「博報堂/冬期インターンシップ」のエントリーシート重要設問で高評価を得る書き方とその対策

<第41回> 文 坂本直文
metamorworks(Getty Images)
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 今回は、大手広告会社の博報堂・博報堂DYメディアパートナーズの冬期インターンシップ「HAKUHODO BRAIN CIRCUIT in Winter」のエントリーシート対策です。インターンシップの募集要項によると、参加条件は「大学、または大学院に在籍している方」ですので、1年生や2年生も応募が可能です。

ESの重要設問

 博報堂の『HAKUHODO BRAIN CIRCUIT in Winter』の応募締め切りは、2021年1月7日(木)正午12:00。このエントリーシートでは、以下3つの設問が用意されています。

「DX化が進む社会において、あなたが進化させたいと思う生活者と○○の関係性を教えてください」

○○はモノや身のまわりのコト、商品、サービス、社会テーマ、どんなものを選んでいただいてもかまいません。

問1.あなたが進化させることによって、あなたが選んだ○○と生活者の関係性はどう変わりますか? Before/Afterが分かる形で教えてください。

問2.問1の○〇と生活者の関係性の進化によって、生活者にとってどのような「新しい価値」が生まれますか?

問3.問1の関係性の進化を、あなたはどのようにして実現しますか? コンセプト、実行アイディア、共創するプレーヤーなど、具体的に記載してください。

 回答はPDF形式(2MB以内/16:9または4:3の横使い/問1・2は各1枚、問3は5枚以内/表紙不要)での提出が求められています。

分からない単語への対処法

 博報堂のエントリーシートの設問文の中に「DX化」という言葉があります。「これは何?」と思った方もいるでしょう。時間的な余裕がある場合は、「DX」について詳しく書かれた専門書などを読み、理解を深めると良いでしょう。

 しかし提出締め切り日までわずかの場合は、以下の方法によるスピード学習が大変効果的です。ステップは2つです。特にステップ2はお勧めです。博報堂の設問を書く際のヒントやデータが短時間で数多く得られます。

 まずステップ1ですが、用語をネットで検索し、自身の知識レベルでわかりやすい説明がなされているサイトを見つけて、その説明文を読みましょう。複数のサイトの説明文を読むとよいです。

 たとえば、「DX」を検索すると、用語の成り立ちは「DX(Digital Transformation|デジタルトランスフォーメーション)の略」。用語の定義は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」(経済産業省のWEBサイトより引用)とされています。

 これを簡潔に述べると、「デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること」であることがわかります。しかし、定義がわかっただけでは、内容を深く理解できたとは言えず、今回の設問に合格レベルの意見を書くことも困難です。重要なのは、具体的な事例の確認と比較研究まできちんと行うことです。これが次のステップです。

 ステップ2は、用語に関する事例を新聞記事から探すことです。この方法ですと、短時間で多くの事例を確認することが可能です。以下、私が朝日新聞デジタルの過去記事検索を使って、「DX化」についての記事を探した成果をご覧ください。たった5分で8事例(8記事)も見つけることができました。

アマゾンのDX化の事例(アマゾンの影響力はどれほどか 日本法人社長が語った)

プロ野球12球団のDX化の事例(異例ずくめ、球団経営苦心 プロ野球12球団社長らに聞く)

ロシアのDX化の事例(皮肉な話だが、隠蔽体質のロシアの「デジタル化」に学べ)

資生堂のDX化の事例資生堂のDX化の事例(マスク着けて肌荒れ、見直されるスキンケア 資生堂社長)

政府の規制改革推進会議のDX化の考え方(血のにじむ変革へ 小林喜光さんが描くデジタルシフト) 

農業のDX化の事例(「地方創生、一丁目一番地が農業」みずほFGの佐藤会長)

鉄道会社のDX化の事例(コロナ禍で運賃・不採算路線どうする?JR四国西牧社長)

教育のDX化の事例(コロナで公教育は止まった。その「失敗の本質」を直視せよ)

 5分で8記事でしたので、10分かければ16記事。20分かければ30あまりの記事が得られたと思います。このように、朝日新聞デジタルの過去記事検索を使うと、「事例」を短時間で収集・確認することができます。ライバル受験者よりも情報の質と量で圧倒的に有利になります。そして、多くの事例を理解したうえで博報堂の設問に取り組めば、回答のレベルは格段に高いものになります。

▼「社会人の常識を得るために新聞を読む」(ニトリ内定者)

▼「企業ホームページは情報の宝庫」(味の素内定者)

トップレベルのESが書ける企業研究・仕事研究

 トップレベルの内容を書く方法を説明します。以下の3つの企業研究を行って、事業内容と仕事内容を具体的に把握し、それらに基づいてエントリーシートを作成しましょう。

1. ウェブサイトで「社員紹介」のページを読む。 

 各部署で働く若手社員の「1日の仕事の流れ」を読みながら、「具体的な仕事内容」、「仕事で心掛けていること」、「仕事で目標としていること」、「仕事の達成感」などがわかります。丹念に読むと、問1、問2、問3で書くべき内容がわかるようになります。

2. ウェブサイトで「中期経営計画(2020年3月期〜2024年3月期)」を読む。

 博報堂のビジネスモデル、過去から現在の事業内容、今後の方針がわかります。問1、問2、問3で書くことの参考になります。

3. 朝日新聞デジタルの“過去記事検索”で志望企業と同業他社などの記事を検索して読む。

 “博報堂”で検索して記事を読んだ後は、競合企業名や商品名などでも検索してみましょう。たとえば、“電通”、“広告”、“CM”、“マーケティング”、“DX”などです。設問を書く際の参考になる記事も見つかるでしょう。

 たとえば、朝日新聞デジタルの以下の記事は大変お勧めです。

●1.来園者10億人!?岡田園長またやった ひらパー絶好調

●2.タイの無料学習誌「みっけ」と連動、テレビ放映 子どもたちが日本でホームステイ

●3.スマホで全国の動物園巡り KDDIなどが動画配信

●4.「亭主関白」今は昔? 家庭の決定権、博報堂30年間調査

ESの重要設問の書き方

「DX化が進む社会において、あなたが進化させたいと思う生活者と○○の関係性を教えてください」
○○はモノや身のまわりのコト、商品、サービス、社会テーマ、どんなものを選んでいただいてもかまいません。

 この設問では、あなたが博報堂で取り組みたい「DX化による新規ビジネスモデル」のアイデアを書くことが望まれています。①新規性、②実現性、③収益性の3点が高い内容ですと、高い評価が得られます。

 設問における「〇〇」の選び方ですが、上段で紹介した「中期経営計画(2020年3月期〜2024年3月期)」の最初の項目に載っている「当社グループを取り巻く環境の変化」欄の「オールデジタル」化による大変革時代の到来」の表が大変参考になります。博報堂が今後取り組む予定の「DX化による新規ビジネスモデルの対象」がここに書かれています。

問1.あなたが進化させることによって、あなたが選んだ○○と生活者の関係性はどう変わりますか? Before/Afterが分かる形で教えてください。

 Before/Afterとは、DX化のBefore/Afterですが、読み手が理解しやすいお勧めの書き方は、Beforeとして「課題の提示」を書き、Afterとして「DX化による課題解決の努力と期待される成果」という構成で書くことです。上段で紹介した「朝日新聞デジタルのDX化の事例の記事」もこの構成になっているものが多いです。

 たとえば、アマゾンのDX化に関する記事を読むと、課題として「中小企業の生産性の低さ」が書かれており、課題解決のための努力は「アマゾンのDX化のノウハウ」。期待される成果は「オンラインでの販路開拓ができること。自社の商品開発やマーケティングに集中できること」が書かれています。ESの書き方の参考にもなりますので、他の記事にも目を通してみるとよいでしょう。

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問2.問1の○〇と生活者の関係性の進化によって、生活者にとってどのような「新しい価値」が生まれますか?

 「新しい価値」は、問1のAfterで実現される「DX化による課題解決の努力と期待される成果」を、市場規模や売り上げ、ビジネス上の収益といった視点で書くことが重要です。高いビジネスマインドを持っていることが感じられ、高評価を得やすいです。

 たとえば、①市場規模は〇〇〇億円になる。②クライアントの売り上げは〇〇〇億円になる。③博報堂の売り上げは〇〇〇億円になる。④長期的には・・・・の波及効果も期待できて、それも合わせた市場規模は〇〇〇億円になる。という書き方があります。

問3.問1の関係性の進化を、あなたはどのようにして実現しますか? コンセプト、実行アイディア、共創するプレーヤーなど、具体的に記載してください。

 実現する方法を考える上で大変参考になるのは、「中期経営計画(2020年3月期〜2024年3月期)」の4つめの項目「3つの成長基盤の強化」です。

 「Ⅰ.“生活者データ・ドリブン” マーケティングの高度化」推進の説明に用いられいる、基板となるテクノロジーを使った「データ・システム構築」の具体例や、「Ⅱ.多様化するデジタルタッチポイントへの対応」で紹介されている、既存メディアのデジタル化、リアル空間に新たに出現するデジタルタッチポイントなどは、この設問への回答を考える事例がまとめられたものです。コンセプト、実行アイデア、共創するプレーヤーを考える際の有益な指針となります。

博報堂の基礎知識クイズ

 博報堂の基礎知識についてのクイズを出します。博報堂を本気で志望するならば、知っていることを期待されます。ぜひ答えられるようにしておきましょう。以下の1~8のクイズに答えてください。

博報堂の基礎情報に関する重要ポイントクイズ

【クイズ1】:「日本の広告黎明期から活動を続ける広告代理店。2003年10月に〇〇・読売広告社と経営統合し、博報堂DYホールディングスを設立。国内1位の電通と合わせて、広告代理店の二大巨頭という意味で「電博」(でんぱく)と総称されている。」

【クイズ2】:「1895年に瀨木博尚(せき ひろなお)、教育雑誌の〇〇取次店「博報堂」を創業。」

【クイズ3】:「博報堂のフィロソフィー:〇〇者発想 パートナー主義」

【クイズ4】:「生活者発想:人を、単に「〇〇者」として捉えるのではなく、多様化した社会の中で主体性を持って生きる「生活者」として全方位的に捉え、深く洞察することから新しい価値を創造していこうという考え方。生活者を誰よりも深く知っているからこそ、クライアントと生活者、さらには社会との架け橋をつくれるのだと考える。」

【クイズ5】:「パートナー主義:「責任あるパートナーとして〇〇〇〇〇〇とともに語りあい、行動し、創造する」こと。生活者発想という異なる視点を持った上で課題を共有できるからこそ、パートナーになれると考える。」

【クイズ6】:「博報堂のビジョン:〇〇を発明する会社へ。Inventing the future with sei-katsu-sha。生活者とともに、「未来」をつくる。「広告をつくる」を超えて、「未来を発明する」。「未来の発明」は、国境を超えて世界へ。」

【クイズ7】:「博報堂生活総合研究所は、博報堂が「〇〇者発想」を具現化するために、1981年に設立。人間を、単なる消費者としてではなく「生活する主体」という意味で捉え、その意識と行動を研究。2012年には〇〇・上海に博報堂生活綜研(上海)、2014年には〇〇・バンコクに博報堂生活総研アセアンを設立。」

【クイズ8】:「(株)博報堂DYホールディングスの海外売上比率:〇〇%(2020年3月の決算公表値)」

坂本直文さんの企業研究入門

クイズの解答

【クイズ1】:「日本の広告黎明期から活動を続ける広告代理店。2003年10月に大広・読売広告社と経営統合し、博報堂DYホールディングスを設立。国内1位の電通と合わせて、広告代理店の二大巨頭という意味で「電博」(でんぱく)と総称されている。」

【クイズ2】:「1895年に瀨木博尚(せき ひろなお)、教育雑誌の広告取次店「博報堂」を創業。」

【クイズ3】:「博報堂のフィロソフィー:生活者発想 パートナー主義」

【クイズ4】:「生活者発想:人を、単に「消費者」として捉えるのではなく、多様化した社会の中で主体性を持って生きる「生活者」として全方位的に捉え、深く洞察することから新しい価値を創造していこうという考え方。生活者を誰よりも深く知っているからこそ、クライアントと生活者、さらには社会との架け橋をつくれるのだと考える。」

【クイズ5】:「パートナー主義:「責任あるパートナーとしてクライアントとともに語りあい、行動し、創造する」こと。生活者発想という異なる視点を持った上で課題を共有できるからこそ、パートナーになれると考える。」

【クイズ6】:「博報堂のビジョン:未来を発明する会社へ。Inventing the future with sei-katsu-sha。生活者とともに、「未来」をつくる。「広告をつくる」を超えて、「未来を発明する」。「未来の発明」は、国境を超えて世界へ。」

【クイズ7】:「博報堂生活総合研究所は、博報堂が「生活者発想」を具現化するために、1981年に設立。人間を、単なる消費者としてではなく「生活する主体」という意味で捉え、その意識と行動を研究。2012年には中国・上海に博報堂生活綜研(上海)、2014年にはタイ・バンコクに博報堂生活総研アセアンを設立。」

【クイズ8】:「(株)博報堂DYホールディングスの海外売上比率:12%(2020年3月の決算公表値)」

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 いかがでしたか? これらは博報堂の基礎知識です。受験するならば覚えておくとよいでしょう。解説は以上です。あなたの合格を心より応援しています。

坂本直文(就職コンサルタント)
プロフィル 坂本直文(就職コンサルタント)

「内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書完全版」(売り上げ12年連続1位/エントリーシート部門)、「内定者はこう話した! 面接完全版」(売り上げ5年連続1位/面接部門)等、著書は114冊。

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