2011年5月に誕生した朝日新聞デジタルアプリ。

ユーザーのニーズを捉え、「連載フォロー」
「コメントプラス」といった

新機能の開発や改修に取り組んでいるのが、

プロダクトオーナーの鶴田未奈美さんです。

スマートフォンの普及率が年々高くなるなか、

開発チームは「ユーザーにとって
使いやすい朝デジアプリ」を

どう育てていくのでしょうか。

「あなたの朝デジ」を実現するために。
目標は週1回ペースの改修

朝日新聞デジタルは、2021年で10周年を迎えました。今、力を入れているのは、朝日新聞デジタルを「あなた仕様」にしていくことです。アプリにおいても、この1年は新機能のリリースを中心に走り続けてきました。

とくに重視してきたのは、ユーザーが自分仕様にカスタマイズして楽しめること。たとえば、連載記事のお気に入りリストがつくれる機能「連載フォロー」や、「新型コロナ」「スポーツ」といった記事のジャンルタブを好きな順番に設定したり、表示や非表示を自由に選んだりできる「タブの並べ替え」など。ユーザーが朝日新聞デジタルを自分好みの読み方で利用できるアプリといったイメージで開発を進めています。

とはいえ、そうした記事や機能も、結局はユーザーの元に届かないことには意味がないですよね。そのためにも、私たちは、改修や新機能の追加といった機能面から、よりユーザーに届きやすい記事、自然なユーザーエクスペリエンスを目指したいと思います。

私は、プロダクトオーナーとして、アプリの新機能開発や改修などに携わっています。プロダクトオーナーの役割は、アプリの最終的な品質を担保すること。お客様のご意見やアクセスデータを用いた分析などを参考に、より使いやすくなるようなプランをエンジニアチームに提案、相談して実施していきます。リリースされた機能は、アクセスデータやお客様のコメントをもとに検証。2週間に1回、早いときは週1回で改修プログラムをリリースすることもあるんです。

このペースで開発を進めるためには、チーム体制が大切。2020年にアプリの開発を朝日新聞社内で完結できるよう内製化したことで、一連の流れがスムーズになり、より柔軟な対応が可能になりました。もちろん、まだまだ改善の余地はありますが、週1回くらいのペースを保ってリリースしていけるといいね、というのがチームとしての目標です。

多様な視点を生む
「コメントプラス」機能をアプリでも

2021年6月からスタートした「コメントプラス」は、各分野の第一線で活躍する専門家や経験豊富な記者たちが注目記事に付け加えるコメントを閲覧できる機能です。記事の解説や各人の視点などが加わることで、ユーザーにより多様な視点を提供できると考えています。

朝日新聞デジタルのイチ押し機能として開発が始まった当初は、ひとまずブラウザ版だけリリースしようという意見もあったんです。しかし、近年のスマートフォンユーザーの増加やアクセス解析の結果から、これはアプリにもぜひ欲しいと考え、アプリ版も同時リリースする運びとなりました。

このコメントプラスをより良くしていくのも私の役目の一つ。専門チームとして立ち上げられたコメントプラス事務局と連携しながら、新たな発信のスタイルを模索しています。

2021年秋にはコメンテーター陣が約100人になりました。そこには、ただ単に世の中の出来事を報道するだけではなく、それぞれの生き方や考え方の違いといった「多様性」を大切にしたいという朝日新聞の意志があります。プラスアルファの見識を感じていただくことによって、ユーザーの捉え方に広がりを生むことができれば嬉しいです。

ユーザーエクスペリエンス向上のため、
部署横断で情報を共有する

新機能の開発や改修は「お客様の声」で始まることがほとんど。そのため、アプリ内にある「アプリご意見・ご要望フォーム」は、記入必須事項を最小限にして、気軽にコメントしていただけるようにしています。私たちは、「ご意見ボックス」と呼んでいて、欠かさずチェックしています。もちろん「ご意見ボックス」にとどまらず、お客様窓口やアプリストアにお寄せいただく声も参考にしています。

たとえば、「連載フォロー」もユーザーの皆さんの声を重視して開発したもの。お寄せいただくご意見の中には、私たちも気付かなかったようなご指摘も多々あって、貴重なアイデア源になっているんです。

その中でも真っ先に取り組むのはマイナスをプラスにする、つまり、不具合の解消。逆に流行のデザインの導入には慎重になりますね。それがユーザーファーストであるのか、違和感なく使えるのか、といった点を大事にしています。

企画立案においては開発チームで閉じることなく、編集部門やプロモーションのチームなど、アプリをつくり上げてユーザーに届けるために関わっている部署を横断して意見を聞くことを意識しています。「こういうの、どう思いますか?」というくらいの状態で話し合うんです。

また、たとえば、各連載をフォローしているユーザーの数といったデータを編集部門と随時共有しているのですが、そういったデータも踏まえてユーザーにおすすめする連載を決めていると聞いています。アプリがあることで、ユーザーの興味の方向がデータとしてより分かりやすく出せるようになりました。データを多くの人と共有しつつ、朝日新聞デジタル全体を通してのユーザーエクスペリエンス(サービスを通してユーザーが得る体験)を向上させていきたいですね。

朝日新聞の良さを生かしつつ、
素敵な偶然も演出したい

今、注力しているのは、記者や編集部門が力を入れた記事がアプリ内で埋もれることなく、興味を持っていただけるユーザーに確実に届くこと。ユーザー自らが意識してページ遷移をしなくても、自然に興味のある記事にたどり着けるような設計やデザインを追及しています。

その一方で、朝日新聞だから実現できる網羅性も疎かにしてはならないでしょう。今まで興味がなかった分野に関心が芽生えるような工夫も欠かせないと思います。たとえば、ユーザーのページ遷移の傾向に合わせて、自然と気づくようなところに注目記事を置くことで、アプリならではの“偶然の出会い”が演出できたらと考えています。私自身、作業中にふと目にとまった連載記事を読みだしたら止まらなくなることがあるのですが(笑)、そんな出会いからの没入感を提供していきたいですね。

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