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被災地の子と一緒にミュージカル 8月に徳島・阿南公演

2011年6月20日0時36分

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 徳島県阿南市の市民劇団「夢創(ゆめつくり)」が、東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市の演劇塾「うを座」との合同ミュージカルを、8月28日に阿南市内で上演する。両劇団とも子どもがメンバーの中心で、以前から交流があったことから、被災した子どもを元気づけたいと、「夢創」が企画した。

 上演するのは、「うを座」が2000年に初演したオリジナルミュージカル「夢つむぎの詩(うた)」。山奥の分校に海辺の街から転校してきた少女が主人公で、地元の子どもとの交流を通じて、歌の素晴らしさ、夢を信じ続けることの大切さを伝える物語だ。

 両劇団とも、徳島市出身の振付家・鎌田真由美さんが振り付けを担当している縁もあり、約7年前から交流を続けてきた。05年と06年には「夢創」が「夢つむぎの詩」を上演し、うち05年は「うを座」の劇団員だった男子中学生1人が友情出演したこともある。

 今回の合同ミュージカルは、被災した子どもに夢と希望を与えたいと、「夢創」のメンバーが呼びかけて実現した。現時点では「うを座」から劇団員7人を招き、「夢創」の24人と共演する予定。両劇団ともメンバーの大半が小中高生で、「うを座」の保護者らにもスタッフを務めてもらうという。

 「うを座」の伊藤毅浩事務局長(48)によると、大震災では劇団員は全員無事だったが、楽譜や音源のCDは、ほとんどが津波で流されてしまった。また、練習場所にしていた公民館は避難所として使われ、今年8月に予定していた公演も中止となっていた。

 それだけに「阿南の公演が子どもの目標になる。大変ありがたい」という。今後、被害が小さかった地域の集会所や自治会館を探し、練習するという。「夢創」の片山毅事務局長(58)は「気仙沼の子どもはいつまでも沈んでいないはず。舞台から全国に元気を発信してほしい」と話す。

 阿南市富岡町北通の市民会館大ホールで。定員1千人。入場料は大人1500円、子ども1千円。これにそれぞれ1席500円を上乗せした指定席の「チャリティーシート」を設け、指定席の売上金を「うを座」への支援金とする。当日は2回上演。問い合わせは「夢創」の片山事務局長(090・8282・8989)へ。(関謙次)

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