【アナウンサーに内定】 内定者インタビュー「一度諦めたアナの夢。最後の挑戦で、アナウンサーに内定」

<第67回> インタビュー 国家資格キャリアコンサルタント 篠原真喜子

アナウンサーを目指し、4度目の挑戦で学生キャスターに合格した藤原優紀さんでしたが、視聴者の心無いコメントに悩み、アナ受験を一度は諦めました。それでも、「ここだけは!」と思っていたテレビ局は受験することを決め、一般企業を中心にした就活にシフトしたそう。結果は……? 紆余(うよ)曲折あった就活を振り返ってもらいました。

藤原優紀さん
社会科学部社会科学科。受験業界はテレビ(アナウンサー)、大学法人、金融、商社など。本選考は45社受験。内定先はテレビ1社、生命保険3社の計4社。

内定までの流れ

3年4月
アナウンススクールへ。夏インターンに向けてES作成と新聞購読を開始。
3年6月
キー局夏のインターンは全滅。アナ就活の山場といわれる3年夏をやるせない気持ちで過ごす。
3年9月
学生キャスターに合格! が、キャスター業を経験し、人前に出る仕事は向いていないかもと悩む。
3年1月
かなり悩んだ末、アナ就活をいったん辞めることに。アナ就活から離れたことで、「就活の軸」が見えてくる。
3年3月
新型コロナウイルスの影響で、就活が大混乱‼ 1社落ちたら1社ESを出す! の精神でESを出し続ける。
4年5月
面接ピーク。企業ごとに「想定問答集」を作り対策。生保3社から内定。
4年6月
ついに第一志望のテレビ局選考が開始。アナ試験は半年ぶり。戸惑いつつも出来る準備は全てして面接に挑む。念願かなってアナ内定!

3年夏にはもう山場。インターンすら狭き門

―― 藤原さんと出会ったのは大学3年の春でしたね。アナ内定までに色々ありました。

大学3年の春、アナウンススクールで、篠原さんの講義を受けました。内定者のESなどを見せてもらったのですが、私が書いているESと全然違う。このままではダメだ! と焦りました。アナ試験は、スタートがすごく早いんです。大学3年の夏に各局がインターンを開催し、これがアナ試験の登竜門といわれています。インターンに参加するには、ESや自己PR動画選考があり、ESには「はじける笑顔」「真剣な表情」「全身写真」など様々なパターンの写真が必要。母に何百枚も写真を撮ってもらい、準備をしました。

―― アナ試験の最初の関門は、夏のインターンですよね。結果は、どうでした?

キー局のインターンは、ESで全部落ちてしまって。かなり落ち込みました。地方局などのインターンには参加できたのですが、上級セミナーには進めず……。アナ就活の山場と言われる3年の夏は、やるせない気持ちで過ごしました。

学生キャスターの経験は、就活の進め方をじっくり考える機会になったそう ※本人提供
学生キャスターの経験は、就活の進め方をじっくり考える機会になったそう ※本人提供

悩んだ末、アナ受験を中断。一般企業へシフト

―― アナの夏インターンは、いい結果を残せなかったけれど……。その後の就活はどうでした?

大学3年の秋、学生キャスターのオーディションに合格したんです。4度目のチャレンジだったので、本当にうれしかったです。でも、実際にキャスターの仕事を経験したことで壁にぶち当たりました。視聴者から嫌なコメントをされることがあり、仕事のスキルより、女性としての容姿や立ち居振る舞いが評価される生活は精神的に辛いかもしれない、私には人前に出る仕事は向いてかもしれないと悩みました。
悩んで悩んで、家族とも話し合って、アナ受験をやめることにしました。もう諦めようと。もともとテレビ局の中で第一志望だった局だけ、最後にそこだけは受けると決め、もう一度志望業界から見直すことにしたんです。

―― よく決断しましたね。

改めて、人生において何を大事にしたいか真剣に考えました。その結果、「人の役に立てること」や「自分の生活や家庭も大事にできること」という就活の軸が見えてきたので、大学法人や総合商社の一般職、生命保険にも視野を広げて。これが、ちょうど大学3年の2月ごろです。ですが、さぁ、就活を仕切り直し! と思った頃に新型コロナウイルスがはやり出したんです。

―― 説明会が中止になったり、採用を一時中断する会社が出てきたり、例年通りにはいかないことが多く大変でしたよね?

ちょっと偉そうな言い方かもしれませんが、2021卒の就活では、その企業が「人を大切にしているか」「柔軟かつ迅速な対応ができるか」が浮き彫りになったように感じました。すぐにオンラインに切り替えて説明会や座談会を何度も開催してくれた企業はすごく好印象でしたが、緊急事態宣言中も学生を呼び出して面接を続けていた企業やオンライン面接への切り替えに時間がかかっていた会社は、入社した後が心配だなと思いました。

コロナ禍でいいこともありました。面接がオンラインになったので移動時間がなくなり、面接をたくさん受けられました。内定をもらえるか不安で、このころは1社落ちたら1社ESを出すようにしていたんです。全部で45社受け、家族や友人に受けすぎ! と言われましたが、私にはこれがよかった。物おじせず面接担当者と話せるようになりました。

最後にここだけは、と決めた局のアナ試験がスタート

―― そして、ついに本命の試験を迎えるわけですね。

内定したテレビ局は、6月に面接がスタートしました。アナ就活とは半年ほど距離を置いていましたが、手が抜けない性格で、一般企業の試験を受けながら準備を進めて、企業研究と想定問答をまとめたワードは2万字以上になりました。出来上がったワードを見て「あぁ、私こんなにこの局に入りたいんだ」って。私、アナ志望でしたが、言葉スラスラ出てくるタイプではないんです。面接で自然に話せるように自宅でビデオを撮って何度も練習しました。

面接は何度かあったのですが、必ず前日には朝日新聞デジタルで気になるニュースをチェックしました。マイノリティーの方の声を社会に発信したいという思いがあったので、日本で暮らす外国人(労働者、留学生)やLGBTなどのキーワードで過去記事検索をして、記事を読み込み、自分の言葉で伝えられるように準備しました。

―― 横で見ていて、これは受かりそう! と思っていました。一度、アナ就活から離れたことがプラスに働いているようでした。でも、本当にアナ試験から離れていたからバタバタでした(笑)。

カメラテストが対面であったのですが、久しぶりのリアル面接で。急いでブラウスと新しいコスメを買いに行きました。カメラテストの出番直前までマスクをつけているので、崩れにくいファンデーションとリップを買わなきゃ! って、もう大慌て(笑)。

カメラテストに合格すると、残りの人数が少なくなっているのを感じて「大変なところまで来てしまった」と少し怖くなったのを覚えています。そして、いよいよ最終面接。ニュースについて質問があって、しかも3つも! 必死に話すのですが、緊張のあまり落ち着いて話せず、面接担当者の反応もイマイチ……。確実に落ちたと思いました。でも、やるだけやったし、これでダメならもう悔いはないと、どこかほっとした気持ちで帰宅したのを覚えています。

―― 結果は、藤原さんの予想とちがって内定!! よかったですね~。

内定のお電話をいただいたときは、驚きすぎて喜びの言葉が出てこず、逆に人事の方に心配されてしまいました。正直、「私で務まるのだろうか」という戸惑いの方が大きくて。家族も泣いて喜んでくれましたし、篠原さんにもお電話したら、「よかったね、よく頑張ったね。」と言ってもらえて。じわじわと喜びの気持ちが沸いてきました。紆余(うよ)曲折ありましたが、結局スタート地点に戻りました。今は、素敵な同期とも出会えて、どんな仕事ができるかとても楽しみです。

就活グッズ。ES用の写真は数百枚撮影した中から厳選したそう ※本人提供
就活グッズ。ES用の写真は数百枚撮影した中から厳選したそう ※本人提供

順調な就活? いえいえ、失敗談もたくさん

―― 話を聞いていると、順調に就活が進んでいるようにも思えますが、たくさん失敗しましたよね。今だから言える話や失敗談を聞きたいです!

ある会社の面接で、社長の名前を聞かれたんです。読み方まで確認しておらず、一か八かで回答しました。「なるほどね」と冷たく言われて、結果はお祈りメール。以降は、社長の名前をフリガナ付きで付箋(ふせん)に書いて、パソコンに貼って面接を受けていました!

―― オンライン面接ならではの、失敗談はありますか?

自宅がピアノ教室のため、ウェブ面接中に何度もインターホンが鳴って集中力が切れてしまったことがありました。あとは、面接中に両親が部屋の前でおしゃべりを始めてしまい、面接担当者に聞こえやしないかとヒヤヒヤしたことも。それからは部屋のドアに「面接中!!」と貼り紙をしました。家族の協力ってすごく大事です!

―― 自宅で面接を受けるから家族の協力が欠かせないです。オンライン面接時に、印象を良くするポイントも聞きたいです!

カメラの位置を徹底的に研究しました! あと、光ですね。窓際でカーテンを開け、パソコンの下に空き箱を重ねて一番写りが良く見える角度を探しました。目線も大事です。画面上の面接担当者を見るのではなく、カメラ向かって話すことで目線が合っていると相手は感じるのですが、これが結構難しい。慣れるまでは大変でした。

―― 他に、これをやってよかったと思うことはありますか?

就活を機に新聞も読み始めました。私、恥ずかしながらあまり新聞を読む習慣がなかったんですが、就活には必須だと思ったのでぜひ皆さんにもおススメしたいです。まず朝ご飯を食べながら「天声人語」を読む習慣をつけました。一見関係性のない二つの話題が、最後にしっかり絡まったりする文章構成がとても面白く、参考にしたい表現や語彙(ごい)をたくさん学べました。

あとは面接前に企業名で記事を検索することですね。その企業がコロナ禍でどんな取り組みをしているかなどを調べ、面接で話す時は、「新聞で拝見しましたが~」と付け加えて「この子は良く調べてくれているな」という印象を面接担当者に持ってもらえるようにしました。

―― 素晴らしいです。感激です!

「声」「ひと」欄も好きです! コラム「Media Times」も欠かさず読んでいました。現代メディアが抱える問題について書かれているので、マスコミを目指す人にはとても参考になると思います。

―― 努力が実って、本当によかったです‼

就活を振り返ると、受験とは違い努力ではどうにもならないことも多く、苦しい1年でした。でも、妥協せず色んな企業にチャレンジしてよかったです。後輩の皆さんも、どんな結果になっても後悔しない就活をしてほしいです!

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

この記事をシェア