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斎藤佑樹、進化の4年間 28日ドラフト会議

2010年10月26日10時44分

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 「ハンカチ王子」が甲子園を席巻してから4年。大学球界を引っ張ってきた斎藤佑樹投手(22)が、ついにプロへの扉を開く。(坂名信行)

■スランプ自ら克服

 「プロ志望届は出しません。大学進学を希望します」

 斎藤が早大進学を表明したのは4年前の9月だった。

 「野球選手としても人間としても、まだまだ未熟。投手としてのレベルを上げ、それからプロに挑戦できたら目指したいと思います」

 早稲田実のエースとして全国制覇を果たしてから約1カ月。延長引き分け再試合の興奮も冷めやらぬ中、大勢の報道陣を前に宣言した。

 東京六大学リーグでは群を抜く成績を残してきた。入学直後の春季リーグ戦で早大初となる1年生の開幕投手を務め、負けなしの4勝で優勝に貢献。勢いに乗って、全日本大学選手権でも33年ぶりの日本一に立った。2年までの4季でリーグ優勝3回。最優秀防御率を1回、ベストナインを3回獲得した。

 ただ、順風満帆だったわけではない。常勝を義務づけられる中、3年時には投球フォームを崩した。勝ち星は春秋で計7勝を重ねたが、防御率は1、2年時の0〜1点台から2〜3点台に落ちた。

 早実時代から斎藤を支える捕手の白川英聖(ひでまさ)は「高校の時のフォームを理想としてきたが、体つきの変化もあって3年秋ぐらいからリリースの位置を少し低くした」。試行錯誤を重ねながら、今秋にはリーグ史上6人目の「30勝300奪三振」をマーク。「一度調子を落として、そこから戻ってきたので、今の斎藤は新しい斎藤だと思う」と白川。

 9月11日の法大1回戦では一つの目標にしてきた球速150キロを計測した。斎藤は「4年生になって球速にこだわらないと言ったとたんに出るなんて、不思議だなあ」と素直に喜んだ。高校時代の最速は149キロ。大台に到達したことで、一流投手の仲間入りができたと感じられたようだ。

 スタンドから熱視線を送り続けてきた各球団スカウトらの評価は様々だ。1位指名を公言しているのは2球団。ロッテの瀬戸山隆三社長は「超一流の素材。まだ修正の余地はあるが、当然1位は揺るがない」。ヤクルトの小田義人スカウトは「リーグ戦と大学日本代表と投げ続けてきてもケガをしていないタフさも評価できる」と語る。

 一方、辛口評も聞かれる。セ・リーグのスカウトは「プロに入ればストライクゾーンが厳しくなる。球威も含めての話だが、際どいコースでこれまで通りストライクが取れるかどうか」と疑問視する。

■ライバルと磨き合い

 斎藤は4年間を振り返り、「大学進学を選んで遠回りしたとは思っていない」と語っている。「そうでなければ2人とも出会えなかったので」

 やはりドラフト上位指名が確実な福井優也と大石達也。4年間を一緒に過ごし、高いレベルで競い合ってきた。高校時代は「上の存在だった」という田中将大(駒大苫小牧=現楽天)を追いかけ、最後の夏に大勝負を演じた斎藤らしく、大学でも良きライバルに恵まれたことを喜んだ。

 名門早大の第100代主将になった今年は、同じ4年の宇高幸治・副主将や野崎将司・学生コーチ、福満遼マネジャーと食事に出かけることが増えた。「でも、チームをどうしようとか難しい話はしませんよ。カラオケにも行くんですが、僕も斎藤もコブクロがお気に入りです」と宇高。

 早稲田実の仲間との付き合いも続いている。6月6日は斎藤の誕生日を祝うために集まった。三塁手だった小柳竜巳さんは野球部に属していない分、斎藤の変化を敏感に感じている。「2年までは先輩についていくのに必死で、野球だけを考えていた。3年のころから将来のことなどが見えてきて、4年になって負担が大きくなった。ただ、最近はいい意味で開き直れていて、楽しそうにやっている」

 周囲からどれだけ注目を浴びても変わらない、芯の強い野球少年――。それが斎藤佑樹だと仲間たちはいう。あるとき、何人かが「甲子園で優勝できたのは斎藤のおかげ」と言い始めた。斎藤は「みんなが助けてくれたからだよ。プロ野球で活躍して恩返しする」と返したという。

 栄光も苦悩も味わいながら、仲間とともに自らを熟成させてきた4年間。斎藤にとってプロ野球は「小さいころから目標としてきた舞台」。その扉を開くドラフト会議は28日に開かれる。当日は最後の早慶戦(30日から)に向けた練習をした後、静かに運命の瞬間を待つ。

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