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帰宅困難者はビルに泊まって…都が大災害時の対応見直し

2011年6月14日15時2分

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写真:帰宅できず、開放された青山学院の講堂に集まった人たち=3月11日、東京都渋谷区拡大帰宅できず、開放された青山学院の講堂に集まった人たち=3月11日、東京都渋谷区

写真:公共交通機関が止まり、歩いて帰宅する人たち=3月11日夜、東京都江戸川区拡大公共交通機関が止まり、歩いて帰宅する人たち=3月11日夜、東京都江戸川区

 大災害時の帰宅困難者への対応方針を、東京都が見直すことを決めた。帰宅を促すのではなく、安全に帰れるまで都心のビルなどに宿泊できる態勢を整える。東日本大震災で大量の帰宅困難者が生まれ、従来の対策では対応できないことが明らかになったからだ。

 大震災があった3月11日夜、新宿の都庁舎には約5千人があふれた。都職員らは庁内の段ボールをかき集めて寝床代わりに配布。急きょ開放した約250の都立学校でも、生徒や教職員用に備えていた毛布や食料を配った。

 民間調査会社の推計では、この日都内で帰れなかったのは約300万人。多くは会社や知人宅などで夜を明かしたとみられるが、都によると、このうち約9万4千人が学校やホールなど1030の公共施設に泊まった。「これほど多くの帰宅困難者が公共施設を頼ってきたのは想定外」。都の担当者は振り返る。

 大災害時の都のこれまでの基本方針は、「自力で帰ることを支援する」。帰路の途中、水が無料で飲めたりトイレが使えたりできるよう、コンビニエンスストアなど約8300店舗と協定を締結。勤務先からの帰宅訓練や、経路が分かる地図の作製を「心得10カ条」としてホームページで周知させるなどしてきた。

 一方で、「都心にとどまる」ための対策は、ほとんど講じてこなかった。

 渋谷や品川など八つの主要駅周辺ではホテルや大学などが宿泊できるようにする仕組みがあったが、これでは絶対数が足りない。「災害時、行政は負傷者救出やインフラ復旧に追われるため、帰宅困難者まで手が回らない。自力での対応を想定していたが甘かった」(都幹部)。

 今回、多くの人が宿泊した施設は本来、地元住民のための避難所だ。都内で大きな被害が出た場合、帰宅困難者を収容することは想定していない。発生が予想されている首都直下型地震(マグニチュード7.3級)では392万人が帰宅できなくなると想定されている。

 都は今後、都心のオフィスビルや百貨店などに協力を求め、災害時の収容人数を増やしていく考えだ。社員や客をしばらく留め置くために、食料や布団などを備蓄するよう、条例で努力義務を課す案も出ている。関係する民間企業などと協議会を設け、11月までに方針を打ち出す予定だ。

 都幹部は「高層ビルの共用部や百貨店内などが開放されれば、収容人数は大きく増える。震災で都民の防災意識が高いうちに検討を進めたい」と話している。(岡雄一郎)

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