日本郵船内定者インタビュー(前編)「自己分析は、早めに念入りに」

文 小元佳津江
日本郵船に内定した(左から)齋藤諒さん、関口芭奈さん、久米祐介さん=東京都千代田区
日本郵船に内定した(左から)齋藤諒さん、関口芭奈さん、久米祐介さん=東京都千代田区

1885(明治18)年に創業し、海運の発達という側面から日本の近代化を担ってきた日本郵船。世界最大級の航路ネットワークにより国内外の輸送・物流の根幹をなし、多くの人々の生活を支えてきた。丸の内の郵船ビルにある本店オフィスで、内定者3人が就職活動を振り返った。

日本郵船 公式サイト

海外へのあこがれから海運業志望に

―― 就職活動を始めたのはいつごろからでしたか?

齋藤さん「僕はいま大学院の修士2年なんですが、修士1年の秋ごろから始めました。周りはサマーインターンへの応募からスタートする人が多かったんですが、夏休みにイギリスに留学していてサマーインターンには参加できませんでした。帰国した秋には内定が決まっている人もいたので、“出遅れた!”って焦りながらやり始めましたね」

久米さん「修士1年の秋で、もう決まっている人がいるの?」

齋藤さん「いますね。だから焦っちゃって。結局、長期のインターンは行けなかったんですが、11月~2月ごろにかけてワンデーやツーデイズに8社くらい行きました。元々、自然が好きで海に興味があり、海に関連してくる企業で働きたいと思っていたので、海運業や石油開発、LNGなどを扱っている企業のものに参加していました」

久米さん「僕もいま大学院の修士2年で、就活は修士1年の6月ごろから始めました。でも、僕の所属していた研究室が人手不足で、学部生の授業の補助をするティーチングアシスタント(TA)の仕事が週2、3回入っていたので、あまり時間が取れなかったんです」

関口さん「それは結構ハードだね」

久米さん「そのうえ、僕の在籍している大学は東北にあるので、東京のインターンになかなか行けなくて。夏休みに集中的に、ワンウィークに1回、ツーデイズに2回参加しました」

関口さん「私も3年生の夏ごろに、就活やらなきゃとは思ったものの、体育会のゴルフ部に所属していて、なかなか気持ちを切り替えられなくて。ワンデーのインターンに7社ほど参加しましたが、本腰を入れて動き出したのは年明けから。ちょっと開始が遅くなってしまったのは反省点です。ただ、幸いわりと早い段階から、自分がどういう仕事をしたいのかとか、自分がどういう人間なのかを考えるクセがあったので、何とか間に合ったのかなと思います」

齋藤さん「おー。すごい」

久米さん「早い段階からはっきりしていたんだ」

関口さん「なんとなくだけど、日本だけじゃなく、海外も舞台にできるような仕事がいいなと。それで最初は商社を考えていました。でも、3年生の冬ごろに海運業という仕事を知って、直感的に“私、この仕事がしたいかも!”って思ったんです。その後、業界研究を進めるなかで、海運業はほぼすべての事業が海外との関わりで成り立っているので、真の意味でグローバルを実現できると思い志望するようになりました。あと、本当に世の中に必要不可欠なものを扱っているという、社会的使命の大きさにも引かれたんですよね」

久米さん「僕も、漠然とだけど、人を根本から支える仕事がしたいという気持ちがあって、はじめは鉄道や電力など、インフラ系に参加していました。その後もTAの仕事でなかなか時間がつくれませんでしたが、2月ごろから新型コロナの影響で多くがオンラインになったので、参加できるようになりました。そういう意味では、オンラインは大変な面がある一方、地方の学生にとってはよい面もありましたね」

2020年秋に竣工したLNG燃料自動車専用船「SAKURALEADER」=日本郵船提供
2020年秋に竣工したLNG燃料自動車専用船「SAKURALEADER」=日本郵船提供

「自己分析は、自分に合う方法を見つけて」

―― 自己分析はどのように進めましたか?

久米さん「自己分析の本を買ってやってみたんですが、僕の場合、何だか作業みたいになっちゃって。なので、周囲の人に自分の印象などを聞いたりする他己分析を中心に進めました。つくづく自己分析は苦手だなあと思いました…」

齋藤さん「わかる! 僕も自問自答だけだと煮詰まりがちで、インターンで会った企業の人事の人からお聞きした自分の印象とかのほうが役に立ったな。あと、なぜこの業界に引かれるのかとか、業界研究と絡めることで見えてくることもありましたね。僕も本はやろうとしたんですが、質問の量が膨大で諦めました(笑)。で、あるとき、せっかく自分に質問するならESの質問で考えるほうがいいじゃん! って気づいて、ESを使って自己分析する形に切り替えました」

久米さん「すごい。効率いいな」

関口さん「私は逆に、他人から言われる自分というのがピンとこなくて、最後まで自問自答スタイルでやっていきました。例えば、普段の生活のなかで自分がいいなと感じる瞬間について言語化してみるとか。あとは、齋藤さんみたいにESを一回書いてみて、自分が面接担当者だったらどこを聞きたいだろうかと想像して、その部分を深掘りしてみるとか」

齋藤さん「おお、それすごいね」

久米さん「さらに効率がいいな。早い段階で、それだけ自己分析が進んでいたら、就活のやりやすさはかなり違うだろうな」

―― インターンに参加してみて、どんな点がよかったですか。

齋藤さん「社員の方同士の仲がよいのかなど、社内のリアルな雰囲気や、業界の抱える課題が見える点がよいなと思いました。ある海運企業のインターンに参加したとき、船の燃料のCO2排出量とコストが議題になったんですが、やはり、これって業界全体の課題なんだろうなと。そう思いながら企業のサイトを見てみると、以前よりもその企業の意図がわかるようになったんです。そういう意味で、インターンは企業研究だけでなく、業界研究にもつながると思いました」

関口さん「インターンって、企業の方も会社や業界のことがわかるように色々工夫してくださっているから、参加すると勉強になることは多いよね。私はワンデーにしか参加していないけど、手軽に参加できるのに企業研究にはかなり役立ったので、行ってよかったなと思いました」

久米さん「僕は、一番密度が濃いと感じたのが日本郵船のインターンだったんです。修士1年の11月ごろ参加した合同説明会で、ある海運企業のブースに行ったときに、初めて海上職、船乗りという働き方を知りました。“社会を根本から支えるような仕事をしたい”という自分の思いにも合っていたため、以来、船乗りを目指すようになったんですが、その船乗りとしての生き方を最もよく知ることができたのが、日本郵船のインターンでした。第一志望になる決定打だったので、やはりインターンは重要だと思いますね」

▼自己分析は早めに始めておくのが大事

▼自己分析の次は業界研究 就活のイロハをプロが解説

「デジタルの新聞で効率よく情報収集」

―― 企業研究はどんなふうに進めましたか?

久米さん「新聞のデジタル版で、気になる企業の名前などを登録すると関連記事だけ出てくる設定があるので、その記事をチェックするようにしていました。あと、あまり偏った知識にならないよう、新聞の上のほうに出てくる記事にだけは目を通して、時事対策をしていました」

齋藤さん「僕も同じです。新聞のデジタル版で、気になる企業名を登録して、その関連記事だけは毎日チェックしていました。新聞ってなかなか全部は読めないので、必要なところだけピックアップするようにしていましたね。あと、『就職四季報』で企業の情報をよく調べていました。過去の採用人数や待遇、男女比、出身大学など色々書いてあるんですが、一番参考になると感じたのは、記者の目線でズバッと書かれた、その企業のやっていることや求める人物像。特に、求める人物像は、ES作成時や面接前は必ず見るようにしていました」

齋藤さんが就職活動の際に読み込んだ「就職四季報」
齋藤さんが就職活動の際に読み込んだ「就職四季報」

―― 就活のために取った資格や、していた勉強はありますか?

久米さん「僕は、英語が苦手でTOEICが500点台だったので、これはまずいと思って勉強しました。その結果、何とか700点台くらいにもっていくことができました」

齋藤さん「僕はTOEICのテスト、就活のときに受けたりはしなかったんですが、留学に行ったり、普段英語の論文を読んだりしていたので、英会話の感覚が鈍らないように意識していました」

関口さん「私はTOEICの勉強と、あと秘書検定準1級を取りました。この資格自体が就活の応募時に生かせたわけではないんですが、礼儀やマナーについて学ぶので面接時に役に立ったり、そのことで自信をもって臨めたりしたので、取ってよかったなと思います」

【連載】就活生のためのニュース解説

(後半に続く)

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