どうなる22卒の採用動向 就活のプロが徹底解説

文 中央大学キャリアセンターキャリア支援課 北澤智子
takasuu(Getty Images)
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 3月1日に、22卒の就職活動が解禁されました。コロナ感染拡大の影響で、企業の採用方針はどうなるのか。22卒の就活動向について解説していきたいと思います。

コロナの感染拡大が採用活動にも影響

 まずは採用人数の動向です。業種ごとに増減は異なるものの、年明けからの株価上昇や新型コロナウイルスワクチン接種への期待から、上場企業においては業績を上方修正する企業も見受けられるなど、企業活動は好調です。そのため、上場企業全体から寄せられる求人数は、ほぼ例年並みの採用数となる見込みです。

 しかし、業種ごとに詳しく見てみると、新型コロナによる業績への影響が高い業種で採用人数の増減が大きく異なります。

 全日本空輸(ANA)およびANAグループ各社や、JTB、JR九州が採用見送りを決めるなど、「飲食・宿泊業」や「サービス業」「運輸業」などでは、採用数の減少が目立ちます。また「卸・小売業」では企業規模で増減が異なり、伊藤忠商事や住友商事は例年並みですが、青山商事は半数減、JALUXは事務職の採用を見送り職種を限定しての採用を実施するなど、全体では減少傾向といえるでしょう。

 一方で増加となったのが、「情報通信業」「福祉業」「物流業」です。「情報通信業」では、日本エンタープライズは2倍、テクマトリックスは技術職を3割増やす計画で、「物流業」では、上組が2.5倍の採用を見込んでおり、いずれもコロナ禍での需要の大きい業種が増加となりました。

 また各企業が求める「人材像」を分析すると、厳選採用が予想されている今年の特徴としてそれぞれの業種ごとの特徴を挙げた上で、会社のビジョンやミッションへの深い理解と共感、多様性の追求を挙げている企業が増えています。

 昨年より選考方法の主流となっているオンライン面接では、ロジカルシンキング(論理的思考)と言語化能力が評価される傾向があります。深い企業研究と、普段から、思考や感情を整理してアウトプットすることを心掛けてみましょう。

▼オンライン採用選考 企業はこんなところを見ている

 そのためにも、情報整理のための基本フレームワーク5W1H思考も有効です。5W1Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が・を)、What(何が・を)、Why(なぜ)、How(どのように)を指し示す言葉です。この5W1Hを意識し文章を構成することで、伝えたい情報の趣旨が明確になり、かつ過不足なく伝えることができます。

 さらに、20年後、30年後の明確なロールモデルやキャリアプランを持つことで、なぜこの会社で働きたいか、この会社だからこそ達成できる仕事や業務内容についても明確化することができます。ぜひOBOG訪問や志望している企業に関連する著書などを読み、企業への理解と意欲を追究していただきたいと思います。

▼就活解禁!プレエントリー50社めざせ

採用スケジュールが多様化、確認を怠らずに!

 22卒の新卒採用で見られる傾向の一つに、採用スケジュールの「多様化」があります。

 各社が自社ホームページで採用情報を公示する「通年採用」、インターンシップ参加者への「早期選考」など、業種や企業ごとに採用スケジュールが異なっています。外資系企業やコンサルタント、一部の情報通信企業においては、3年生の9月以降から本採用が始まっている企業もあり、既に内定(内々定)を得ている学生も少なくありません。

 また、大手銀行が新卒採用の時期の分散化を始めました。新生銀行は今まで春だけで行われていた選考を年6回に増やし、入行時期を春と秋に拡大。りそなホールディングスやみずほフィナンシャルグループは通年で選考活動を行います。

 スケジュールが多様化することで、学生の皆さんには、より多くの業種や企業へ挑戦することが可能となるでしょう。3月に本格化した就職活動ですが、希望する企業や業種の採用スケジュールについても例年との変化がある場合があります。最新の採用情報などは各大学のキャリアセンターでまとめて閲覧することができます。情報収集を怠ることなく、就職活動に励んでください。

▼就活成功のカギは「情報の取捨選択」

 

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