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折れぬ心 30年の最後飾る 尾崎、38キロの逆転劇

2008年11月17日13時43分

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写真1位でゴールする尾崎好美=16日、東京・国立競技場、金子淳撮影

写真38キロ過ぎ、渋井陽子(右)をかわして先頭に立つ尾崎好美=岩下毅撮影

 長い足が、さらに長く見えた。上り坂の途中の38キロ過ぎ、先頭の渋井に並んだ。ストライドが伸びる。「抜く時は一気に」。涼しげな顔でレースの主役に躍り出た。

 一度は優勝争いの舞台から降りた。「つけるところまでいく」と決めていたが、渋井のハイペースについていけたのは7キロ過ぎまで。一時は4位に。持ち味は周囲も認める粘りとはいえ、序盤での脱落に「あの子はいつも2、3番。また引き立て役になるのかな」と山下監督も思った。

 だが27歳の粘りは、練習を8年以上見てきた師の読みを超えていた。3位で通過した30キロ、渋井とは1分32秒差。背中は全く見えなくても「あきらめていなかった」。呼吸は苦しかった。「練習でここをしのげば楽になった。粘れたらと思った」。上り坂でも155センチの力みのないフォームは崩れない。38キロ手前で加納を抜き、視線の先に渋井の背中をとらえた。「追いつける」。勝利を確信した。

 もちろん、粘りだけではない。36キロから続く上り坂を想定し、夏場は坂のダッシュを繰り返した。35キロから40キロまでは17分14秒。この大会で2時間30分を切った選手の中では昨年の野口みずき(シスメックス)、05年の高橋尚子(ファイテン)に次いで3番目。周到な準備が実った。

 「想像していたよりも急な坂ではなかった」。東京名物の坂に負けない脚力と、マラソンに欠かせない折れない心。それを持った新星が、30年の最後を鮮やかに飾った。(小田邦彦)

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