その情報、正しいですか? 就活のプロが説くメディアリテラシー

文 昭和女子大学キャリア支援部長・センター長 磯野彰彦
metamorworks(Getty Images)
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 朝晩冷え込む日が増えてきました。もうじき年末年始ですね。みなさんどのように過ごしていますか。例年と一番違うのは「コロナ」です。第3波が到来し、「Go To キャンペーン」も見直され、縮小しています。こうした生活の変化の中で、それでもみなさんは就職活動に前向きに取り組まなければなりません。

 東京都内の大学では、後期に入って、対面授業を増やすところが出てきました。しかし、第3波で再びオンライン授業に戻す大学もあるようです。混んでいる電車に長時間乗って、通学するのも不安だ。大学の部活動やサークル活動も自粛を求められているので、参加できない。ゼミの仲間にも会えない……。

 いつもならこの時期にリクルートスーツで闊歩(かっぽ)する就活生が、今年はほとんど見られない。私たち就活支援の担当者にとっても「寂しい風景」です。

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就活生向けの「マルチ商法」に注意

 そのような就活生の不安につけ込むような動きもあると聞きます。

 例えば「自己啓発セミナー」の存在。「100%内定をとるためのノウハウを教えます」「内定に至らないのは、あなたの気持ちの弱さに原因があるからだ」などと誘いをかけて、最初は無料のセミナーだったのが、途中から高額の受講料を取るようになる。

 「ともだちを一人連れて来たら報酬を支払いますよ」。これ、どこかで聞いたことはありませんか。そう、いわゆるマルチ商法です。もし、高いお金を払ってしまい、どこかおかしいと気が付いたら、大学の相談コーナーや行政の窓口に相談してみてください。クーリングオフといって、お金を返してもらえるケースもあります。

 高い受講料を支払えば、「内定を取るまで何度でも利用できる」就活予備校のようなところもあるそうです。払った分だけ効果がある場合もあるかもしれません。でも、大学のキャリアセンターはお金を取らないので、まずは自分が通う大学で相談してみたらどうでしょうか。

家族の「目」で他己分析を

 みなさんは保護者の方々とは就職や進路決定についてよく話をしますか。あれこれ干渉されるのでうっとうしいと思っていませんか。でも、年末年始は保護者とじっくり向き合い、話をする絶好の機会です。親御さんは皆さんの一番の理解者であることも多いのです。

 「何のために働くのか」「私はこういう会社に就職したい」。親と話しているうちに、これまであいまいだった自分の考えがはっきりしてくることもあります。

 他己分析という言葉があります。自分はこういう人間だと思っていても、周囲から見るとそうは見えないことがあります。「あなたのいい点はこういうところだと思うよ」。保護者の声に耳を傾けてみてはどうでしょう。

 まだ進路(就職先)が決まっていない4年生(2021年春卒生)にとって、この時期は最後のラストスパートです。「超売り手市場から氷河期の再来か」。そんなニュースの見出しを目にして、不安にある3年生(2022年春卒生)がいるかもしれません。ですが、自分の目で、耳で、確実な情報を手に入れ、就職活動の参考にしてください。

 ニュースに敏感になるとともに、役に立つ情報を取捨選択する能力を持つこと。この能力をメディアリテラシーと言います。これを身に着けられるかどうかで、就活の成果は大きく変わってきます。今後の健闘を祈っています。

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