現在位置:
  1. asahi.com
  2. スポーツ
  3. サッカー
  4. 海外サッカー
  5. 記事

カメルーン支える 名門部族

2009年11月3日11時39分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

    写真拡大カメルーン代表のFWエトー(右)。バサ族選手の代表格だ=AP

     250以上の部族が共存し、「アフリカの縮図」と呼ばれるカメルーンはW杯に過去5度出場し、90年にベスト8に進んだ。10年大会も最終予選A組で首位に立ち、11月14日の最終戦で勝てば、2大会ぶりの出場が決まる。実は代表選手はある部族系統の割合が高いという。その名は「バサ族」。過去には、W杯最年長得点で知られるミラ。現在のエース、エトー。有名選手が輩出するサッカーの名門部族の秘密を探った。

     カメルーンの街角で、「バサ族ってサッカーが得意なの?」と聞いてみるといい。誰もが、「おっ、よく知ってるな、日本人」という表情で、ニヤッと笑いかけてくる。

     人口約1800万人のカメルーンで、バサ族の系統は約100万人。11人の先発メンバーに1人いれば十分ということになる。しかし、エトーの他にも、代表100試合以上出場のソング、予選計3得点のマクンなどが、現代表で活躍。カメルーン協会が将来の代表候補としてリストアップする、20歳の新鋭ヌゴグも、バサ族出身だ。

     自身もバサ族出身で、ヤウンデ大でメディア論などを専攻するエオネ教授(59)は、「我々は、伝統的に規律のある生活を送ってきた。愛国心もあり、天性の運動神経も持っている」と説明する。

     教授によると、フランスからの独立運動を指揮したカメルーン人民同盟のリーダー、リュベン・ウム・ニュベもバサ族出身。フランスの言いなりにならない姿勢が煙たがられ、58年に殺されたが、その行動もきっかけになり、カメルーンは60年に独立した。

     「バサ族は不正を見逃せない。エトーが差別的発言に過剰反応を見せるのも、部族の習性と言える」と教授は話す。政府の中枢に人材が出ないのも、清濁併せのむ政治の世界に合わないためという。

     バサ族発祥の「アシコ」というダンスがある。素早いビートを刻む音楽に合わせて、小刻みに腰と足を動かし、ビール瓶を頭に乗せて落とさないように踊る。強い足腰なしには出来ず、90年のW杯イタリア大会で人気を博したミラのダンスも、アシコが起源と言われている。

     部族の結束は強く、首都ヤウンデ郊外にある聖地の洞穴は村人によって守られ、許可なしには近づけない。伝統に忠実なバサ族は、定期的にここを巡礼するという。

     とはいえ、試合ではバサ族を応援するのか、という質問を、教授はやんわりと制した。「サッカーは11人でやるもの。4、5人のバサ族を応援したからと言って、勝てるものではありません」(ヤウンデ=藤田淳)

      
    検索フォーム
    キーワード:


    朝日新聞購読のご案内