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人里離れた中国山地の「アジサイ寺」に、少し遅い花便りが届い…[続きを読む]
朽ちた要塞(ようさい)跡をのみ込む深い森。まるで名作アニメ映画に登場する「天空の城」のようだ。一体どんな歴史があるのか。フェリーに乗って、東京湾に浮かぶ小さな無人島に向かった。 東京湾にぽつんと浮か…[続きを読む]
宇宙服のようなヘルメットをかぶり、朱色のスーツを着た巨大な猫の彫刻。瞳には大阪・堂島のオフィスビル群が映る。夜はヘルメットが光り、ライトアップされる。なぜ、ここに? 大阪市北区の中之島は、堂島川と土…[続きを読む]
蜂の巣のような六角形の穴の中に、座ったり寝そべったり。リラックスした思い思いの格好で、みんなが手にしているのは本。でもここは、本屋でも図書館でもない。 神戸市中心部から車で40分。新興住宅地を抜ける…[続きを読む]
職人がたくみの技でろくろを操る。くずが飛び、工房に木の香りが広がると、先端は球体になっていった。全国に広く知れ渡るその正体は――。足跡をたどると、みちのくに起源があった。 温泉地として知られるまちへ…[続きを読む]
夕闇に湯屋の明かりが漏れている。濡(ぬ)れ縁に湯上がり客の影がゆらり。夢か、うつつか。ちょうちん輝く湯の町は、日が昇れば一変。夜明けのむこうに、鮮やかなアートが広がった。 あかね色の柱が並ぶ回廊が、…[続きを読む]
丸太を筒状に組んだ囲いの中に入っていくと、おもちゃをちりばめたキラキラが視界いっぱいに広がる。見上げると、ぽっかりと空いた穴。まるで物語の世界。空想を始めたくなる。 農場の土から顔を出す野菜。何だろ…[続きを読む]
夕焼けに浮かぶヤシの木の輪郭に、海と空がオレンジ色に溶けていく。時間や天候ごとに色と表情を変える淡路島の海岸。そばの防潮壁に視線を移すと、虹色の魚たちと目が合った。 心地よい波の音に誘われて歩を進め…[続きを読む]
黄みがかって古ぼけた建物や塀が、ところどころツタに覆われ、木々の中にとけ込む。まるで外国の絵本の世界に迷い込んだかのよう。でも、この空間は京都の山奥にある。 山道をくねくね上った先に小さな別世界があ…[続きを読む]
空の色が刻々と変わるマジックアワー。海原にそびえ立つ奇岩の先に夕日が重なるとき、一本の大きなロウソクに火がともる。その一瞬を焼き付けたくて、遊覧船で海に出た。 ブォーン。乗客8人を乗せた船がエンジン…[続きを読む]
天井から降ってくる雨水、ぬかるむ足。ライトで辺りを照らしても、漆黒の闇が地下空間を覆う。 闇から抜けると、今度は探検する子供たちの声が大きくこだました。 扉を開けると、何やら巨大な柱があるのが分かる…[続きを読む]
水面に赤、黄、緑が映える。ハナモモと菜の花が咲き誇り、のどかな里山に春がやってきた。ここは中国山地の片隅。10人ほどが暮らす小さな集落は年に1度、多くの人でにぎわう。(文・田中奏子、写真・上田潤) …[続きを読む]
いつか国際的なサッカークラブに――。大仏で有名な古都鎌倉に、壮大な夢と情熱の詰まったスタジアムがある。澄んだ日は富士山が望める芝生の上で、子どもたちの笑顔がはじける。 日が暮れて、鮮やかな緑の人工芝…[続きを読む]
今宵(こよい)のお宿は、壁面に5円玉がぎっしりと貼り付けられた部屋。アートのまち京都で、他にはない一夜を過ごしませんか。 「お部屋一つ一つが作品です。繊細な部分がありますので、お手を触れないようお願…[続きを読む]
大空へと突き出した荘厳な威容の宮殿の屋根に、天使の彫像。その視線の先からは、楽しげな歓声が聞こえてきた。 まるで300年前の欧州へ舞い降りたような錯覚へ導かれる荘厳なバロック様式の建築だ。でも、ここ…[続きを読む]
庭の木々の緑が、ガラスの球体に浮かび上がる。そこは「反射」が生み出す美を堪能できる場所。カメラで「刻印」しよう。 静寂に包まれる夕刻の客殿。窓ガラス越しに見える庭園が、LEDの光で満たされた。座卓に…[続きを読む]
あたたかな毛並みに触れ、つぶらな瞳と見つめ合ううちに、馬と心が通じあう。そんな気分になれるポニー牧場があります。 ポニーにまたがると、目線がぐんと上がって視界が広がった。アスファルトの道を進むにつれ…[続きを読む]
とある歴史小説家の記念館が、大阪にあります。そのお方のファンでなくても安らげる館。この季節、菜の花であふれていました。 デジタル社会についていけない初老記者(58)は、町工場の街、大阪府東大阪市を自…[続きを読む]
都心から90分。神奈川県小田原市に、相模湾を一望できる無人駅がある。絶景を求めて、日の出前の駅に向かった。 1月末の早朝、ホームに降りた。朝日が空と水平線を朱色に染めていた。 神奈川県小田原市の根府…[続きを読む]
平屋の白い壁や緑色の樹木が、青い空に映える街。英字看板が掲げられる風景はまるで米国郊外。埼玉県にそんなタウンがある。 三角屋根に白い板張りの壁がまぶしい平屋建て住宅が路地に続く。埼玉県入間市の「ジョ…[続きを読む]
クリームソーダの鮮やかな緑の先に青い海が広がる。ここは四国のオアシス。ドライバーの疲れも泡のようにはじけて消える。 打ち放しのコンクリートが古びた様は、まるで要塞(ようさい)のようだ。中に入って目を…[続きを読む]
明治時代、未開の国産ワイン造りに挑んだ実業家がいた。瀟洒(しょうしゃ)な建物の半地下で熟成されたワインは、どんな味がしたのだろう。 洋酒の普及に生涯をかけた実業家の夢が詰まった「城」が、東京・上野か…[続きを読む]
潮が引いた砂浜に刻まれたのは、規則正しい波の跡。鏡のような潮だまりに映った空が、みるみるうちに色を変えていった。 群青色だった空がゆっくりと赤みを帯びると、水平線からオレンジの朝日が顔を出した。海面…[続きを読む]
ステンドグラス越しの光が結婚式前の2人に降り注ぐ。東京都内の博物館。展覧会だけじゃもったいない。あの「大階段」を上ろう。 東京・上野公園の木々を抜け、東京国立博物館(東博)の本館に入ると、目の前に大…[続きを読む]
越後のミケランジェロ――。そう呼ばれる芸術家が山里にあまたの作品を残した。150年ほど前のことだ。何者なのか。 越後にも「ミケランジェロ」と呼ばれる人がいた。故郷に偉大な芸術家の名にたとえられる人が…[続きを読む]
複雑な配管群が光を反射し、暗がりの中で幻想的に浮かび上がる。高速道路の向こうに広がるのは、未来都市を思わせる光景だ。 この光景は、ドライバー泣かせだ。夜、大阪湾に沿う阪神高速湾岸線を関西空港側から大…[続きを読む]
眼下に茶畑、かなたに富士山。静岡の山あいにある茶畑の中のテラス「天空の茶の間」。絶景の中での一服は、格別の味だ。 曲がりくねった急勾配の山道を車と徒歩で登ること約15分。斜面に張り付くように広がる茶…[続きを読む]
ポップでカラフル、かつ主張の強いデザイン。増えていく傷は「勲章」だ。コンクリートの遊び場へ、さあ飛び出そう。 堺市原池公園を歩くと、視界に広がるコンクリートの海原。その無機質な色彩とは対照的な青空の…[続きを読む]
遊歩道の両脇の樹木がトンネルをつくり、「トトロの森」を思わせる幻想的な世界が広がる。体感しに行こう。福岡県糸島市へ。 玄界灘にドラゴンの頭のように突き出た北部九州の糸島半島。その北西端に位置する志摩…[続きを読む]
関東大震災で被災した遊女らが息絶えた池の名残を残す弁財天。観音像の顔(かんばせ)は憂いを秘めて美しく、見つめる私もいつしか安らぐ。 艶(なま)めきそよぐ「見返り柳」に見送られくにゃりと曲がる道を進め…[続きを読む]
まるで列車が水面を走っているよう――。真っ赤な橋を渡りきるまで約2分間。その姿を求めて週末に写真好きが集まる。 田園風景を走り抜け、その橋にさしかかると、列車は時速15キロに減速した。「左手前に由良…[続きを読む]
アスファルトの白い数字。遊園地の駐車場ではない。ここで繰り広げられる熱い戦いを写真に収めようと、愛好家たちがしのぎを削っている。 丘陵地の起伏をはうように延びるアスファルト。色鮮やかなレーシングカー…[続きを読む]
頭をなでる子どもの手を、べろんと伸ばした舌でなめる牛。おっとりした姿からは想像もつかない動作で観客の興奮を呼び起こす。 1トン近い巨牛同士が頭をぶつけると、「ゴツン」と骨の音が響き空気が震える。角を…[続きを読む]
星形の窓からのぞく景色は、京都中心部の町並み。かつては五山送り火も見えたという。新聞記者は、ここを拠点に特ダネを追い、町へ飛び出していった。 地下へ向かう急な階段は真ん中がすり減ったモザイク模様。店…[続きを読む]
漫画・アニメ「鬼滅の刃」のヒットで関心を集める「鬼」。岩手県南部を行くと、あちこちで鬼にまつわる地名や建物に出会う。 鬼死骸村――。岩手県一関市にかつて、そんな名前の村があった。 さかのぼること約1…[続きを読む]
天井に縁起物が描かれているのは聖域へと向かうケーブルカー。山深い標高530メートル余りにある駅は俗世と聖域の境界線だ。 電車は、市街地から緑深い山の中へと進んでいく。ふもとの南海電鉄橋本駅(和歌山県…[続きを読む]
無人駅に降り立つと、ステンドグラスがきらめいていた。振り返ると、乗っていた電車は緑の木々の奥へ消えていった。 木々のアーチに囲まれた線路の上を、恋人と手をつないで歩くと永遠に結ばれる――。こんな話が…[続きを読む]
コバルトブルーの海へ延びる、長~い橋。車で走ると、割れた海の上にいる気分になった。渡った先には、もう一つの絶景が。 本州から日本海に架かる角(つの)島(しま)大橋を渡り、角島(山口県下関市)の西端へ…[続きを読む]
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