味の素内定者インタビュー(前編)「インターンやOG・OB訪問で生の声に触れる」

文 池田美樹
味の素に内定した(左から)吉村さん、丹羽さん、山田さん=東京都中央区
味の素に内定した(左から)吉村さん、丹羽さん、山田さん=東京都中央区

どの家庭にも常備されている調味料で知られる「味の素」。世界一のアミノ酸メーカーとして、国内外で「食品」や「アミノサイエンス」を柱とした幅広い事業を展開し、商品を販売する国・地域は130を超える。「楽天みん就」の調査で2021年新卒就職人気企業ランキング(総合)において2位になった人気企業に内定した3人が、就職活動を振り返った。

味の素 公式サイト

「様々な業界を見てやりたいこと探す」

―― 就職活動を始めたのはいつごろからでしたか?

吉村さん「私は薬学部で現在6年生なのですが、4年生の6月ぐらいから始めました。薬学部だから薬剤師になる、製薬企業に就職すると決めたくなくて、もっと視野を広げたいという気持ちがあり様々な企業の会社説明会やインターンなどに参加しました」

丹羽さん「けっこう長くやったんだね。私は大学院の修士2年生なのですが、修士1年生の時に夏のインターンに応募するため6月ぐらいから開始しました。外資系企業を目指している人や文系の友達は4月から本格的にやっていたので、スタートはゆっくり目だったかもしれません」

山田さん「僕も修士2年生なのですが、同じくらいの時期に始めました。行きたい業種も決まっていなくて、とりあえずインターンに行ってみようかなという感じだったんです。いくつかエントリーはしてみたんですけれど、どこも通らなかったので結局行かなかったんですが」

吉村さん「私は早く始めて長く就活をしていたので、会社説明会には20社ぐらい行きました。特に食品に絞っていたわけではなくて、製薬、コンサルティング、航空など、自分がやりたいことはなんだろうと探すためにいろいろ見ました」

山田さん「インターンにも行った?」

吉村さん「その20社くらいはインターンにも行きましたよ。大体ワンデーからスリーデイズ。当時は自分が知っている会社がまだまだ少なかったので、視野を広げられるかなと思って。残念だったのが、大学で研究をしなくてはいけなかったので長い休みが取れなくて、長期のインターンシップに行けなかったことです」

丹羽さん「私はインターンには夏冬合わせて10社ぐらい。もともとメーカーの研究開発職に興味があったので、そこに絞りました。飲料、製薬会社、化学など色々な業種のメーカーに行きました」

丹羽さんが就職活動の間、身につけていた腕時計。お姉さんから贈られた思い出の品という
丹羽さんが就職活動の間、身につけていた腕時計。お姉さんから贈られた思い出の品という

「自己分析より他己分析」

―― 就職活動を始めた頃、どういう風に自己分析をしましたか?

丹羽さん「私は身近な友達に聞きまくりました。私の何が強いと思う、弱いと思う? という感じで本音を聞かせてもらって。そこを踏まえて、就職するときにどういうことができるかなという感じで考えていきました」

吉村さん「何か発見はあった?」

丹羽さん「あった! 全然想像もしていなかった長所を言ってくれた友達もいたので、へえ、と思いました」

山田さん「就活に必要なのは自己分析って言うけど、実際は周りから見られている自分が真の自分だから、他己分析が一番良いんじゃないかと思います。僕の場合は、短所が理屈っぽいところと言われたんですが、もともと自分自身ではそんなつもりがなかったので、発見でしたね」

吉村さん「私の場合は、インターンをすると最終日にひとりひとりにメッセージを書いたりフィードバックをもらう時間があって。その時、自分って相手にはこういうふうに映っているんだな、ということを理解できるのでそこをのばしたり、気をつけたりということを意識していきました」

―― 就職活動のために取得した資格や始めた勉強はありますか?

吉村さん「就活で役に立ったのは、大学の授業の延長で取った健康食品管理士という資格を取得したことです。薬学部なので実習で病院に行くんですが、食と疾患をつなげられるところでまず役立ちました。その実習での経験は、面接の時に話すエピソードにもなりました」

山田さん「僕は就活のためにというよりは、大学と大学院で研究をがんばりました。専門は統計学なんですが、時系列データの将来予測に興味があって。結果的にそれがアピールできたと思います」

丹羽さん「私も就活のために、というのは特にないかな。修士に進学したので、研究をがんばろうと思っていました。化学系なのですが、液晶ディスプレーに入っている液晶を応用するための新しい分子を作る研究をしています」

吉村さん「研究ということでいえば、私は普通はガンに使われていない薬を適用したら効くかもしれないという研究をしています」

―― 2020年はコロナ禍でした。なかなか会えない友人たちとどうやって情報交換をしていましたか?

吉村さん「私はズームと電話を駆使していましたね」

丹羽さん「ラインのオープングループチャットで就活の悩みをチャットしている人たちがいるらしいですよ。私は利用しなかったのですが、友人たちには使っている人がすごく多かったです」

吉村さん「それは見ず知らずの人たちがお互いに教え合うの?」

丹羽さん「そうみたい。私自身は、友人と姉に頼っていました。姉がメーカーの人事をやっているのでアドバイスがもらえて」

吉村さん「いいなあ。私はインターンで知り合ったメンバーと定期的に連絡を取って、情報共有をしていました。友達のなかにはマッチングアプリを使って面接対策や自己分析の深掘りをしていた人もいました。」

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―― 時事問題の勉強はどうしましたか?

吉村さん「私は就職活動を意識して、父が取っている新聞を毎朝読んで、自分が受けようと思っている会社の記事はスクラップしました。面接の時に引き出しになることが多かったです」

吉村さんが就職活動で気づいたことを書き記したノート。気になった新聞記事は切り抜いて貼り、面接に挑んだという
吉村さんが就職活動で気づいたことを書き記したノート。気になった新聞記事は切り抜いて貼り、面接に挑んだという

―― 企業説明会やインターンでの印象的なエピソードがあったら教えてください。

吉村さん「印象に残っていることが2つあります。ひとつはMR(医薬情報担当者)の業務体験として医師を訪問する仕事に一日中付いていかせてもらったのですが、どんな風に働くのかがありありとわかりました。もうひとつは、外資系企業のインターンに参加した時に、急に英語で始まったことがあり、周りの方々は英語で質問していたんですが、私は英語が得意じゃないのでついていけなかったことがあって…本当にできなくて、恥ずかしかったです」

丹羽さん「味の素のワンデーインターンシップがすごく楽しかったです。新しいアイデアを皆で考えるという内容でしたが、私自身はあまりアイデアを出すという経験がなかったので、良い機会になりました。グループワークをして、最後は順位がつくので優勝を目指してがんばるんです。同じグループにすごくしゃべりやすい人がいて、空いている時間には他の話もできたので、仲良くなりました」

―― OG・OB訪問はしましたか? したとしたらどんな話をしましたか?

吉村さん「私は味の素で4人、他社で1人ずつくらい。お伺いしたのは、具体的にどういう働き方をされているのかということです。ワーク・ライフ・バランスについてもお伺いしました。話を聞きながら、自分がどういう風に働きたいのか、業務内容に自分の強みがどんな所で生かせるのかなと考えました。それから、面接の時に少しでも引き出しになるようなお話を聞けたことも多かったです」

丹羽さん「OG・OBの方にお会いしたのは味の素だけで、それもたまたま研究室の先輩だったんです。私は研究職志望でしたので、どういう形で研究開発をしているのか、どういうものを作っていらっしゃるのか、1日のスケジュールはどうなのかということを詳しくお伺いしました。また、自分のキャリアプランを伝えて、それが会社の雰囲気や内部の制度とどれだけマッチしているかということも教えていただきました」

山田さん「僕は研究室に学部卒で就職した同期がいたので、先輩を紹介してもらいOG・OB訪問をしました。企業からキャリアセミナーという形で大学に来ていただいた後にこちらから企業訪問をして、お話をお伺いしたりもしました」

吉村さん「OG・OBの方は、相談事があれば快く土日でもお時間を作ってくださったりして、頼りにしました。本当につながっていただいて良かったなと思っています」

【連載】働くってなんですか

(後半に続く)

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