でどう努力してチームに貢献したかをPRし、面接ではそれに関連づけて志望企業の職場でも同様な努力をすることをPRしました。

文章力アップの効果的方法(朝日新聞デジタルの活用)

 エントリーシートの文章を書く際、うまく書けなかったら、朝日新聞デジタルを活用する文章力アップ方法を試してみてください。非常に大きな効果があります。

●朝日新聞デジタルの記事検索機能の活用。書きたい文章に関するキーワードで検索

 たとえば、『ヒップホップダンスサークルで、振り付けの指導を担当しており、エントリーシートでは、練習を重ねて学園祭のダンスイベントを成功させたこと。チームをまとめたリーダーシップをアピールしたい』と考えたとします。文章力アップにお勧めなのは、朝日新聞デジタルの記事検索機能を使って、「ヒップホップ」、「ダンス」、「ダンサー」、「振り付け」、「指導」、「練習」、「学園祭」、「イベント」、「チームをまとめる」、「リーダーシップ」といったキーワードで記事検索をすることです。それぞれに関する新聞記事がたくさんリストアップされますので、その中から、自分の内容に合ったものを選んで、文章構成や表現の仕方を学ぶと良いです。

 実際に、朝日新聞デジタルの検索ボックスに「ダンス」と入力して検索してみました。すると、こんな素晴らしい記事と出会うことができました。自己PRの文章を書く上でとても参考になります。

初ミュージカルの土屋太鳳、表現は「大切な人の野性」

クレムリンバレエ団プリンシパル・小池沙織さんに聞く

演劇×ダンスが秘める可能性 神奈川芸術劇場「出口なし」、演出・白井晃

吉増剛造×笠井叡、絡みあう言葉と肉体 寄稿、舞踊評論家・石井達朗

(フロントランナー)俳優・柚希礼音さん 宝塚から世界を目指す

 あなたもぜひ記事検索をしてみてください。文章構成、文章表現が学べるだけではなく、自己PRのジャンルに関する知見が大きく広がります。

 今回のコラムは以上です。あなたの合格を心より応援しています。

坂本直文(就職コンサルタント)
プロフィル 坂本直文(就職コンサルタント)

「内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書完全版」(売り上げ12年連続1位/エントリーシート部門)、「内定者はこう話した! 面接完全版」(売り上げ5年連続1位/面接部門)等、著書は114冊。

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