企業と学生つなぐ「ハクスク」 博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ・利光健一さん 小林由佳さん 前編

<第3回> 就活ナビ編集部
(左から)小林由佳さん、利光健一さん=東京都港区
(左から)小林由佳さん、利光健一さん=東京都港区

 就活生に高い人気がある広告業界。2022年卒の学生を対象にした「あさがくナビ」の就職人気企業ランキングでも上位に選ばれた、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズで、採用を担当する人事局人事部の利光健一さん(33)、小林由佳さん(24)に、コロナ禍で急きょオンラインに切り替えた面接の難しさや思い、学生との対話を目指した新たなメディアなどについて聞きました。

▼博報堂公式サイト

▼博報堂DYメディアパートナーズ公式サイト

―― それぞれの経歴を教えて下さい。

 利光 2010年に博報堂に入社し、ビジネスプロデュース職、いわゆる営業職を7年ほど経験しました。営業といっても広告業の営業は飛び込んで何かを売っていくのではなく、得意先の皆さんと一緒にどうビジネスを発展させていくかという部分のプロデュースをサポートする仕事です。

 その後は人事局の労務部に所属し、社内規定を作成したり、組合員と、どうしたら会社が良くなるのか議論を交わす窓口を担当したりしていました。その他にも「働き方改革」の一環で、社内ルールやマナー作りを主導していました。そして、今年の4月から人事部で採用リーダーとして現場チームのディレクターをしています。

 小林 2019年に博報堂DYメディアパートナーズに入社しました。2カ月弱の研修のあと、最初の配属が人事部で、入社2年目です。ですので、ちょうど3年前は大学生活を送りながら就職活動をしていました。

―― 最初の配属で人事部もあるんですね。

 利光 ありますね。人事部は学生の気持ちを考えて寄り添っていく必要があります。採用は、僕たちが一方的に採用するというよりも、相互のマッチングだと思います。採用チームは、年次は違っても一緒に議論しながら業務を推進しています。部長がいて、その次に若いのはもう僕で、あとは全員年下。平均年齢は29歳です。

―― 小林さんは具体的に就活にどう関わっているのですか。

 小林 私が面接するわけではありませんが、1年目は内定が決まった学生のフォローを中心に先輩方のサポートをしていました。今年からは、インターンシップの設計をどうするかとか、採用全体のプランニングにも積極的に関わっています。

 利光 採用とどこまで直結するか分かりませんが、会社のことをもっと分かって頂くために、学生のコミュニティーに自ら足を運んでいくこともあります。

 また、あまりイメージはないかもしれませんが「データサイエンティスト」の採用も行っています。データをデジタル領域で駆使し、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズのビジネスを拡張していく面での人材の採用です。

様々な職種集まりチームで仕事

「コロナ禍での就活は不安に感じたに違いない」と話す利光さん=東京都港区
「コロナ禍での就活は不安に感じたに違いない」と話す利光さん=東京都港区

―― 採用は博報堂と博報堂DYメディアパートナーズの合同ですね。会社の業務の違いを教えて下さい。

 利光 広告ビジネスをするという点では同じですが、向き合う方向が事業の中で少し違います。博報堂が向き合っているのは得意先企業です。年間の事業計画を考えるなど、いわゆる広告会社としてイメージしやすいものです。

 博報堂DYメディアパートナーズが向き合っているのは、主にメディア企業です。新聞社やテレビ局、デジタル系のプラットフォーマーなどと向き合い、広告枠の売買から、企画・イベントの実施など多岐にわたります。

―― それでは広告の仕事の大まかな流れを教えて下さい。

 利光 全ての業務をバケツリレー的に渡していくのではなく、チームを編成し、目的を共有して業務を推進しています。得意先と一緒にどういう風に展開していこうか検討するのが「ビジネスプロデュース」職。その戦略立案を担当するのが「ストラテジックプラナー」という、いわゆる「マーケティング」職。そして、テレビCMやグラフィック、デジタル領域の表現について作り込んでいくのが「クリエイティブ」職です。また、メディアと組んで、より広く、より立体的に立案し構築していく部分は「メディアプロデュース」職が担います。それ以外にもデータやテクノロジーを基点に起案するメンバーや、多様な職種のメンバーが一つのチームとなって業務を遂行するのも広告業ならではだと思います。

―― 採用のホームページに実際のチームが紹介されていますね。

 利光 チームには様々な職種の担当者がいて、それぞれに役割があります。チームは得意先ごとに、そして、得意先の商品ごとに作っていきます。

 チームで仕事をすることが多く、すごく大事にしている部分ですので、チームで働くことに興味があったり、色んな人たちと会うことに楽しみを感じてくれたりする人の方が我々の会社には適しているかもしれません。

―― 多くの職種がありますが、入社時に決めるのですか。

 利光 配属が決まるのは入社後です。入社してから配属までにキャリアの志向性を内定者と対話をしながら決めていきます。入社時に「これだけをやって下さいね」といっても、時代が変わればその人の領域を狭めてしまう可能性がありますから。

 小林 私も、いつかは本社系の仕事をやってみたいという話をしていたので、そこを汲み取って頂いたのかなという感じです。内定者と人事との会話は丁寧に行われています。

 利光 基本的に初任配属後の3年半は同じ部署です。同期は基本的に同じタイミングでの最初の異動になります。

 小林 私の同期は博報堂に約100人、博報堂DYメディアパートナーズに約30人います。合同採用なので、研修などは一緒でした。

▼博報堂「冬期インターンシップ」ES重要設問を解説

オンライン面接は雑談から

「自社説明会ができなかったのは残念でした」と話す小林さん=東京都港区
「自社説明会ができなかったのは残念でした」と話す小林さん=東京都港区

―― 2021年卒採用の状況についてお伺いします。

 利光 今年4~6月にかけて実施しました。ただ、コロナの影響でその直前の3月までに考えていたプランが全部変更になってしまいました。

―― 会社説明会は?

 小林 3月に、本社がある赤坂Bizタワーでの開催を予定していたのですが、全部中止になりました。毎年、各回100人くらい、計数千人規模で開催していましたが、今年はオンラインに切り替えてやりました。

 そういった環境において採用フローでは、「学生ときちんと対話する」ということを重視しました。学生もオンライン面接に切り替わって不安もあったでしょうし、そこの部分を、学生に寄り添うという「ミートアップ」と呼んでいますが、面接後にフィードバックをしたり、こういう部分を他の面接でも生かすといいよ、とアドバイスしたりすることに注力しました。

 利光 例えば面接時間が30分間だとしたら、リアルだったら学生さんがブースに入ってきて「自己紹介をお願いします」から始まります。しかしオンラインだと、いきなり始まるので僕らも緊張します。そこで、最初の数分間は面接とは別に、会話する時間を設けました。また、終わるときも「面接はここまでにします」と区切って、そこから合否にかかわらず、僕らが思ったことを率直にフィードバックし、感じたことをその場で伝えました。

―― 珍しいやり方かと思います。

 利光 面接が終わって何かもやもやしたものを残して終わると、一生引きずっちゃうこともあると思います。僕も経験があります。「あの企業のあの人、笑っていたけどどう思っていたのかな」とか、変なもやもやが続くのが気持ち悪かった。なので、お互いに思っていることを伝える場を設けました。

 僕らも手探りです。このやり方で学生側にフラストレーションが溜まるなら継続すべきではないと思って始めてみたのですが、実際内定した学生に聞くと「フィードバックをもらえてよかった」という話もあり、やってみてよかったと思っています。

 小林 こうした面接をしたことで、「結果的に博報堂/博報堂DYメディアパートナーズへの志望度が上がった」という学生も結構いたので、よかったかなと。フィードバックをしてくれる会社はあまりないと思うので。

 利光 コロナの影響で、就活中に学生さん同士が会話をする機会が減ったと聞きました。同じ境遇の学生たち同士で面接後にカフェなどで一緒に話すことも就活だったと思うんです。そのような体験が物理的になくなってしまったのであれば、企業側から積極的に対話をする姿勢を持つことがこれからは大事になるのではないかと思っています。

新たに立ち上げた「ハクスク」のページ
新たに立ち上げた「ハクスク」のページ

 小林 もちろん採用活動なので、最終的に会社に入ってもらいたいというのはありますが、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズを好きになってもらいたいという思いを採用チームでは大事にしています。そういった思いから、今年12月に「ハクスク」というメディアを立ち上げました。

(後編へ続く)

▼二次面接の注意点をキャリアコンサルタントが徹底解説

▼雑談だけして面接が終わってしまったら

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