情報感度の高さが重要 ベネッセ・北村洋子さん 前編

<第4回> 就活ナビ編集部
ベネッセコーポレーション・人財開発部採用課の北村洋子さん=東京都多摩市
ベネッセコーポレーション・人財開発部採用課の北村洋子さん=東京都多摩市

 「こどもちゃれんじ」などを手がける通信教育業界最大手のベネッセコーポレーション。グループ全体では、介護や出版、語学教育など幅広い事業を展開。本業の通信教育では中国や台湾などの海外市場にも進出するなど、まさに「チャレンジ」を続ける会社です。採用課の北村洋子さんに、ベネッセが求める人物像などを聞きました。

▼ベネッセグループ公式サイト

―― 主な事業内容を教えてください。

 ベネッセコーポレーションとしてのメインは国内教育事業です。皆さんにもなじみのある「こどもちゃれんじ」や「進研ゼミ」という個人向けビジネスで、全国で254万人(2020年10月時点)の子どもたちに利用していただいています。それと、学校や自治体など法人向けの事業があります。法人向けビジネスの代表例は学校向けに展開している進研模試で、1962年から続く歴史のあるものです。

 そのほか生活事業領域として、妊娠・出産期の保護者向け雑誌「たまごクラブ」や、育児世代向けの「ひよこクラブ」があります。また「グローバルこどもちゃれんじ事業」として、1989年に台湾で幼児講座を開講。現在は中国でも多くの方に通信教育を利用してもらっています。

多様な人材を求めて

―― ベネッセへ入社するためには教育学部の学生が有利ですか? また塾講師など教育関係の経験は採用にあたり重視されますか。

 教育学部である必要はありません。もちろん塾講師の経験も不要です。そもそも「学ぶ」という経験は誰もが持っているものです。「わかりやすくするには、どうしたらいいか」「学びたいと思わせるにはどうしたらいいか」を一緒に考えられる人を求めています。

 これまでの体験を元に新しいビジネスの企画を立てるのが仕事です。そのために私たちは、多様性が大事だと考えています。学びたいと思うきっかけや思いは人それぞれです。いろいろなバックグラウンドを持つ人が集まり、知恵を出し合って企画することで、よりよいサービスや商品ができると信じています。

小学生向け教材の「チャレンジ」(ベネッセ提供)
小学生向け教材の「チャレンジ」(ベネッセ提供)

―― 入社後のキャリアプランを教えてください。

 新卒採用はすべて総合職として採用しています。内定後に人事部門と面談のうえで、所属部門について希望を聞きます。

 主な配属先は、学校向けのコンサルティング営業や法人向け商品・サービスの企画製作。また、「進研ゼミ」などBtoCの個人向け教育商品の企画やマーケティングを担当することもあります。

 勤務地は選べません。全国転勤があり、個人向けビジネスは東京、学校向けの商品開発は岡山、東京でおこなっています。そのほかコンサルティング担当は札幌から福岡まで全国7支社に拠点があります。

【連載】働くってなんですか

裁量が大きい半面、責任も重い

■代表的な入社後のキャリアプランとして、採用課の岩崎修人さんの事例を聞きました。

 入社後に配属されたのは、進研模試を作る事業部門でした。全国の専門家の先生方と一緒に、試験問題を作っていました。学習指導要領はおよそ10年ごとに改訂されます。社会情勢によって教育現場は変化を続けています。そんななかで学校の先生方と一緒に、新しいものを作っていくのは大きなやりがいを感じました。

 一方で、物理の担当は私ひとりだけ。裁量が大きい半面、責任も重いです。上司や仲間からの支援があるとはいえ、プレッシャーはすごく感じました。もし問題や解説に間違いがあれば、何万人もの受験生に迷惑をかけてしまいます。模擬試験の実施後は、そうした指摘や問い合わせがないか緊張が絶えません。でもこうした大きな規模での仕事をできるのはベネッセならではだと感じています。

 進研模試の担当を6年。その後、昨年4月に社内の公募制度を利用して、人財開発部へ異動しました。いまは大学生への企業プロモーションや、インターンシップの企画運営、これから本格化する選考試験の準備などを担当しています。

進研模試(ベネッセ提供)
進研模試(ベネッセ提供)

面接で求める「ガクチカ」の意味とは

―― ベネッセが求める人物像を教えてください。

 10年前、20年前と比べると、ビジネスをやるときに、次のチャレンジをするために使える手段が格段に増えています。その増えている選択肢を発見し、同時並行で調べていく必要があります。そのためにも、情報感度が高い人を求めています。

 さらにたくさんの選択肢を前に悩むだけでなくて、能動的にチャレンジ出来ることが、より一層大事になっています。そのためにはバイタリティーや、分からないことでもキャッチアップしていこうという主体性も必要です。採用面接でも、そこは見ています。

 たとえば「学生時代にがんばってきたこと」(ガクチカ)で、サークルやアルバイトの経験を話す学生がいます。私たちは、一つのことの行動を聞かせてもらうことで、再現性をみています。ある出来事への関わり方や課題解決までのプロセスを聞くことで、ベネッセに入った後でも自ら課題を探し出し、解決する力がある人なのかをはかっています。

 ですので、目の前の課題がどう解決できるのか。成否を問わず学び取った経験を言語化できるかが鍵になります。

▼自己PRとガクチカの仕上げ方

―― 言語化ですか。

 ベネッセは、言葉を大切している会社です。ですので、言語化が出来る人かどうかは非常に重要な要素だと考えています。私自身、新しい企画を相手に伝えるときは、どう表現したらいいか悩みます。ときには家族に聞いてもらいながら、正しく伝わるためにはどうしたらいいかを考えることもあります。

 学生の皆さんは、採用選考の前に、自分が話したいことについて、どう説明したらいいのか考えてみてください。話したい内容について、一般化できるかがミソです。自分が考えていること、語ろうとした内容が、初めて聞いた人でも分かる内容なのか確認したほうがいいと思います。

 ぜひ自分の殻に閉じこもらずに、大学のキャリアセンターなどを活用し、自分の考えを伝える練習をしてください。保護者の方に聞いてもらうのもいいかもしれません。

(後編へ続く)

この記事をシェア