【商社に内定】 内定者インタビュー「ANA・JAL採用中断に大ショック! を乗り越え、商社内定」

<第68回> インタビュー 国家資格キャリアコンサルタント 篠原真喜子

客室乗務員を目指し、大学3年の春からエアライン講座に参加するなど、航空業界への内定に向けて頑張っていた高橋佑実さん。ところが、新型コロナウイルスの影響でANAもJALも採用が中止に。「こんなに準備してきたのにスタートラインにも立てないのか」。悔しい思いがあふれて、大泣きしたこともあったといいます。それでも、何とか気持ちを切り替え、視野を広げて企業探しをすると、素敵な会社と出会いが! コロナに翻弄(ほんろう)されつつも納得のいく内定を勝ち取った高橋さんの歩みを、伺いました。

高橋佑実さん
国際学部国際学科。受験業界は航空、商社、ホテル、人材、IT、不動産など。本選考は28社受験。内定先は専門商社(総合職)のほか、IT、不動産、人材の計4社。

内定までの流れ

3年5月
夏インターンシップの合同説明会に参加し、就活を意識。
3年8月
学内のエアライン講座に参加。TOEIC点数アップを目指し英語対策に力を入れる。
3年9月
朝日就職フェア(エアラインセミナー)に参加。CA内定者の話を聞き、「受かる人はすごく努力している! 私もやれることはすべてやって、絶対にCAになる!」と決意。
3年秋~冬
複数企業のインターンに参加。実際に参加することで自分に合う・合わない企業が見えてくる。客室乗務員インターンにも参加。
3年3月
コロナの影響で就活が一時中断するが、エアライン採用に向け、面接練習を続ける。
4年5月
ANA・JALが採用中断を発表し、大ショック! 気持ちを切り替え、新たな志望企業探しをスタート。
4年6月
ESをブラッシュアップさせ、企業研究・面接対策にも気合を入れる。商社に内定!

コロナ禍でも内定4社 勝因はインターンからの…

―― 内定おめでとうございます! 就活を振り返っていかがですか? 就活スタートから順を追って教えてください。

幼い頃からエアライン業界に憧れていて。周りの友人よりだいぶ早く、大学3年の4月から就活を始めました。ただ、せっかく就活するのだから色々な業界を見ようと、ANAとJALのインターンシップに加えて、商社、人材、不動産、ホテル、ブライダル、飲食、IT、コンサルなど30社以上のインターンに参加しました。

―― インターン30社! ずいぶんたくさん参加しましたね。

私、あまり社会のことを知らないなという思いがあったんですよね。なので、早くから色々な会社を見ようと思って。初めのころは片っ端から参加していました。実際に参加したからこそ分かることがたくさんあり、なによりインターンから早期選考に呼んでもらうことも多くあったので、参加してよかったです!

実は、最終的に4社内定をいただいたいのですが、2社は秋冬インターンからの内定です。これからインターンに参加する方には、内定者候補になるつもりで参加するといいよ、と伝えたいです。

―― 高橋さんたち2021年卒の学生は、就活でも新型コロナウイルスの影響を受けましたよね。エアライン志望だった学生は、特に大変だったと思います。

就活解禁直後の2020年3月、コロナの影響が色濃くなり就活が一時ストップしました。このころは、まさかエアラインの採用がなくなるとは思っていなくて。「早く準備していて良かった。自粛期間中は、ANAとJALのESにじっくり取り組める」と、前向きな気持ちでさえいたんです。でも、GW明けにANAから採用中断のお知らせが来て、5月末には、恐れていたJALの採用中断も発表されて。もう、あの時は放心状態でした。JALは採用があると信じて準備をしていたので……。

―― ANAが採用中断の発表をしたその日に、JALからは「予定通りのスケジュールで採用活動を行えるよう準備をしている」という内容のメールが来ていたんですよね。だから、多くの就活生は「ANAはだめでもJALはある!」と思って対策を進めていました。

そうなんです(涙)。ステイホーム期間中で時間があったので、「ANAの採用がないならその分JAL対策を!」と思って、本当に毎日、週6ペースでエアライン講座の友人たちとZoomで面接練習をしていました。それなのに、JALも採用中断を発表。直後は悲しい気持ちからは目を背け、まだ募集をしている一般企業を探してはエントリーしていきました。企業の採用ページなどを見て調べて、なんとかESを書くのですが、届くのはお祈りメールばかり……。心が折れてしまいました。なんにもしたくなくて、涙でも出てこない。そんな状態でした。

大泣き! 第一志望が採用中断。どうやって乗り越えた?

―― 辛かったですよね。どうやって気持ちを切り替えていったのですか?

封印していたマイナスな感情に向き合うことにしました。大泣きしながら姉に話を聞いてもらって、心の中にある気持ちを全部出し切りました。そしたら、すっきりして(笑)。そこからは、条件の良い会社を探して15社一気にエントリーしました!

―― すごい! 危機が訪れた時に前向きに転換できる、この力はどの仕事でも評価されますよ!

就活をしていて、すごく大事だなと思ったことがあるんです。去年、朝日新聞社のエアラインセミナーで内定者の先輩から聞いていつも心に留めていたのが、「やる、やらない、で迷ったらやるを選択する」という言葉です。就活中、これやった方がいいかな、と迷ったときはこの言葉を思い出して「やる」を選ぶようにしました。楽な方に逃げたくなることもありましたけど、「ダメダメ! 将来がかかっているから」って自分に言い聞かせて!

―― その通りです。「やらない」という小さなマイナスを積み重ねた人、「やる」というプラスを積み上げた人、その小さな差が後々大きな差になっていくと、私も学生たちを見て感じています。

エアライン講座の仲間たちと。スタジオを借りてANA一次選考用の自己PR動画の撮影をした。一番左が高橋さん
エアライン講座の仲間たちと。スタジオを借りてANA一次選考用の自己PR動画の撮影をした。一番左が高橋さん

会社選びの軸と、面接で差をつける方法!

―― エアラインの採用がなくなってしまった後、どうやって受験する会社を見つけて行ったのですか?

「会社選びで譲れない条件」を決めました! 私の軸は3つあって、①人や社会の役に立てる仕事 ②アルバイトではできない仕事 ③手取り20万円以上です。この条件に沿って、就活サイトで調べたり、先輩に話を聞いたりしているうち、商社の魅力に気づいたんです。海外との接点も多く、得意の英語も生かせます。しかも、内定をいただいた商社は福利厚生なども整っていて。調べれば調べるほどその会社が好きになり、ここで働きたい! という気持ちが強くなりました。

―― 受ける会社が決まったら、まずはESですよね。お祈りメールがたくさん来て、心が折れたと言っていましたよね。

今だからわかるのですが、ESで落ちてしまったのは、企業研究が足りなかったからだと思います。それに気づいてからは、会社のホームページを隅から隅まで読み込んで、中期経営計画やCSR報告書、プレスリリースもチェックしました。でも、やる気のある就活生ならこのくらいはやっていると思うんです。私は有名大学ではないですし、なんとか他の就活生と差をつけたいと思って。それで思いついたのが新聞です!

―― 新聞で差をつける! いいですね。もう少し詳しく聞きたいです。

面接前の志望企業の記事チェックは、絶対やった方がいいです。朝日新聞デジタルで検索すればすぐに出てくるので簡単。私は、企業名、ライバル企業名、商品名、社長の名前で検索していました。

あとは、「最近気になるニュースはなんですか?」という質問の対策に新聞を活用することです。内定をいただいたIT企業の最終面接でも「ITについて何か気になるニュースある?」という質問を受けました。恐らくですが、私の見た目が、前髪を斜めに流してシニヨンというエアライン志望に多いスタイルだったので、面接担当者の方が「あれ? IT志望っぽくないな」と感じて、ちゃんとIT志望業界のことを理解しているか確認したかったのかもしれません(笑)。

―― ちゃんと答えられました?

面接前に新聞記事をチェックしていたので、きちんと答えられました! 具体的には、「簡単に身に付けられる端末を使って、建設現場で働く人の労働負荷をリアルタイムで計測して、安全性の向上に活用している」という記事を上げ、「ITは人の命も救うことができると知り、ITの重要性や可能性を知りました」とお話ししました。すると、面接担当者は「ほうほう」という感じで、これが内定につながったと思います! 新聞を読んでいる学生はあまり多くないので、いい意味で目立てたかな、と。

実際に最終面接で「気になるニュース」として挙げた記事 ※本人提供
実際に最終面接で「気になるニュース」として挙げた記事 ※本人提供

―― すごい! 面接担当者は、「この学生はちゃんと新聞を読んでいるんだ」と感心したと思いますよ!

朝日新聞デジタルにはスクラップ&メモの機能があるので、記事を読んだら一言メモを書くようにしていたんです。1~2分で、ちゃちゃっと。というのも、「気になるニュースは?」と聞かれた時、こんな記事を読みました、と言うだけではダメで、ニュースについて自分が考えたことや感じたことを話せないといけないと思ったからです。私、その場ですぐ言葉が出てくるタイプではないので、一言メモを書く習慣をつけて、面接でしっかり話せるように準備しました。

―― ニュースについて自分の考えを持つようにするって、とても大事です!

今でこそ自分なりの新聞活用法が見つかりましたが、最初は苦労しました。でも、そこはやる、やらない、で迷ったらやるの精神で! コロナの影響で以前より圧倒的に家にいる時間が増え、就活もオンライン中心なので時間的な余裕もできたと思うんです。そんな時、ついYouTubeとかネットフリックスを見たくなってしまうのですが(笑)「ネトフリ見るなら新聞読もう!」って決めて、頑張りました。

―― 「ネトフリより新聞!」いいですね。

私、自分のお金で朝日新聞デジタルを申し込んでいたんです。せっかくやるなら自分でお金を払おうって決めて。毎月引き落とされる2000円を見て「読みましたか?」ってリマインドされている感じがして(笑)。「やばい、読まなきゃ」って。

―― 自分でお金を払うと、もったいないからちゃんと読もうという気持ちになりますよね。最後にメッセージをお願いします!

就活を始めたころは何から手をつけたら良いかわからず、就活を高い壁のように考えていました。しかし、行動していれば自分なりのやり方が見えてきます。1つ1つ自分で体験し学習していくことで、高かったはずの就活の壁もいつの間にか乗り越えられる壁のように感じられるはずです! 私も頑張りますので、みなさんも一緒に頑張りましょう!!

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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