東日本大震災の復興に使うため、2011年度政府予算に盛り込んだ約15兆円のうち4割が使われなかったことがわかった。道路や橋などの建設に予算をつけ過ぎたため、使い切れなかった。一方で被災地には十分な予算が届いていない人や企業も多く、復興予算が本当に必要なことにつけられているかが問われる。
政府の11年度の補正予算などに盛り込んだ復旧・復興関係費がどう使われたかを復興庁がまとめた。約15兆円のうち9兆円余りが使われ、約5.9兆円が残った。このうち約4.8兆円は12年度に持ち越し、予定通り復興事業に使う。だが、約1.1兆円は使われる見込みがないため、国庫(政府の財布)に戻し、借金返済に回すか、新たな使い道を考える。
事業ごとにみると、震災で壊れた道路や橋を直す災害復旧事業費約1.1兆円は2割しか使われなかった。国土交通省は「自治体がつくる『復興計画』の策定が遅れ、事業費を使えない」などと説明している。