私大最大級のAIスーパーコンピューターを導入! 「AI大学」を標榜する東京工科大学の挑戦

Sponsored by 東京工科大学

2025/08/14

東京工科大学は2025年10月、日本の私立大学としては最大規模となるAIスーパーコンピューターを構築、10月から本格稼働する予定だ。家庭用コンピューターの50万倍に換算される計算処理能力(※1)は、高精度・広範囲のシミュレーションを実現。AIとの掛け合わせを強化した教育プログラムには、これからの社会が切望する人材育成への期待がかかる(写真は、東京工科大学の学生が制作した女性のAIデジタルヒューマン“KIANA”と、同大学AIテクノロジーセンター・ICT部門長の生野壮一郎教授。“KIANA”はNVIDIAのAIプラットフォームとつないで自然言語で会話ができるように開発中)。

(※1)東京工科大学が導入するAIスーパーコンピューターの学習理論性能(FP8)は0.9EFLOPS(1秒間に90京回の計算)。家庭用ゲーム機PS4のGPU=画像処理装置(約1.8TFLOPS=1秒間に約1兆8000億回の計算)の50万倍に相当する。

◆NVIDIA(エヌビディア)製のGPU×AIで最先端の技術に触れる

東京工科大学は2023年、アメリカの半導体メーカーであるNVIDIA社と学術交流連携を結んでいる。NVIDIAは、GPUを発明・開発する世界のリーディングカンパニーだ。AIテクノロジーセンター・ICT部門長の生野壮一郎教授に、同大学がGPUに着目した背景を尋ねた。

「GPU(Graphics Processing Unit)とは、画像出力用デバイスのことです。もともとはゲーム用に開発され、画像に特化して独自の進化を遂げました。その最大の特徴は、処理能力のスピードにあります。私の専門は高速計算ですが、2000年代前半からGPUの能力を汎用計算に使っていました。そして2012年、トロント大学の学生がAIをGPUに載せる検証をし、GAFA(※2)を始めとする企業の注目を集めます。これがAI+GPUの元年といえるでしょう。AIを動かすには早い計算機の存在が大前提になることは自明の理でした。

日本でスーパーコンピューターを保有している大学は、旧帝大をはじめとする9〜10校です。本学は早くからGPUの導入に動いており、NVIDIAとの信頼関係を築いてきましたが、いよいよ10月から同社のインフラとソフトウェアを用いて私立大学最大級のAIスーパーコンピューターを設計、稼働させる運びとなりました。システム全体のAIの学習理論性能(FP8)は0.9EFLOPS(1秒間に90京回の計算)。NVIDIAのテクノロジーをフル活用するために、同社のトレーナーが学生を指導する『NVIDIA学生アンバサダープログラム』にも参加しています」

生野壮一郎(いくの・そういちろう)/東京工科大学コンピュータサイエンス学部コンピュータサイエンス学科教授。 AIテクノロジーセンター・ICT部門長。デジタルツインセンター長。筑波大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。専門は数値シミュレーション、ハイパフォーマンスコンピューティング

学生アンバサダープログラムでは、生成AI(※3)やロボティクス(※4)、デジタルツイン(※5)などのテクノロジーを修得する。生野教授は、GPUの性能を最大限に引き出すには専門的知識が重要であり、学生アンバサダーの育成はGPU導入と切り離せないミッションと考えている。一方、NVIDIA側も東京工科大学が設置した「デジタルツインセンター」に興味を持っていた。その名の通りデジタルツインを専門的に扱う教育施設で、完成したのは、その言葉自体がまだ目新しかった2023年だ。加えて2025年4月には、最新のAIプラットフォームの導入によって学内外のAI研究・教育の基盤強化を目指す「AIテクノロジーセンター」を開設。そして2025年10月にはAIスーパーコンピューターの本格稼働と、設備の充実ぶりでは他の追従を許さない、最先端の大学になることを目指している。

スーパーコンピューターを導入している他の総合大学では、気候変動予測や災害シミュレーション、新素材開発、創薬研究など、各学部での利用を想定しバランスのよい使われ方をされているが、同大学ではこれをAIに特化。この選択と集中が東京工科大学の強みであり、大きな魅力となっている。

(※2)Google、Apple、Facebook(現Meta Platforms)、Amazon の4社の頭文字を組み合わせた造語

(※3)学習データに基づいて、テキスト、画像、音声、動画、コードなど、さまざまな形式のコンテンツを自ら生成することができるAIのこと

(※4)ロボットの設計、製造、制御に関する技術や学問全般を指す言葉。近年ではAIやIoT(家電製品、自動車、工場設備、医療機器など、さまざまなモノをインターネットに接続し、便利で快適な社会を実現する技術)との連携が進み、幅広い分野での活躍が期待されている

(※5)現実世界をサイバー空間上にデジタルデータで再現し、さまざまなシミュレーションや分析を行えるようにする技術

◆技術だけでなくEthics(倫理)も重視、社会の即戦力を目指す

スーパーコンピューターは一般的な家庭用PCの50万倍の計算処理能力があるとされる。例えばAIに犬と猫の違いを学習させるときは何万枚もの画像を読み込ませてパターンを教えるが、それが50万分の1の速さで終了するわけだ。この能力は東京工科大学の学習や研究をどう変えるのだろうか。

計算負荷の高いAIワークロードに対してハイパフォーマンスを発揮する「NVIDIA DGX™ B200」システム。東京工科大学ではこのシステムを12台接続したAIスーパーコンピューターを構築する予定だ(写真提供:NVIDIA)

「圧倒的な利点は、『学生が実際にスーパーコンピューターに触れられること』に尽きます。こんなに恵まれた環境はないと思います。50万倍の計算処理能力を活用してきた学生とそうでない学生とでは、経験値に雲泥の差が出ます。AI×GPUは、ヒトが想像できなかった未来を見せてくれる。学生の突拍子もないアイディアがAIとの協働で社会に実装されたとき、未来は大きく変わります。やりたいと思ったことを実現できる可能性が、限りなく広がるのです」

ただし、可能性が広がるからこそ留意しなければならないことがある。「倫理観」だ。生野教授は、倫理観に技術のニュアンスを加えた「Ethics(エシックス)」を教育カリキュラムに盛り込んでいる。

「欧米でAIを学ぶ際には、Fundamental(基礎)→Ethics(倫理)→Application(応用)がワンセットです。AI活用はつねにHuman Centered(ヒト中心)でなければいけませんが、そのためには技術だけでなく、倫理観に則った判断力を人間が主導すべきなのです。AIと共生するために必要なことを学ぶ、平たく言えば、いかに上手にAIを使うかというカリキュラムですね。これを必修とします」

教育方針として「AI as a Tool(道具としてのAI)」を合言葉に、国内最高レベルのAI教育が始まろうとしている。10月以降の主要プロジェクトとして予定されているのは、NVIDIA製品を使いこなすための育成プログラムをはじめ、ものづくりや都市設計における実証研究を行うデジタルツインプロジェクト、説明可能AI(XAI)を用いた研究、学内専用LLM(大規模言語モデル)の独自開発などだ。とくに説明可能AIの技術は、医療現場での実装が期待されている。

「説明可能とは、例えばAIが犬の画像を『犬』と認識した理由を明らかにするものです。答えが合っているなら過程はいいのでは、と思われるかもしれませんが、医療現場で診断する際に、根拠がなければ医師はAIの診断を採用できませんよね。このように、『説明』は透明性・公平性・法的信頼性を担保する非常に大切な部分なのです。AIは、脳のMRI画像から性別を高い精度で判別することができます。しかし、脳と性差を紐づける医学的なエビデンスはないので、医師にはそれが判別できません。つまり、なぜAIが脳から男女を判別できるのかという説明ができれば、これは新しい発見につながるわけです」

学生を指導する生野教授(写真提供:東京工科大学)

学内専用のLLMは、「東京工科大学生向けにカスタマイズされたChatGPT」を持つようなものだ。理想のキャリアを見据えた講義の選択やスケジュール管理、課外活動など、キャンパスライフに関わるあらゆる相談窓口が無料で学生に開放されるだろう。

「これから入学する皆さんが就職活動をする頃には、AIの造詣が深い学生の採用が、企業の優先事項になっているでしょう。ミニチュアではない本物のAIを知る東京工科大学の学生は、さらに貴重な存在となっているはずです。しかし私はそれ以上に、Human Centered、AI Ethicsの原則を身につけていることが、最大の強みになると考えます。技術だけでなくマインドの成熟においても、本学の教育は一歩も二歩も先んじているのです。

AIの回答を鵜呑みにせず、クリティカル・シンキング(批判的思考)で捉えるためには、高校までの学習が土台となります。プログラミングなどは大学に入ってからいくらでも学べますので、今は基礎学習をしっかり固めておいてください。皆さんと一緒に研究できる日をお待ちしています」

AIを学ぶ学生に聞きました――

「技術の力で企業の課題解決や新しい価値創造に携わることが目標です」~寺川光翼(てらかわ・こうすけ)さん/大学院バイオ・情報メディア研究科 1年

「映画『アイアンマン』に登場する人工知能が、AIに関心を持つきっかけでした」と言う寺川さん

◆デジタルネイティブの世代、テクノロジーを消費する側から作り出す側へ

幼いころに映画で観た人工知能を、専門的に学びたいと思っていました。東京工科大学を選んだのは、当時は珍しい人工知能に特化した専攻があったからです。コンピュータサイエンス学部の先輩たちのあいだでChatGPTが浸透し始め、面白い流れになっていたこと、NVIDIAによる学生アンバサダーが導入されると聞き、絶対に参加しようと思ったことから進学を決めました。

現在も学生アンバサダーとして活動しており、企業や他大学を対象にしたイベントセミナーでプレゼンする機会が増えています。大学院生としては、学部時代に固めた基礎を応用する研究に取り組んでいて、国際学会で発表するために渡米したり、産学連携で企業と協働したりと、考えていた以上に多彩で多忙な日々を送っています。

僕たちはデジタルネイティブと呼ばれる世代ですが、確かに物心ついたときからゲームに親しみ、遊びを通して自然にデジタル機器の操作に慣れていきました。本格的にコンピューターに触れたのは小学校の授業です。中学2年で初めてスマートフォンを手にしてからは、情報収集やコミュニケーションのツールとして欠かせない存在に。プログラミングを本格的に学んだのは大学に入ってからで、テクノロジーを消費する側から作り出す側への関心が深まりました。今はとくに、AIを利用した物理現象のシミュレーションに興味を持っています。

◆シンギュラリティは人類が次のステージに進化するきっかけ

2045年、AIが人間の知能を越える転換点(シンギュラリティ)を迎えると言われていますが、これは非常に刺激的な未来予測だと思います。AIが人間の知能を越えることで、これまで人類が成し遂げられなかった気候変動や難病治療、エネルギー問題といった地球規模の問題が解決できるかもしれません。歴史を振り返れば、技術革新はつねに社会構造を変化させ、新しい豊かさや価値観を生み出してきました。AIに仕事を奪われるという懸念はありながらも、個人的には人類が次のステージに進化するきっかけとして、シンギュラリティを前向きに捉えています。

東京工科大学で10月から稼働するAIスーパーコンピューターについても、デジタルツイン技術の可能性に挑戦できると、大いに期待しているところです。現実世界ではテストすることが難しいさまざまなシナリオを、仮想空間上で安全かつ高速にシミュレーションできるのは魅力的です。未来を予測し、問題の発生を未然に防いだり、より良い解決策を見つけ出したりすることが可能になるでしょう。とくに都市や社会といった極めて複雑なシステムのデジタルツインを構築するには、膨大なデータを処理するための圧倒的な計算能力が不可欠です。新しいAIスーパーコンピューターはまさにそれを実現する鍵となります。

恵まれた環境で「AI大学」を目指す東京工科大学(写真提供:東京工科大学)

◆技術の力で社会の課題解決や新たな価値創造に貢献する

今後の進路としては、大学院での2年間を、専門性を深めながら社会で活躍するための準備期間と捉え、修了後は技術で社会に貢献できる企業への就職を考えています。今は大学院の1年目ですが、研究活動を通じて社会人に必要とされる問題解決能力や論理的思考力を徹底的に鍛えたいと思います。将来的には、大学院で得た学びを土台に、AIをはじめとする成長分野に身を置き、技術の力で企業の課題解決や新しい価値創造に携わることが目標です。そのために、残りの大学院生活では一日一日を大切に、多くのことを吸収していけたらと思っています。

もし受験生の皆さんが、シミュレーションやAI技術、あるいはその他のコンピューターサイエンス分野で何か新しいことに挑戦したい、専門的な知識や技術を身につけたいと考えているなら、東京工科大学は最高の場所の一つだと思います。ここには熱意のある先生方と、同じ目標を持つ仲間がたくさんいます。充実した環境の中で自分の興味をとことん追究し、未来をデザインする力を養うことができるのです。ぜひ、オープンキャンパスなどに足を運んでみてください。

<詳しくはこちらへ>
AIテクノロジーセンター
https://www.teu.ac.jp/karl/ai_technology/index.html

デジタルツインセンター
https://www.teu.ac.jp/dtc/

コンピュータサイエンス学部
https://www.teu.ac.jp/gakubu/cs/index.html

取材・文/武田洋子 撮影/倉田貴志 制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ

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