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経営難、実力見劣り…独立リーグ 苦しいマウンド

2009年12月29日11時43分

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 2005年の四国アイランドリーグ(現・四国九州IL)を皮切りに、毎年のように新団体が発足する野球の独立リーグ。今年はえりちゃんフィーバー、運営難などで関西リーグに注目が集まった。ただ、各リーグの運営基盤はもろく、既存の野球団体との連携も思うように図れていない。独立リーグはどこへ向かうのか。

■野球連盟、引き抜き阻止図る

 社会人、クラブチームを統括する日本野球連盟が25日、独立リーグへ転籍した選手が再登録を望んでも、1年間は認めない新ルールを設けた。ジャパン・フューチャーベースボールリーグ(JFBL)の壁矢慶一郎代表は「選手の人権にかかわる問題だ。移籍は自由にできる方がいい。なくせるならなくしてもらいたい」と首をひねる。

 独立リーグは四国九州ILに続き、北信越のBC、関西と発足。来春は三重と大阪によるJFBLがスタートし、ベースボール北海道も11年開幕を目指す。トライアウトが各地であり、200人超が集まった会場もあった。その中にはクラブチームなどでプレーする選手の姿もある。

 日本野球連盟には近年、所属チームから「エースや4番が抜けて存続の危機だ」などと苦情が寄せられていた。そのため今年2月、日本プロ野球組織(NPB)と同様、高校出の選手は3年、大学出は2年たたないと独立リーグに入れないルールをつくった。さらに今回のルール追加について、崎坂徳明事務局長は「野球界にはルールがあることを知ってもらう意味合いが強い」と説明する。審判員や公式記録員を社会人野球経験者から募る独立リーグの団体もあり、「プロとして興行するなら、しっかり考えて欲しい」と注文をつける。

■選手月給「10万円〜」

 プロとはいえ、独立リーグの選手は収入が少なく、オフは生活費を稼いでNPB入りを目指す。四国九州ILはこれまで20人、BCでも7人がNPBへ巣立った。今秋、関西のトライアウトで合格した田久保賢植さん(25)は「若いうちは生活なんて何とかなる。大切なのはお金じゃなく、好きな野球を思い切りできる場所」と言い切る。

 その実力も決して高くはない。「選抜チームなら大丈夫だが、単独チームでは試合にならない」とNPB幹部。厳しい運営環境の中、集客の起爆剤として注目されたのが、関西リーグ、神戸に入団した吉田えり投手(17)だった。

 初めての女子プロ野球選手として脚光を浴び、3月の開幕戦では1万人超を集めた。だが、すぐに暗転する。5月にリーグ運営会社が撤退し、4球団に3千万円ずつ支払われるはずだった分配金もなくなった。観客数は目標の1試合平均2千人に遠く及ばない626人。運営方針を巡るゴタゴタもあり、来季から参入予定だった三重が脱退。大阪と一緒にJFBLを結成するなど迷走した。

 そのJFBLも参入予定球団が準備不足で、来年度は2球団でスタートに。四国九州ILとの交流試合で乗り切る考えだ。選手給与も「月15万円の最低保証」を「月10万〜40万円」に変更した。壁矢代表は「私の力不足。不徳の致すところ」と頭を下げた。

■共存共栄へ連携不可欠

 ILの鍵山誠代表は「地域に信頼される球団になることが大事」と説く。

 基本的には私企業なので、地元自治体が公然とは支えづらい現状がある。8月には、明石(関西)の後援会事務局で市職員を働かせたのは違法として、職員の人件費返還を求める住民監査請求があった。後援会は地域活性化を図る目的で設立されたが、一部の市民には「特定企業に便宜を図るもの」と映った。

 北海道は「おらが町のチーム」を強調する。スポンサー企業ではなく、会員制のサポーターを集めて財政を築く方針で、入場券5枚などの特典付き会員券を年会費2千円で販売。10年度中に20万人(4億円)を目標に売り上げる予定だ。

 独立リーグ同士や既存団体との連携も欠かせない。BCの村山哲二代表は、日本野球連盟の新ルールを前向きにとらえている。1年復帰できないという制限を設ける一方、所属チームが認めれば早くに独立リーグ側へ移籍できることが可能になったからだ。「1年間戻れないのは妥当。むしろ許可制でも早い時期での入団を認めてもらった。感謝したい」。共存共栄へ。「これからは野球界で協議し、独立リーグとして何ができるか考えていきたい」

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