2011年4月28日6時17分
東日本大震災の発生後、全国の小中高校で英語などを教えるJETプログラムの外国語指導助手(ALT)200人以上が一時帰国などの形で避難し、44人が退職していたことが、財団法人・自治体国際化協会(東京都)の調査で明らかになった。
JETは自治体が国際交流や外国語教育のために実施。原則1〜3年の契約で来日している全国の指導助手約4千人を調べた。
都道府県から15日までに届いた回答によると、北は北海道、西は徳島県まで23都道府県の計215人が国内外に避難。一時帰国したケースが7割を占め、契約途中で退職した指導助手も44人いた。4月の新学期開始後に日本に戻った人もいるとみられる。
避難者が最も多かったのは原発事故のあった福島県の73人で、約半数が国内外に避難した。次は宮城県の35人。米国やカナダ、英国など主な出身国は一定地域に住む自国民を対象に避難を勧告している。一方、本国の避難勧告の対象地域で指導を続ける人も多く、被災地でボランティア活動をしている人もいるという。
福島県では指導助手が不在の場合、日本人教師だけで授業を続けている。一時帰国した指導助手に日本に戻る意思を確認中で、不足が長引く場合は改めて対応を検討する。
JETで来日した指導助手のうち、米国人2人が宮城県石巻市と岩手県陸前高田市で犠牲になった。JET以外にも自治体の直接雇用や民間企業からの派遣で働く指導助手が数千人規模で滞在しており、実際に一時避難した人はさらに多いとみられる。(大島隆)