東京都の千代田区役所では午後7時50分ごろ、1階ロビーと、2階の一部に青いビニールシートを敷き、帰宅困難になった人々を受け入れた。緊急時のために備蓄してあったペットボトルのミネラルウオーターと乾パンを、職員が「1人ひとつずつでお願いします」と配った。区役所は一晩中、帰宅難民を受け入れる方針で、午後8時半現在で約200人が訪れたという。
川崎市の会社員、沈相八(しむ・さんぱる)さん(30)は「午後5時ごろに、帰宅をあきらめました。ここは暖房がきいているだけ、まだありがたい。明日が土曜日で仕事がないのがせめてもの救いです」と疲れ切った様子。女性会社員(34)は、JR飯田橋駅近くで4時間ほどタクシーをつかまえようとしたがあきらめ、同僚の女性2人とともに区役所に来た。「3人ともさいたま市方面に自宅があるので、タクシーで相乗りして帰ろうと思ったのですが……。今晩は雑魚寝です」とあきらめ顔だった。
墨田区は帰宅困難者や自宅で不安がある人に向けて区内の全小学校を、世田谷区も区民センターなどを支援施設として開放。葛飾区も小中学校を避難所に、豊島区は小学校2校を救援センターとして開設していると、それぞれホームページで発表した。