朝日新聞デジタルを通して体験した
一人ひとりのエピソード。

活用シーンやお気に入りの機能、
生活の変化など、
ユーザーのリアルな声を
じっくり伺いました。

今回お話を伺ったのは、
元日本マイクロソフト業務執行役員であり、

全世界のマイクロソフト社員のうち
年間たった12人のみに

ビル・ゲイツ氏から贈られる
「Chairman’s Award」を受賞、

「プレゼンの神」と呼ばれる澤円さんです。

ファクトベースの情報とは違う“個人の物語”を知る

2020年8月に日本マイクロソフトを退社、独立し、現在はコンサルティングやコミュニケーション分野で幅広く活躍されている澤円さん。さまざまな立場にある人の生活や体験を描いた記事に記された“個人の物語”に着目して、朝日新聞デジタルを活用することが多いそうです。

「瞬間的に情報を得たい時は、スマホでニュース記事を読むんです。さまざまなおすすめニュースが表示されるなかで、朝日新聞デジタルの“個人の物語”にフォーカスした記事は、パッと見て興味を引かれます。人の体験談は単なるファクトベースの情報とは違って、オリジナリティーがあるうえにバリエーションがものすごく多いですよね。取材対象者の考えをしっかり書いているのはもちろん、記事という客観視された体裁をとっているので、記者の解釈も入る。1つの記事に2つの視点が含まれていることで、それぞれの視点から物事を見ることができますし、そんな多面的な情報を広く取ることは、自分自身の思考を拡張したりシャッフルしたりするのにもかなり役立つんです」

事実としての情報はどこからでも手に入れられますが、澤さんが求めているのは、“個人の物語”。仕事や自身が発信していく際にも、多様な人々にフォーカスした記事が役立つといいます。

「僕は人をサポートすることを仕事にしているので、いろんな人の存在を知らないといけない。朝日新聞デジタルで描かれている個人の生活や体験からキーワードを抽出して、さらに自分の思考とつなげていくことで、自分自身のアウトプットの材料集めをしているんです」

日本マイクロソフト時代から、年間300本以上のプレゼンテーションを行う澤さんが「プレゼンの神」と呼ばれるようになったきっかけは、入社時にITコンサルティングの部署へと配属されたこと。IT知識のない顧客に向けて、いかにわかりやすく説明できるか模索していく中で、プレゼン能力に磨きをかけていったそうです。朝日新聞デジタルは、その根幹にある「視点の拡張」にも役立つと語ります。

「僕がよく言っているのは、プレゼンテーションは『プレゼント』。つまり贈り物だということ。わざわざ話を聞く時間を割いてもらっているぶん、相手が喜んでくれるような価値を提供したいんです。つまり、「聞いて良かった」と思うプレゼンテーションには「あなたのために」という要素が必要なんですよね。そうなった時に、世の中にあるさまざまな視点、その人自身の体験からしか語られることのない内容一つひとつがプレゼントの大事な材料になりますし、自分がまだ気づいていない視点を持つきっかけになる。そのために朝日新聞デジタルで“個人の物語”を知ることは、僕にとって重要なことなんです」

朝デジを読むことは
人生の舵を取る訓練にもなる

システムエンジニアを皮切りに、ITコンサル、技術営業マネージャー、マイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長、そして独立。さまざまなキャリアの変遷を経た澤さんの、情報収集の仕方はどのように変わっていったのでしょう。

「会社に属していると、同僚と雑談する時間がそれなりに多く、“個人の物語”も得られるんですよね。ただ、やはり同じコミュニティーに属していることで、その物語も似てくる部分があります。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインシフトしたことで、組織に属していてもその機会は減少しているでしょうし、僕のように会社を辞めて1人で仕事していると完全に失われる。

裏を返せばその時間を別の情報収集に充てられるようになったとも言える。たくさん記事を読んでもいいし、別のコミュニティーに飛び込んで会話してみてもいい。僕の場合は、あくまでニュースサイトの一つとして見ていた朝日新聞デジタルでの情報収集に時間を再分配し、より個人の物語に注目するようになった、ということです」

環境の変化に合わせて最適な選択を行う。それは、澤さんが日頃から大切にしている「自分の人生の主導権を握る」ことにも通じています。「朝日新聞デジタルを読むことは、人生の舵を取るための訓練にもなるんです」と澤さんは続けます。

「人生の主導権を握るためには、たとえば『女性は』『男性は』『日本は』…といったように、主語を大きくしてはだめなんです。思考が雑になるし、大雑把にくくってもいいことが起きないんですよね。そうならないようにするためには、主語を最小単位にする癖をつけて、アウトプットの裏にある『なぜこの人はこういう行動をしたのか』というコンテクスト(背景)を考える必要があります。それができないと、自分自身すらも『普通はこう』という雑なカテゴリに当てはめて苦しくなってしまう。主語を最小単位にするためにも、朝日新聞デジタルは役に立つと思います」

自分がワガママになったうえで、
他人も許容することが重要

澤さんは、現代社会の「多様性」への理解にも危機感を持っているそう。

「多様性に対する理解がまだまだ足りていないと思うんです。『普通は』『常識は』という言葉が多すぎるし、それを他者に向けている人もこれまた多いんじゃないかな。本当の意味で多様性を認め合うためには、自分がワガママになることが重要で。そのうえで、他者を許容できたら生きやすくなると思います。自分が我慢しているのだから相手も我慢して、というのはお互い不幸なだけです」

多様性への理解を広げるためにも、今後、朝日新聞デジタルに期待していることがあると話します。

「人間の数だけ人生がある、というのは当たり前のことですが、それをもっと記事にしてほしいです。あと、ハッピーエンドの記事が増えてほしいですね。インパクトはないかもしれませんが、生きるうえで臆病になっている人に、大丈夫だよと言ってあげるのも大事かなと思っていて。一般的なサクセスストーリーじゃなく、課題点もあるんだけど、一周回って幸せだよね、という救いのある記事が増えたらいいですね」

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