教育で未来を考える

岩本悠氏 2017/7/16

海士町のように人口減少を食い止めたい自治体は多い。教育はその原動力となりえるのか。地域問題の解決に、地域は教育をどう位置づけるべきだと思いますか。

学校や子どもの問題は、地域の人たちが立場を越えてひとつになれる。子どもや教育の問題は、必然的に未来を見ることにもなる。そして、子どもの成長は元気をくれるし、生きがいにもなる。希望が持てるんです。

皆が共通のものとして受け取り、未来を見据えた時間軸で、希望を持って取り組むこと。それは、SDGsが目指すものとまったく共通しています。

多様性を認め、周囲の自然環境などを考えながら、自分たちが受け継いだものをどう未来につなぐかという視点を持つ若者が増えたら、世界はSDGsのゴールに早く近づけると思います。

「SDGs」が目標達成を目指す2030年は、今の高校生ぐらいの子どもが社会の主要なプレーヤーになっていく時代。どうすれば、物事を統合的な視点から見たり、自分事として捉えたりできる人材を育てられるのでしょうか。

地域の人や島外からの様々な人との対話が、複合的な視点で取り組むことにつながるのではないか。SDGsの達成も、どれほど多様な人の大きなチームにしていけるのかが、肝だと思います。(構成・石橋亮介、撮影・金川雄策、井手さゆり)

国谷裕子くにやひろこ
1979年米ブラウン大卒。93年~2016年、NHK総合「クローズアップ現代」を担当し、98年に放送ウーマン賞、02年に菊池寛賞、11年日本記者クラブ賞などを受賞。近著に「キャスターという仕事」(岩波新書)。
岩本悠氏Yu Iwamoto

1979年東京都生まれ。大学時代にアジア・アフリカなど20カ国を回り、出版した本の印税などでアフガニスタンに学校を建設した。2006年末に島根県海士町に移住。「魅力化プロデューサー」として県立隠岐島前高校の活性化に取り組んだ。15年から、県の教育魅力化特命官。著書に「流学日記」「未来を変えた島の学校」(山内町長らとの共著)など。