一瞬のスキを突かれるとは、こういうことを言うのだろう。
前半4分の失点の場面。日本のボールにしながら、誰がクリアするのか、DFの動きが止まった。わずかな時間を逃さず、ボールを奪った相手の抜け目なさもさすがだが、防げたミスだった。
次々とパスをつなげられて許した2点目。相手の技術の高さに脱帽したくなるが、スペースを与え、マークも甘かった面もある。中沢は「今日は1秒、2秒とかサポートが遅れた。小さなことだが」という。
相手は主力のほとんどがいなかったとはいえ、戦術や技術は一流。守備でも素早くプレッシャーをかけてボールを奪いにきた。日本は序盤から戸惑うばかりで、パスがつながらない。動き出しが遅く、球離れも悪かった。
後半、4バックに変更し、攻める時間帯もあったが、それも相手がバテてから。小笠原は「相手が強いのは確か。それ以上にうちがよくなかった」と素直に完敗を認めた。
アジアカップの疲れが残り、メンバーは国内組。言い訳はきくが、相手も長距離移動と時差で体調はよくなかったはず。アジアカップは内容が悪くても優勝できたため、課題が隠れてしまったが、この日は攻守に課題をあぶり出された感じだ。
昨年6月、チームを作り直すきっかけとなったのは、アルゼンチン戦の大敗(1―4)だった。9月から始まるW杯予選の後半戦を前に、目を覚まさせてくれた相手に感謝しなければならない。
(04/08/19)
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