2011年7月10日12時49分
10日午前9時57分ごろ、三陸沖を震源とする地震があり、盛岡市や宮城県石巻市、福島県田村市など11市町村で震度4を観測。ほか東北を中心に北海道から近畿にかけての広い範囲で震度3〜1を記録した。震源の深さは約34キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.3と推定される。気象庁は同10時に岩手、宮城、福島の3県に津波注意報を発令。同11時45分に解除した。
同庁によると、福島県の相馬港で同日11時11分ごろ、岩手県の大船渡港で同11時20分ごろ、いずれも10センチの最大波が観測された。3月11日の本震以外で津波が実際に観測されたのは初めて。
震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県にそろって津波警報または注意報が出されたのは、4月7日深夜にあったM7.1の余震以来。本震以降、余震域内で発生したM7.0以上の余震は6回目。4月11日にM7.0の余震を観測して以来で約3カ月ぶりという。
気象庁の永井章・地震津波監視課長は10日正午前に開いた記者会見で、「M7クラスの余震が発生する確率は少なくなっているが、今回のように時々発生することはある。今後、半年から1年は、M7クラスの余震に注意が必要だ」と話した。
この地震の影響で東北、東海道の両新幹線などが一時運転を見合わせた。東京電力は、福島第一、第二原子力発電所の原子炉への注水などに異常はない、と発表。東北電力によると、女川、東通両原子力発電所にも異常はないという。
各地の震度は次の通り。
▽震度4 盛岡市、岩手県矢巾町、宮城県石巻市、栗原市、登米市、岩沼市、美里町、丸森町、福島県田村市、猪苗代町、天栄村
▽震度3 北海道浦幌町、青森市、岩手県宮古市、大船渡市、宮城県気仙沼市、仙台市青葉区、福島市、秋田市、山形県酒田市、水戸市、宇都宮市、前橋市、さいたま市見沼区、千葉市中央区、東京都荒川区、横浜市神奈川区、新潟県南魚沼市、山梨県忍野村
▽震度2 札幌市北区、山形市、東京都千代田区、新潟市中央区、甲府市、長野県諏訪市、岐阜県海津市、静岡県熱海市、名古屋市港区