定期検査の調整運転を5カ月以上続け、近く営業運転に移行する見通しの北海道電力泊原発3号機をめぐり、北大大学院の吉田文和教授(環境経済学)ら北海道内の大学教授など50人が15日、「無条件での営業運転開始は容認できない」とする緊急声明を出した。
声明では、同原発が1993年の北海道南西沖地震で津波の引き潮の影響を受けたとされることや、沖合に北電が認めない海底活断層の存在が指摘されていることを挙げ、営業運転再開前に「第三者機関による調査、検証がぜひ必要だ」とした。
また、東京電力福島第一原発事故を受けて北電がまとめた安全対策は「2〜4年をめどとした緊張感に欠けた対策」とし、「道は前倒しを要求すべきだ」と訴えた。
北電が安全確保に関する協定の対象を道と10キロ圏の地元4町村に限っていることにも、80〜100キロ圏を視野に入れた避難計画を作成するのが必要、とした。
北海道庁で会見した吉田教授は「従来通りの形式的な最終検査を元に営業運転への移行を認めるならば、東日本大震災から何も学んでいない、といえる」と話した。