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被災地からプロ目指す 新翔・要捕手

2011年9月29日15時37分

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写真:学校のグラウンドでバットを振る要智樹君=新宮市佐野拡大学校のグラウンドでバットを振る要智樹君=新宮市佐野

 和歌山県新宮市の県立新翔高校野球部で捕手を務めた3年の要智樹(かなめ・ともき)君(17)が、「プロ野球志望届」を日本高校野球連盟に提出した。届けを出すと、10月27日に予定されるプロ野球ドラフト会議の指名候補のリストに入る。要君は公式試合ではあまり結果を出せなかったが、練習試合で見せた強肩と強打に注目する球団も現れた。

 要君は同市三輪崎在住。小2から野球を始めた。市立光洋中時代は捕手で主軸を打ち、県大会で優勝した。実績のある中学生は県内外の強豪校に進学するケースが多いが、要君は「地元の学校を強くした方がおもしろい」と考え、家から一番近い新翔を選んだ。

 新翔では、首都大学野球の日本体育大学で捕手を務めた岡純平部長(26)らの指導で力をつけた。181センチ、75キロの細身ながら、遠投120メートルの強肩を持つ。

 打撃力について岡部長は「飛距離は県内でも随一」と話す。試合数が少ないため高校通算本塁打は8本だが、練習で約110メートル離れた校舎に届く打球を何度も放ち、ガラス窓が4枚割れた。このため、防球ネットが張られたほどだ。

 しかし、チームとしては結果を残せなかった。2年秋の3回戦が最高で、和歌山大会は3年連続で初戦敗退に終わった。

 華やかな舞台とは無縁だった要君の転機は、6月末に県内の強豪校と行った練習試合だった。要君はこの日絶好調で、相手が試みた4回の盗塁を全て刺した。矢のような送球で、野手がタッチするまでのタイミングに余裕が生まれるほどだった。打っては最速140キロ超の速球を捉え、レフト超えの場外アーチを放った。この日の要君の活躍がプロ野球関係者の耳に入り、関心を寄せる球団も出てきた。

 今月の台風12号では、要君の自宅も、高台にある高校も大きい被害はなかった。しかし、学校から見晴らす町はすべて水浸し。「新宮がこんなことになるのか」と衝撃を受けた。「自分にできることをしたい」と、練習の合間を縫って4回、仲間とともに市内でボランティアをした。家に流れ込んだ土砂をスコップなどでかき出し、材木をどけた。「本当にひどい被害。自分が野球がやれる幸せを初めて感じた」と話す。

 夏の大会が終わって同期のメンバーは既に引退しているが、要君は今も後輩たちに交じって練習を続けている。「僕がプロ選手になることが、被災地の人たちにとって明るいニュースになればうれしい」

 日本高野連によると、28日午後5時現在で県内でプロ野球志望届を出しているのは要君のほかに、市和歌山の安陵智哉選手と三家和真選手、和歌山西の福田安伸選手。(山野拓郎)

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