2010年1月25日10時55分
体幹を鍛える鉄平。「ケガだけは極力避けたいんです」
昨季は打率3割2分7厘で自身初タイトルとなる首位打者に輝き、年末年始のテレビ出演が相次いだ。それでも、オフも休まずバットを振り込む努力の人は浮つかない。「今回はたまたま。2年連続なんて、そんな簡単じゃない。謙虚にいきますよ」
もちろん欲はある。必要なことも分かっている。「メンタルの安定。僕は急に気が沈むことがあるので、そうならないようにしたい」。年明けには人生初の滝行に挑んだ。
中日の5年間でわずか5安打、打点なし。2006年、新天地で野村前監督に抜擢(ばってき)されたのが転機だった。毎年100試合以上起用され、昨季ついに才能が開花。年俸は2倍強に跳ね上がり、1億円プレーヤーになった。
「責任感が出てきた。やはり、それなりの結果は残したい」。そう言って、80打点以上と30盗塁を自らに課した。「僕は打率はどうでもいいんです。走者をかえして、後ろにつなげれば。今年は日本シリーズに行きたい」。マイペースで売っていた天才肌も10年目。言葉の端々に中心選手の自負がにじんできた。(渡辺崇)