朝日新聞デジタルを通して体験した
一人ひとりのエピソード。

活用シーンやお気に入りの機能、
生活の変化など、ユーザーのリアルな声を
じっくり伺いました。

「紙で読み、デジタル版で深掘り」の二刀流

いれ立てのコーヒーを飲みながら、朝日新聞のページを気ままにめくる──「それが朝の楽しみ」と目を細める山本俊正さん。2020年3月まで関西学院大学の教授を務め、定年退職された今も同大学の神学部で講義を行っています。朝日新聞は、紙もデジタル版も購読しているといい、研究者ならではの活用をされているようです。

「専門はキリスト教学で、授業の準備や補助資料として新聞の記事を使っています。昔はいちいち記事をハサミで切り抜いて、コピーをとって保管していたのに、朝日新聞デジタルのおかげで便利になりました。記事をデータとしてPCに保管でき、必要なときには簡単にアクセスできるのですから」

新聞全体を読むときは長年慣れ親しんだ紙で。気になる記事を見つけたらメモしておき、デジタルで検索して深掘りするのが朝のルーティンとのこと。

「紙の新聞は、朝の時間にリラックスして読んでいます。逆に、朝日新聞デジタルはパソコンに向かって……真剣です(笑)。後々のために保管しておきたい記事は、独自のファイルを作って項目別にデータ保存。頭が整理されて理解につながるという副次的な効果もあります。ずっと続けてきた新聞の通読スタイルを保持しつつ、デジタルの利便性も活用する、この“二刀流”スタイルがとても気に入っています」

タイ留学がデジタル版購読のきっかけに

もともと紙で朝日新聞を読んでいたという山本さんが朝日新聞デジタルの読者になったのは2017年の秋。大学の研究制度(在外研究)で3カ月ほど、タイのチェンマイにあるパヤップ大学で客員フェロー(研究員)をしたことがきっかけでした。

「朝日新聞を読むことが長年の習慣だったので、タイに行くと決まったときは困りました。たまたま、新聞社で働いていた教え子に各新聞にはデジタル版があるという話を聞いて、朝日新聞デジタルを申し込んだのです」

とくに助かったのが英訳の記事とのこと。社説やオピニオン面の記事、天声人語などを、大学の講義だけでなく、国際的な会議や学会の時の補助資料としても使っていたといいます。

「タイでは英語で発表をしていたので、記事をそのまま補助資料として使えるのは有り難かったですね。平和学の父と言われるヨハン・ガルトゥングさんの記事を引用したこともあります。天声人語などは内容が凝縮されていますから、英訳するのはすごく技術がいると思うんです。日本のニュース速報や最新の情報を、訳す手間をかけずに質の高い英訳で使えるわけで、それだけでも得をしたという感じでした」

「心に響く記事」が興味を惹き付け、考える手がかりに

大学では学生の知的好奇心を刺激する“つかみ”として、講義の冒頭で時事性のある記事の話をすることも多いとか。

「人の興味をぱっと惹き付けるという点で、新聞の話題というのはとても効果的です。さらに、宗教学の授業でつかみとして使う記事には、倫理的、知的であると同時に心に響くような要素が必要。天声人語や連載コラム、特集記事にはそういった“心に響く”記事が多く、有益だと感じています。『悩みのるつぼ』に寄せられた読者のお悩みを、昨今の結婚観にまつわる考察資料として使ったこともありますね」

さらに、昨今のミャンマー情勢など、積極的に報道される人権問題に関する記事も「宗教とは何か」を考える手がかりになるといいます。

「キリスト教学では弱者の存在を忘れることはできません。宗教はなぜ必要なのかと考えると、差別されている人、権力に抑圧されている人々の存在が浮かび上がる。その人々の存在を若い人に伝えていくことは、とても重要なことです。そのため、『こういう事象と関連している』とか『今、宗教を発端にどういうことが起きているのか』といった新聞の情報がとても役に立つのです」

そのような宗教にまつわる事象は多岐に渡り、社会の出来事とも深く関わっているからこそ、「情報の信憑性や信頼性の高さ、プロセスを踏んで編集され世に出ているという安心感」はもちろん、内容の正確さなどの点で「発信する側により重い責任が生じる」という理由から、記事が有料であることも重要だと考えているそうです。

ご自身は、佐伯啓思(さえき・けいし)さんの連載「異論のススメ」が好きで、楽しみにしているという山本さん。授業では、つかみや参考資料というだけでなく、新聞記事を読む楽しさも学生に伝わればいいですよね、と笑ってお話ししてくれました。

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