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計画停電二転三転、企業は大混乱「手打てぬ」「頭痛い」

2011年3月14日22時34分

写真拡大節電のため照明を落としたソニービル。数寄屋橋交差点を渡る歩行者の数も、普段に比べて少なかった=14日午後7時21分、東京・銀座、上田潤撮影

 「計画停電」が行われた14日、停電が発生した地域の工場や店舗の一部では対応に追われた。停電に向けた準備をしていたのに、実際には停電は起きず、振り回された例もある。東京電力の二転三転する説明のまずさが混乱に拍車をかけた。

 この日、計画停電が実施された「第5グループ」に入っている千葉県銚子市。市内のあるコンビニエンスストアでは、午後5時ごろに電気が切れたため、本社の方針に沿って、自家発電を使って営業を続けようとした。

 だが、自家発電でもったのは10分程度。再び電気がつくまでの約1時間半、営業を休止せざるをえなかった。その間、店員は冷凍庫のアイスクリームが溶けないようドライアイスを入れてふたをするなどして、何とかしのいだ。

 第5グループでも、すべての地域で計画停電が行われたわけではない。企業には東電から詳しい場所の連絡がなかったため、無駄な労力が費やされた例も多い。

 茨城県神栖市のダイキン工業鹿島製作所は11日の震災で操業を停止。いまは高圧ガスの圧力を監視する機器のためだけに電力を使っている。この地区は当初、14日午後3時20分から停電する計画で、同製作所ではそれに先立ち、午後2時半から自家発電機を運転した。ところが、午後7時すぎに確認したところ、停電していなかったことが判明した。担当者は「非常時のときに、自家発電の燃料や労力を無駄にしたくなかった」。

 山梨県大月市のNEC山梨も午後3時に工場内の機械の電源を落とした。だが、いつになっても停電は始まらない。東電側に問い合わせたところ、午後4時に停電しないことが確認でき、その後、機械を再立ち上げすることに。「前後合わせて4時間以上のロス。これが毎日続くかと思うと、頭が痛い」(水戸郁夫社長)。

 神奈川県愛川町に工場がある自動車・電機部品製造のニッパツは午後1時半、自主的に工場の電源を切った。東電は当初午後1時50分以降に停電が始まるとしていたが、その後、午後3時20分以降に変更すると連絡があった。急な停電は受電装置やコンピューターが故障しかねず、午後の操業を見送った。

 同じように午後の作業を切り上げた同町の部品加工会社「大器機械」の川合章夫社長は「停電そのものはやむを得ないが、早めに停電の時間を確定してもらわないと手が打てない」と、東電の対応に不満をもらした。

 百貨店の高島屋やそごう・西武は14日、首都圏の複数の店舗を臨時に休業した。計画停電のあおりで早朝から鉄道網などが乱れ、従業員が出勤できなかったことが主な理由だ。大手家電量販店や外食チェーン店も休業したところも少なくない。

 神奈川県海老名市にある研究開発拠点などが停電対象となったリコー。停電に応じて柔軟に操業する方針を決めていたが、出勤できたのは社員の1割以下の約300人。結局、停電が見込まれる前の午後3時には社員を帰宅させる羽目になった。

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