就活直前! 企業がエントリーシートで聞きたいコト

文 近畿大学キャリアセンター課長代理 坂野裕一
takasuu(Getty Images)
takasuu(Getty Images)

 間もなくスタートする就職活動の本番に向け、就活の準備を進めている方も多いことでしょう。そんな中、選考試験の最初の難関であるエントリーシートの内容に頭を悩ませている人も少なくないはずです。

 エントリーシートでよく聞かれる質問は、「自己PR」「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」「志望動機」です。本選考を目前に控えたこの時期は、この3項目に関する質問が一番多いです。

ガクチカが思いつかない、そんなときは?

 「学生時代は飲食店でのアルバイトに明け暮れ、たいしたことをしてこなかったので自己PRやガクチカに何も書くことが思い浮かばない」という相談を受けたことがあります。学生の皆さんは、「全国大会に出場した」「コンクールで表彰された」「サークルで代表をしていた」など、エピソードにすごみがないと評価されないのではないかと思いがちです。

 しかし、企業の人が聞きたいことは、経験のインパクトの「強さ」ではなく「深さ」です。私はこの学生に、「なぜそのアルバイトをしようと思ったの?」「辛い時にどうやって乗り越えたの?」と、いくつも質問をぶつけました。そして返ってきた答えに、さらに「なぜ?」、「どのように?」と問いかけ、行動の理由や内容、感じたことをできるだけ具体的に聞くようにしました。

 私は話してくれた内容を言語化して学生に見せ、「話してくれた内容を書き出してみたけど、あなたの頑張りがすごく理解できました。この経験を素直に文章にしてみたらどう?」と伝えました。本人は私に話をしたことで自分の経験を掘り起こすことができ、見えていなかった自分に気づくことができたようで、自分の考えや具体的なエピソード、その経験から学んだ気づきなどを盛り込んだ文章を仕上げることができました。

【連載】締め切り3日前でも間に合うES術

エントリーシートは「自慢」をする場ではない

 アウトプットこそが最大のインプットと言われることもありますが、人に話をすることで、見えていない『自分』に気づくことはよくあります。自己分析をして自分のことを理解しないといけない、これはもっともなことです。しかし、それだけでは行きづまってしまいがちです。

 エントリーシートは自分の「自慢」をするものではなく、企業の方にあなたという人間を「理解」してもらうためのものです。いわば、企業に、あなたの「分身」を見せるようなものです。企業の方がエントリーシートに書かれた文章を見て、「この人に会いたい」「この人の話を聞いてみたい」と思ってもらえるかがポイントです。

 そのためにも、就職活動が始まる前のこの時期に、アウトプットをすることはとても大切です。他人に聞いてもらうことで、エントリーシートの内容が相手に伝わるか確かめることができます。

 そんな時に利用してほしいのがキャリアセンターです。キャリアセンターでは、経験豊富なスタッフが、一人の社会人として、おのおのの状況に応じた的確なアドバイスをしてくれます。

 エントリーシートに何を書いていいかわからない、エントリーシートの内容が相手に伝わるか確かめたいという人は、ぜひキャリアセンターに相談し、客観的なアドバイスをもらって納得いくエントリーシートを仕上げてください。

▼ガクチカで大事なのは「プロセス」

▼博報堂が作った学生向けコミュニケーションサロンとは

この記事をシェア